オープンワールド海戦ゲーム『Skull & Bones』再び発売延期。魅力的で危険な海を作るための、スタッフたちの航海は続く

 

Ubisoftは5月15日に2018-2019会計年度業績報告を実施。その報告の中で2019年中にリリース予定であった『Skull & Bones』の発売を延期すると発表した。ゲームの品質向上のためであるとされており、延期後の発売予定時期は未定。2019年のE3にも同作は出展されないという。

TwitterなどSNSでは、延期発表にあわせて開発スタッフからのメッセージ映像が投稿されている。プロデューサーのKarl Luhe氏は、『Skull & Bones』の発売を延期すること、E3 2019に出展しないことを改めて告知。クオリティこそが最優先事項であり、チームはできる限り素晴らしいゲームを作るために尽力しているとコメント。コミュニティは引き続きもっとも重要な存在であり、そのサポートに感謝。できるだけ早く続報を届けるとしている。

※ 実際に海洋に出て、サウンドを収録するスタッフの姿も

『Skull & Bones』は、2017年のE3で発表されたオープンワールド海戦ゲームだ。本作の開発を手がけるUbisoft Singaporeは、多くの『アサシン クリード』シリーズに携わり、海戦ゲームプレイをメインで開発してきた。舞台となるのは、1700年前後のインド洋。アフリカからの貴重な物資を積んだ貿易船が行き交っており、海賊たちが貿易船から商品を略奪しようとしている。そんな時代でプレイヤーは、いっぱしの海賊船長として生きていく。

本作はオープンワールドとなっており、プレイヤーの前には予測不能な天候や迫りくる危険、ライバルの海賊たちなどが立ちはだかる。武器や船を強化し、乱戦を重ねたり、略奪を仕掛けたり、PvPvEなどを含めたモードでスリリングな海戦を楽しめる。同作は発表当初2018年秋の発売が予定されていたが、昨年には2019年へ延期されることが発表。そして本日再度延期されることが発表されている。

昨年の延期に際して、Ubisoftはフォーラムにて開発に時間がかかっている理由について説明していた。アクティビティにあふれ、海賊ファンタジーの本質を捉えるシェアード・システミックでオープンな海を作りたいこと。常にリスクに対するリワードへの精査が必要な決断を求められる、船による攻撃と略奪が存在する海にしたいこと。また記憶に残るようなキャラクターと物語が登場する、“自分のストーリー”を綴れる世界にしたいこと。そうした要素を含む究極の海戦ゲームを作ろうとしており、同作をUbisoft Singapore史上最大規模の作品として開発しているがゆえに、時間が必要であると説明した。その後E3およびChina Joy、そしてGamescomでもゲームを出展。高評価を得ていたそうだが、それでも今年中の発売には至らないようだ。

なお昨年9月にはクリエイティブディレクターとして開発を引っ張っていたJustin A. Farren氏が開発から離脱。Farren氏のビジョンを開発スタッフが引き継ぐとされていたが、なんらかの影響はあるだろう。クオリティを重要視し、ポジティブな声明を伝えるスタッフの投稿に、コミュニティも好意的な反応を示している。『アサシン クリード』の海戦を手がけるスタッフの、『アサシン クリード』ではない海の物語。世に出るまでには、もうしばらく時間がかかりそうだ。