PS4のクロスプレイ本格解禁まで何故これほど時間がかかったのか。そして各タイトルの今後の導入予定は

米国ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)は9月29日、SIEワールドワイド・スタジオのチェアマンShawn Layden氏を招いて収録したBlogcastを公式ブログに投稿した。この中でLayden氏は、先日発表したクロスプラットフォームプレイ(以下、クロスプレイ)に関する方針転換について説明している。

SIEは9月26日、『フォートナイト』にてクロスプレイ機能のオープンベータをおこなうと発表。従来対応していたPC/Mac/iOS/Android版に加え、これまで認めてこなかったNintendo Switch/Xbox Oneといった他社コンソールのプレイヤーとPS4版プレイヤーとのクロスプレイ、およびEpic Gamesアカウントを通じてゲームの進行状況を同期するクロスプログレッション・クロス購入の対応に踏み切った。SIEは、これをクロスプレイ対応の第一段階と位置付けて検証を進めるとしている(関連記事)。

*クロスプレイについて語る該当部分は12分35秒あたりから。

Blogcastにて、今回のクロスプレイに関する発表について尋ねられたShawn Layden氏はまず、この数か月の間に同氏のTwitterアカウントに寄せられた声の65パーセントほどはクロスプレイに関するものだったと振り返っている。PS4を除くコンソール間のクロスプレイは、『ロケットリーグ』をはじめこれまでにいくつか例はあるが、各プラットフォームにて大きな人気を獲得し、さらにクロスプログレッションにも対応した『フォートナイト』をきっかけに、コミュニティからSIEへのプレッシャーはより高まっていった経緯がある。その声はLayden氏にも数多く寄せられていたようだ。

そして、ついに重い腰を上げたように見える先日のSIEの発表だったが、Layden氏自身としてはもっと早く実現することを希望していたという。ただ、コミュニティからの要望があることは理解しており、SIEとしても出来得る最高の形で提供できればと考えていたが、クロスプレイは複雑な要素がいくつも絡んで成り立っており、スイッチを押してすぐに実現できるようなものではなかった。そのためSIEは、技術的な観点から、パートナーとのビジネス的な観点、また適切なユーザーサポートの提供や、どのようなメッセージを発するかに至るまで、ひとつひとつ順序立てて検討しクリアにしていく必要があり、これだけの時間がかかったとのことだ。

Shawn Layden氏。Blogcastでは、2014年から毎年北米で開催してきた年末恒例の独自イベントPlayStation Experienceを、今年は開催しないことも明らかにした。今年は、この時期に北米向けに披露できるタイトルが少ないためとのこと

こうした作業を経てコンソール間クロスプレイ対応の正式発表をし、同時に『フォートナイト』に実装したことについてLayden氏は、現状ベータテストではあるものの、問題が発生しているという話は特に聞いておらず、これまでのところ順調だとしている。なにより、ファンがクロスプレイを楽しみ、Layden氏にあまりツイートしてこなくなったことは喜ばしいことであると述べる。そして、『フォートナイト』以外への実装については、今回のベータテストにて確実に機能していることが証明できれば、じきにほかのタイトルにも導入されていくだろうとコメントしている。

今回のSIEの発表を受けて、いくつかのメーカーがコメントを出している。『マインクラフト』の開発元Mojangを傘下に持つマイクロソフトは、現時点で発表できるものはないものの、この新たな展開を受けて『マインクラフト』のエコシステムにPS4プレイヤーが加わることを歓迎している(Windows Central)。早くからクロスプレイを推進してきた『ロケットリーグ』の開発元Psyonixは、すでに各プラットフォームホルダーと交渉に入っていることを認めている。ただ、多くのパートナーが絡む事案であるため、実現までには多少時間がかかるだろうとのこと(Reddit)。

また、『Spacelords』(旧タイトル『Raiders of the Broken Planet』)を手がけるMercurySteamも、すでにSIEとの交渉に入っているという。こちらは近いうちに配信するアップデートにて実装することを見込んでいるそうだ(Wccftech)。『Call of Duty』シリーズや『オーバーウォッチ』などを抱えるActivision Blizzardは、『Hearthstone』を例にクロスプレイの重要性を認めつつも、他タイトルでの対応については今後検証をおこなっていくと述べるにとどめている(IGN)。

『Fallout 76』10月23日からXbox One版先行でベータテストをおこなう。日本国内での実施は未定

シリーズ初のマルチプレイタイトルとしてクロスプレイの実装を希望しながら、SIEのポリシーにより断念していた『Fallout 76』について、Bethesda Softworksのマーケティング部門を統括するPete Hines氏は、現時点では10月に実施するベータテストおよび11月の同作のローンチに集中するため、クロスプレイの追加は現時点では検討していないとコメントしている。Hines氏は、そのほかにもいくつか理由があるとしているが、クロスプレイ非対応を前提に開発を進めてきて、今からすぐに変更するのは容易ではないことを示唆している。ただ、完全に否定しているわけではないため、ローンチ後の動向に注目が集まる。

このように、各社それぞれが持つタイトルによって対応は異なるが、今回のSIEのポリシー変更を歓迎する点については一致しているようだ。『フォートナイト』でのベータテストが成功に終われば、歪な状態が続いていたクロスプレイの姿はいずれ過去のものとなるだろう。

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