SIE、PlayStation Studiosを含む人員全体の約8%にあたる約900名を削減へ。London Studioは解散、一部開発中プロジェクトは“前進を止める”ことが決定

 

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)は2月27日、グローバル規模での構造改革をおこなうとし、同社の人員全体のおよそ8%にあたる約900名の削減に着手するとした。PlayStation Studiosを含む世界中の社員が対象とのこと。

発表にてSIEは、ゲーム業界は大きな変化を遂げているとし、将来を見据えて同社の事業を強化するために構造改革をおこなうと説明。そのうえで、同社社長兼CEOのJim Ryan氏が社員に宛てて送付したメールを公開した。Ryan氏は、数か月間慎重に検討を重ね、リーダーシップチームで何度も議論をおこなった結果、今後もSIEの事業を成長させ会社を発展させていくためには、この改革が必要であるという結論に至ったとコメント。そして、SIEにとって厳しい決断は不可避であると判断し、事業の構造改革には、社員にも影響を及ぼす人員の削減が含まれるとした。

同社によると、SIEの現在の人員のうち、約900名(約8%)の人員削減を想定しているとのこと。この人員削減は米州、欧州、日本およびその他のアジアパシフィックを含むすべての地域の社員が対象となり、PlayStation Studiosのいくつかのスタジオも含まれる。具体的には、米国ではInsomniac GamesとNaughty Dog、英国ではGuerrillaとFirespriteの名が挙げられた。その他のPlayStation Studios全体でも、小規模な削減がおこなわれるという。


さらに、イギリスに所在するLondon Studioが解散されることも明らかにされた。London Studioは、古くは『SingStar』シリーズや「EyeToy」などに携わり、最近ではPS VR向けタイトルなどを手がけてきたスタジオだ。直近には、架空のロンドンを舞台にしたオンライン協力バトルゲームを開発中であることが発表されていた。同作は開発中止となるのか、あるいは別のスタジオが引き継ぐのかは現時点で不明である。なお、PlayStation Studios統括責任者Hermen Hulst氏は今回の発表の中で、開発段階にあるプロジェクトをあらためて精査し、プロジェクトの一部については“前進を止める”ことを決定したと述べている。

Ryan氏は社員に宛てたメールにて、今回の決定により影響を受ける社員に対しては、特別退職手当の支給などの支援を提供するとし、面談を開始するとコメント。また日本においては、社員のSIE社外への転進に向けた「ネクストキャリアサポートプログラム」を提供すると説明した。

ゲーム業界を含むテック企業においては、昨年頃からレイオフ・人員削減が相次いで実施され、ゲーム業界に関しては2023年は10月5日までで107件・6100人以上が解雇されたとの報告もある(関連記事)。今年に入ってもそうした流れは続き、これまでにはマイクロソフトやUnity、Riot Gamesなどで大規模なレイオフが実施。中小規模メーカーも同じくである。SIEに関しては、昨年10月に傘下Bungieでレイオフが実施されたが(関連記事)、このたびさらなる人員削減に着手されることとなった。