フリュー新作TPS『アノマリス/ANOMALITH』先行プレイ感想。気持ち悪くてホラー風味だが、「ガンガン攻める」ことを促す、強烈SCP体験

『アノマリス/ANOMALITH』の試遊の中では、不気味な世界観や非常に攻撃的な戦闘など随所にプレイヤーを楽しませる工夫に満ちた魅力を感じた。その内容をお伝えする。

フリューは5月22日、『アノマリス/ANOMALITH』を発表した。対応プラットフォームはPS5/Nintendo Switch 2/PC(Steam)で、10月29日発売予定。今回弊誌は、メディア向け先行試遊会に参加。ゲームの根幹となる世界観やメカニクスを体験することができた。なお、試遊はPC版をゲームパッドでプレイしている。

プレイできた時間は計1時間程度。「チュートリアル」「探索」「ボス戦」「拠点での強化」といった本作の主軸となるコンテンツについて触れることができた。RPGが多いイメージのあるフリュー作品としてはTPSというジャンルは挑戦的な領域である。試遊の中では、不気味な世界観や非常に攻撃的な戦闘など随所にプレイヤーを楽しませる工夫に満ちた魅力を感じた。その内容をお伝えする。


SCPとリミナルスペースを発想元にした不気味な架空日本

『アノマリス/ANOMALITH』が舞台とするのは架空の昭和■■年である。開発者の説明によればイメージとしては実在しない昭和64年以降にも昭和が続いている世界観とのことで、特に今回の試遊でも一部遊ぶことができた商店街はその昭和レトロの雰囲気がわかりやすい。このフィールドに配置されている看板やバイクといったオブジェクトはアセットの流用などはせず、スタッフが世界観にマッチするように1から作成しているというレベルでの気合の入れ方とのことだ。筆者自身もこういったレトロ感のある商店街には行った経験があり、思わずその思い出が脳裏をよぎるくらいには雰囲気のあるロケーションだ。

本作ではそういった「どこかで見たことがある」ロケーションを軸としており、その不気味さの解像度を高めているのは人の気配が一切しないリミナルスペースを意識してデザインしているが故である。先行試遊で体験できたフィールドは確かに一度は何かしらで見たことがあるようなロケーションであり「ついさっきまで誰かいたのでは?」と感じさせるような生活感が残っているにも拘わらず周囲には誰もいないのである。この不自然さが不気味な空間として感じられる1つの要因だろう。

本作はSCPをモチーフとしている事も大きな魅力になるように制作しているとのことで、今回の試遊では触れる事はできなかったのだが、開発者から伺った範囲では「あの有名SCPをイメージしているな」とはっきりとわかるような行動特性を持った敵キャラクターも登場するとのことである。その攻略法に関しても少しだけ聴くことができたがSCP的な行動特性に対してリスクを背負って攻略する必要があるようで、それが怖さと面白さに繋がる仕組みになっているようだ。また、少しメタ的な楽しみ方ではあるが「この敵のモチーフSCPはなんだろう」と考えたり、調べたりするのも面白いだろう。


レーダーというニンジンが目の前にある事でついつい寄り道してしまう探索

不気味さが感じられるフィールド上では物資があったり、敵が徘徊していたりする。それらからは弾薬や異物と言われる武器開発・強化用の素材が入手可能だ。これらのアイテムはインベントリを圧迫してしまうため、状況によっては取捨選択が必要となりそうだ。

フィールド探索で面白いと感じたのはレーダー機能である。下の画像の画面中央を示すレティクルの更に外枠に円形に表示されてるのがレーダーだ。これは近辺に未回収アイテムがあるとその方向と距離に応じて反応があるため、レーダーに反応があるとついついそっちに興味が向いてしまうことが多かった。試遊では時間の都合から探索範囲が限られていたものの、それが積み重なっていく事を想像すれば気が付けばあちこち探索をしてインベントリを埋め尽くしてしまうであろう作りに感じられた。


