『ポケットモンスター ソード・シールド』の海外大手コミュニティで「ダイマックス」が禁止へ。腕前を競う場にはそぐわない

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『ポケットモンスター』海外の大手ファンサイトのひとつSmogon。同サイトの『ポケットモンスター ソード・シールド』対戦コミュニティのOverUsedティアーにおいて、「ダイマックス」が禁止されることが発表され、海外で話題となっている。なお、同ルールはあくまでコミュニティのものであり、公式のものではないので注意してほしい。

 

ダイマックス禁止

Smogonは、熱心なファンが集う大手ファンサイトだ。データベースやフォーラムなど、数多くの機能を有しており、推定月間PVは500万以上。ダメージ計算ツールなども備わっており、大手コミュニティのひとつと表現して差し支えないだろう。同サイトの対戦においては、数多くのフォーマットが用意されており、もっとも人気なのがOverUsedと呼ばれるティアー(ルール)。このOverUsedティアーにて、ダイマックスおよびキョダイマックスが禁止されたようだ。Smogon 常連の241人によって投票され、87%がダイマックスの禁止に賛成したことによって可決された。

同ティアーのリーダーであるFinchinator氏は、禁止する理由について説明。懸念している点としては、ダイマックスわざの副次効果(ステータスアップなど)が強力であること、そしてダイマックス化したポケモンのHPが大きく上昇することをあげている。ダイマックスは3ターンのみであるが、HPを大幅に上げることができるほか、自身の強化や相手の弱体化、そしてフィールドを変化させられる副次効果のあるダイマックスわざを繰り出すことが可能。ダイマックスわざをデメリットなしで、連続して繰り出せることも懸念点とされているようだ。ステータスアップごとコピーできるメタモンが、対戦環境で強さを見せているのも、ダイマックスの弊害であるとコメントしている。

そしてもっとも懸念している点としてあげられているのが、あらゆるポケモンがあらゆるタイミングでダイマックス化できること。そうした点で、メガシンカやZワザとは違い、予測ができないと言及されている。Smogonの対戦コミュニティは、運ではなく対戦者の腕を問う、スキルベースな環境であることが重要だと掲げられている。ダイマックスは対面の有利不利を大きく覆すという点で、スキル重視ではない要素のひとつであるとコメント。どのポケモンもできるという点で対策ができず、戦いの逆転の可能性を秘める大技として、認められないということだろう。キョダイマックスは限られたポケモンのみできるが、基本的なメカニックはダイマックスで同じであることから、同様にOverUsedのテイアーでは禁止されるという。Finchinator氏は、87%という票の割合を強調し、コミュニティの声を反映させるとしている。OverUsedには7人の幹部が存在しており、幹部のほとんどがダイマックスに反対しているとも。同案をめぐる議論の内容は、フォーラムのスレッドからも確認可能。
【UPDATE 2019/18:30】
ダイマックスを批判している点について、予測不可能な要素があるということについて加筆しました。

 

特殊なコミュニティ

一方で、頭に入れておきたいのは、Smogonは大きなコミュニティでありながら、独特の文化があるという点。同コミュニティの対戦ルールは、極めて厳しいことで知られている。具体的には『ポケットモンスター ソード・シールド』のOverUsedティアーのルールを見ていこう。ポケモンこそ、ムゲンダイナとザシアン、マゼンタといった伝説ポケモンが禁止されているのみであるが、そのほかのルールはかなり厳しい。2体以上のポケモンを眠らせることが禁止で、回避率を上げるかげぶんしんやちいさくなるも禁止。つのドリルなどを中心とした一撃必殺わざも禁止で、オニゴーリの代名詞ともいえるムラっけも禁止。曖昧な表現になるが、相手を詰みに陥らせる戦略も禁止。そのほか、特性としてのかげふみや、能力上昇を引き継ぐわざバトンタッチも禁止である。

Smogon-wide Clausesページより

いずれの要素もポケモン対戦において逆転を狙える、トリッキーなわざであるが、それらを全面的に禁止しているのだ。このルールは、Smogon対戦コミュニティで一番ゆるいルールであるUberにおいても多く適用されていることから、その厳しさが垣間見える。ほかのルールではきあいのタスキなどが禁止され、さらに厳しい。Smogonが、そうした対戦環境を好むユーザーがメインのコミュニティであるということを頭に入れておきたい。

ダイマックスは、メガシンカやZワザに替わって導入された『ポケットモンスター ソード・シールド』の新要素。前述したように、すべてのポケモンがダイマックスすることができ、ダイマックス後はHPが一時的に大きく上昇するほか、各タイプのわざがダイマックスわざに変化。3ターンながらも、ステータスの強化などができ、戦局を大きく変化させることができる。ダイマックスは対戦における大きな鍵を握っている。前述したHPやわざ特性だけでなく、ひるみの無効やこだわりアイテムの縛り一時解除など、独自の性質を持っており戦略を複雑化させる要素。戦況を大きく変化しえるドラマ性を持つシステムであるが、それを好まないコミュニティも存在するということだろう。

なおSmogonにおける『サン・ムーン』のOverUsedティアーも、なかなか厳しい。禁止ポケモン自体が多く、伝説や準伝説だけでなく、ギルガルドやバシャーモといったポケモンも出禁。メガゲンガーやメガガルーラ、メガルカリオ、メガボーマンダなど、強さゆえにメガ進化を禁止されたポケモンたちも確認できる。厳しい制限を設け、運に左右されない戦いを好む人々が多いという経緯を考えると、同コミュニティにてダイマックスが禁止されたのは、ある意味必然といえるのかもしれない。なお同発表を告知するTwitterの投稿には、ダイマックス禁止を反対する、コミュニティ外からのユーザーの声が寄せられている。

なお先日開催された『ポケットモンスター ソード・シールド』公式大会「ガラルビギニング」では、こうした制約は存在しない。公式大会も趣旨によって異なるルールや制約が設けられているだろうが、一律でここまで大きな制限が入ることはないだろう。今年に入っては『スマブラSP』において、オーストラリアのローカル大会でファイターの勇者が禁止される事例が存在した(関連記事)。競技シーンの発展によっては、時にローカルルールもまた独自の変化を遂げていくのかもしれない。

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