Epic Gamesストア、『The Sinking City』や『The Outer Worlds』を含む14本の独占タイトル発表。業界の巨人の攻勢続く

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Epic GamesはGDC 2019において、今後のEpic Gamesストアのソフトラインナップを公開した。すでにQuantic Dreamが『Heavy Rain』や『Beyond: Two Souls』、そして『Detroit: Become Human』の3作品をEpic Gamesストアにて販売すると発表していたが、それらを含めて今回の発表だけで14本もの独占タイトルが告知された。

なお、今回の発表に含まれている『The Outer Worlds』『The Sinking City』『Ancestors: The Humankind Odyssey』の開発元は、SteamにてEpic Gamesストアの独占販売期間が1年間であることを明かしている。これまでの前例を見るに、ほとんどのタイトルが同様に1年の時限独占の契約を結んでいると考えてよさそうだ。独占タイトルは以下のとおり。

・Afterparty
地獄に堕ちた学生二人が悪魔と一緒に飲んで騒ぎ、現世へと戻ろうとする奈落の青春アドベンチャーゲーム(関連記事

・Ancestors:The Humankind Odyssey
1000万年前から200万年前の新第三紀と呼ばれる時代のアフリカを舞台に人類の進化を描くオープンワールド・サバイバルゲーム(関連記事

・Beyond:Two Souls
前出のQuantic Dream作品(関連記事

・Control
『Quantum Break』のRemedy Entertainmentが手がける超能力アクションゲーム(関連記事

・The Cycle
Fortuna IIIと呼ばれる未知の惑星にて20人でクエスト達成の競争をおこなうPvEvPシューター(関連記事

・Dangerous Driving
『バーンアウト』シリーズ開発者が手がける、アーケードライクなレーシングゲーム

・Detroit:Become Human
前出のQuantic Dream作品(関連記事

・Heavy Rain
前出のQuantic Dream作品(関連記事

・Industries of Titan
『Crypt of the NecroDancer』開発元による経営シミュレーション。土星の衛星に産業都市を築き上げていく(関連記事

・Kine
ミュージシャンを夢見る3台の機械を描く、3Dパズルアドベンチャー

・Journey To The Savage Planet
『Assassin’s Creed 3』などのクリエイティブディレクターが手がける惑星探索ゲーム(関連記事

・The Outer Worlds
『Fallout New Vegas』開発元が手がける、宇宙を舞台にした一人称視点のシングルプレイRPG(関連記事

・The Sinking City
クトゥルフ神話の影響受ける、水没都市を探索するオープンワールドアドベンチャーゲーム(関連記事

・Trover Saves the Universe
『Rick and Morty』の共同製作者が手がけるコメディーアドベンチャー

Epic Gamesストアは昨年末に登場したばかりのプラットフォームであるが、開発者人気は非常に高い。Steamを中心とした従来のプラットフォームでは、ゲームなどを売り上げた際に生まれた収益の70%を得られるのが相場だったが、Epic Gamesストアでは開発者は88%の収益を取り分とできる。ビジネスの観点で開発者フレンドリーである。さらには、Epic Gamesストアは「無料配布」と「独占」を主軸にプラットフォーム普及を試みている。現在も『Slime Rancher』が配布されているように、人気作を2週間ごとに配布中。これをきっかけにEpic Gamesランチャーを導入したユーザーもいるだろう。

さらに、独占については『Metro Exodus』や『ディビジョン2』、『Satisfactory』など、すでに多くのPCタイトルがEpic Gamesストアで販売されている。独占販売にあたってはたびたびEpic Gamesより資金援助が出ていると報じられており、『XCOM』開発者によるスタジオSnapshot Gamesの『Phoenix Point』は、最近になりゲームをEpic Gamesストアで独占販売されると発表。それに際してSnapshot GamesのコミュニティーマネージャーがDiscordにて「(Epic Gamesストアに移行したことにより)これまでのすべての予約が取り消されても、黒字になる」と発言していたことが明らかになり、Redditなどで取り上げられた。

Snapshot Gamesがインタビューなどで言及していた予約分の利益やクラウドファンディングでの獲得資金などを踏まえ、ざっと日本円で2億円以上の資金援助がEpic Gamesからあったのではないかと推測されている。その額は決して小さくない。もしコンソール版も発売予定があり、リスク・マネジメントがしやすいタイトルならば、この資金の獲得はリスクを上回るリターンになりえる。

ただし、Epic Gamesストアは、独占コンテンツを得ながらも、PCプラットフォームとして欠けている機能が多く、Epic Gamesはロードマップを示し改善および改良を進めている。そしてこうした機能が備わっていない状態でありながら、独占コンテンツ獲得を進める方針に抵抗を示すユーザーも多い。先日には『サイバーパンク2077』がEpic Gamesストア独占販売にならないと告知されただけで、喜びの声が寄せられた。とはいえ、魅力的な新作が出るとなれば、利用を避けて通ることも難しくなっていく。Epic Gamesストアは、プラットフォーム機能を充実させ独占コンテンツを増やし、Steamに対抗できるほど力をつけられるのか。今回の独占タイトルの発表からは、あらためてEpic GamesのPCゲームプラットフォーム参入の意気込みを示す、強烈なメッセージ性が感じられるだろう。

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