ボイス/テキストチャット機能「Vivox」が、Nintendo Switch開発者向けにSDK提供へ。アプリなしでボイスチャットできる技術


Vivoxは本日2月6日、Vivox SDK(ソフトウェア開発キット)をNintendo Switchゲーム開発者に提供すると発表した。Vivoxは、業界内で高く評価されているコミュニケーション用ソフトウェア。ゲーム内のテキスト・ボイスチャット機能を持っている。Unreal Engine/Unityエンジン向けに、スムーズな実装を可能にするためのプラグイン、サンプルコード、ドキュメントが揃えられているため、マルチプラットフォーム展開とも相性よく『PUBG』『League of Legends』『オーバーウォッチ』『レインボーシックス シージ』など、125以上の大型タイトル以上で採用されてきた。今回この技術が、Nintendo Switchタイトル開発者向けにお手頃価格で提供されるという。

これまでNintendo Switchタイトルでオンラインのボイスチャットを利用するためには、スマートフォンアプリ「Nintendo Switch Online」を導入し、スマートフォンを介してコミュニケーションをとる必要があった。しかしながら、昨年リリースされた『フォートナイト』では、マイク機能付きのイヤフォンもしくはヘッドホンをNintendo Switch本体に差し込むことで、スマートフォンアプリを介さずボイスチャットができる。この機能はVivoxによりもたらされており、それがNintendo Switch向け開発者全員に開放されるというわけだ。

『フォートナイト』のほかにすでに同機能が導入されるタイトルも決まっており、Hi-Rez Studiosの『Paladins』と『Smite』がアップデートにてVivoxのボイス/テキストチャット機能を実装するとのこと。これらのタイトルでも、スマホアプリを用いずボイスチャットをすることができるだろう。Vivoxはマルチプラットフォームだけでなく、クロスプラットフォームとの親和性が高いので、クロスプレイを視野に入れたタイトルでは積極的に導入されそうだ。

Paladins

なおVivoxといえば、先月29日にゲームエンジンUnityを開発するUnity Technologiesに買収されたばかり。Venture Beatによると、先日の買収とNintendo Switch向けSDK提供のタイミングが同時期なのは偶然であり、Vivoxはこれまで数か月をかけて、任天堂と共に今回の実装の準備を進めてきたとのこと。Vivoxは、昨年9月にインディーデベロッパーを対象に無料提供サービスを開始していた(関連記事)。Nintendo Switch開発者向けSDK提供は、そうした動きに続くものだろう。

多くの人気対戦ゲームに採用されている技術ということで、今後のNintendo Switch向け対戦ゲームに積極的に導入されていくことに期待したい。