攻撃するほど立ち回りやすくなる、アグレッシブな戦闘デザイン

本作はTPSとなるため戦闘においては銃を用いての戦いが基本だ。銃の種類には「ハンドガン」「マシンガン」「ショットガン」「アサルトライフル」などがあり、更にそのカテゴリーの中にも複数種類が用意されている。
そこに彩を添えているのがパリィなどの「異形化スキル」と言われる行動だ。異形化スキルは強力であるものの使用するためには専用のゲージを消費する事になるが、このゲージを回復するのは敵を銃で撃つ行為になっている。そのため、スキルで有利に立ち回る→銃を撃ってスキルを撃てるようにする→再度スキルを使って……といったサイクルになるようにデザインされていた。

言い変えればプレイヤーが積極的に攻撃したことがスキルゲージ回復という形で肯定的に評価されることで、積極的に行動する事を促すようにしているように感じられたのだ。そのため、プレイヤーが受け身になってしまうような瞬間がとても少なく、戦闘中に操作が止まってしまうタイミングが極力低減するように工夫されたデザインだと感じた。また、銃で攻撃する際には弾薬が必要となるが、このようなメカニクスである事から普通にプレイしていれば弾薬が枯渇してしまう事はないようにも配慮されていた。

この異形化スキルの恩恵を強く感じることができたのは今回の試遊で戦う事になったボス敵だ。このボス敵は序盤のハードルとなるようにデザインしたとの事で、一撃離脱のような戦術で攻めてくることから逃げ回りながらチマチマとダメージを与えるだけではなかなか有効打を与えにくいようだった。

しかし、異形化スキルであるパリィに成功すると敵が一定時間無防備な状態になり攻撃を叩きこむ大きなチャンスを生み出せた。そのうえパリィが成功した際にはヒットストップのような演出が強烈に入ることから手応えとしても爽快感があり、このメリハリによってプレイヤーが「良い対処ができた!」と認識しやすい作りになっていると感じられた。なお、今回の試遊では実戦での操作は体験できなかったが異形化スキルにも種類が用意されており、パリィが苦手な人向けの代替手段も用意されているとのことである。


銃をカスタマイズしたり、衣装の着せ替えも楽しめる

探索で入手した素材は拠点に持ち帰れば銃や防具を開発・強化・カスタマイズしていくことが可能だ。銃は単純な性能強化だけでなくマズルやマガジンなどの見た目に関わる部分も変更可能で、これらの強化・カスタマイズによってダメージ上昇のみならず反動低減によって使用感が向上するようにもなる。先行試遊ではカスタマイズの機能説明程度に留まったが、カスタマイズの種類も豊富に感じられたうえ、カラーリングの変更も可能なので自分好みの銃にするのもゲームをプレイしていくモチベーションになりそうだ。

衣装も種類が豊富で、なおかつインナー、アウター(ゲーム内ではボディ)、ボトムス(ゲーム内ではレッグ)などの計9箇所に衣装を装備できるようになっている。「性能はこれが良いけど、衣装の見た目はこれがいい」という場合にも見た目だけ反映できる機能もあるためオシャレはかなりしやすいだろう。開発者によれば銃器が好きなスタッフの影響が銃や衣装に見られるとのことだ。また、昭和レトロをビジュアル面のテーマとしてることもあり、レトロフューチャーなガジェット装備もいくらか確認できた。

1時間という短い時間ではあったものの、ホラーとはまた異なる不気味さは十分に感じられたほか、昭和レトロのロケーションもかなり雰囲気が作られていた印象だ。そして戦闘ではプレイヤーが受け身になってしまうようなシーンが少なく、とにかく能動的に攻撃していく事でより有利に立ち回りやすく作られていたのは非常に好感触を持って遊ぶことができた。

アノマリス/ANOMALITH』は、PS5/Nintendo Switch 2/PC(Steam)向けに2026年10月29日に発売予定だ。

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S.Ishida(Game’s Wolves)
S.Ishida(Game’s Wolves)

色々なゲームの色々な楽しみ方を発見したい雑食ゲーマー。コンソールゲームやソーシャルゲームを遊ぶことが多めです。

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