EXNOA(DMM GAMES)は11月3日、『きみのまち サンドロック』国内コンソール版を発売した。対応プラットフォームはPS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch。また、本作はPC(Steam)で早期アクセス配信中だが、同日にそちらも正式リリースとなる見込みである。


きみのまち サンドロック』は2019年に発売された『きみのまち ポルティア』と世界観を共有するクラフトRPGだ。オープンワールド要素も存在。『ポルティア』と同様にPathea Gamesが開発を手がけ、前作とつながりのあるNPCなども登場する。とはいえ、前作のプレイが必須というわけではなく、『サンドロック』単体でも十分楽しめる作品に仕上がっている。

本作は多くの要素を内包したクラフトRPGだ。採集からクラフト、交流、戦闘まで、非常に多くのことができる。多くのことができるゲームというのは、ともすれば何をすればいいのかわからなくなりがちである。本稿では、『きみのまち サンドロック』がどういう世界を舞台にしていて、どんな特徴があり、何ができるゲームなのかを紹介していく。

ポストアポカリプスな世界観


まずは本作の世界観を紹介しよう。『きみのまち サンドロック』の舞台は、災害によってほとんどの現代技術が破壊されてから330年が経過した終末世界。プレイヤーはこの世界でさまざまなモノ作りを請け負う「ビルダー」となって、採集からクラフトを通じてサンドロックの街の復興を担うこととなる。

本作の特徴はとにかく「資源が乏しいこと」。クラフト系RPGは肥沃な土地が舞台であることが多いが、サンドロックの街は荒涼としていて、資源はあまり多くない。ビルダー活動においては、資源はリサイクルや節約を考え、持続可能な計画を立てることが肝要だ。ときには資源や水を大量に必要とする場面も出てくるが、うまくやりくりする必要がある。

クラフトの肝は、乏しい資源をどうやりくりするか


本作ではクラフトRPGらしく、採集やクラフトを楽しむことができる。資源の乏しい土地での採集はひと工夫が必要だ。木をそのまま伐採するともとより少ない自然のさらなる破壊に繋がってしまうため、地面に転がっている木くずや枯れ木をうまく活用することになる。

本作ではジャンクパーツや地面に落ちている廃材などから、さまざまな「くず」を採集することができる。素材収集にあたってかなりのウェイトを占めるのがこの「くず」からのリサイクルである。集めたくずはクラフトしたリサイクラーに入れて、時間をかけて分別することになる。分別の結果、インゴットや中間素材といった細々したパーツとして再利用することができるのだ。資源の乏しい世界では、使えるものを何度でも使うことが大切なのである。


また、伐採をせずに樹木からの恵みを享受する方法として、本作で特徴的なのは「キック」である。文字通り、木の幹を蹴りつけて揺らし、木の実などの素材を回収するのだ。ときには木に付着している露も採集することができるため、集めて貴重な水として取り扱うことも可能である。

本作で水はとにかく貴重だ。なにせ枯れ果てた砂漠の街である。そのくせあらゆる生産活動には水が必要不可欠なのだから、考えてやりくりしなければならない。水を得るのにもっとも簡単な手段は、街の施設で購入することである。筆者なら貴重だからといって独占して値段を釣り上げるところだが、善良なサンドロックの街では意外と良心的な価格で販売されている。貴重だが、入手に苦労するほどではない。世界観とゲーム難易度のバランスがほどよく取れている印象だ。

そうして集めた素材は、さまざまな作業台でクラフトすることができる。作業台にも多くの種類があり、布を織ったり、料理したり、干物を作ったりと多彩なクラフトが可能である。


また、作業台で作成した素材をさらに組み合わせて大掛かりなクラフトをすることもできる。そうして街の発展に貢献すると、なんだか大掛かりなプロジェクトを終えたような気持ちになり、達成感もひとしおである。

砂漠ならではの農業

本作では作物を育てることもできるが、水の少ない枯れた土地での農業はかなり特徴的だ。本作の農業は、まず草方格(そうほうかく)を作るところから始まる。草方格とは現実にもある、砂漠の緑化方法のひとつ。ワラの柵を砂に差し込んで地面の砂が流れていくのを止め、土に流し込んだ水分や栄養が流れ出すことを防止する技術である。

草方格を作ったマスにたっぷりと水を流し込んで、作物の種を植え、収穫を繰り返すと、少しずつ土が育っていく。育てた土は再利用することができるので、作物だけでなく土地を育てる楽しみもあるだ。肥沃な土地が舞台のゲームと比較すると、少し手間がかかるものの、砂漠という過酷な土地を育て、豊かにしていくことがテーマの本作ならではの開拓者精神が感じられるコンテンツである。


こうして苦労して採集したり製作したりしたものは自分で使ってもいいし、プレゼントや納品など、他人のために使ってもいい。手づから作ったものを住人たちに渡すと感謝の言葉をもらえることもあり、個人的には納品やプレゼントがおすすめである。誰かを笑顔にする仕事というのは、たとえゲームの中であっても気持ちの良いものだ。なにより納品はお小遣いももらえるのが嬉しい。毎日の納品をこなしているだけで、生活に困らないだけのお金を稼ぐことができる。

拠点にもこだわれる


本作ではプレイヤーの拠点たるワークショップも、自由に改装することができる。ワークショップは自由に改装が可能で、なんと住居部分と庭部分の割合を変えることまでできる。

本作では製作設備は庭に置くことになるため、作業を快適にしたかったら庭の割合を大きくすることが重要になる。しかし、住居部分に置く家具にはプレイヤーのステータスを強化する役割もあるため、一概に庭だけを大きくすればいいというわけでもない。作業場とステータス、どちらを重視するかで割合を決めていこう。

戦闘だってビルダーの仕事

本作には戦闘要素も存在する。モンスターを倒して素材を獲得する目的のほか、ダンジョン探索をして街の秩序を守るためにも戦う手段が必要なのだ。ビルダーの仕事は採集や生産だけでなく、街を守るための戦いにも及ぶのである。


基本的な近接武器は剣盾、双剣、槍、大剣だ。ガードができる剣と盾のセットなら安定した立ち回りができ、手数の多い双剣は戦闘がテンポ良く爽快。槍で間合を保った戦闘が可能で、大剣では大ダメージを狙うことができる。気分や敵、好みに合わせて使い分けるのがいいだろう。これ以外にもダンジョン内で特殊な武器を手に入れることもあるが、大枠としてはこの4つである。

また、ゲームが進むと銃が手に入る。銃は近接武器とはUIも異なり、敵を照準で狙って撃ち抜く強力な武器だ。間合も長く戦いやすいので、戦闘の幅がグッと広がることだろう。弾丸が必要となるので、使用のタイミングは計画的に。戦闘に関しても、資源の節約は大切である。

魅力的な住人との交流

住人たちと交流を深めることで、友情や愛情を育むこともできる。毎日の挨拶からはじまり、カードゲームや手合わせなどで遊ぶことも可能だ。住人によっては料理のレシピを教えてくれたり、クラフトアイテムの設計図を作ってくれたりと、ビルダー活動に有益な情報をもたらしてくれることもある。

サンドロックの街では定期的にイベントが開かれる。ビルダーの歓迎会や街の発展のための寄付のお願い、季節のお祭りなど、さまざまなイベントを通じて住人の意外な一面を知ることもあるだろう。ビルダー活動に専念するのも良いが、街の復興のため、人々のことを知っておくことも重要である。イベントがあることは郵便で教えてもらえるので、なるべく忘れないように参加していきたい。


交流を深めたキャラクターとは固有イベントが発生することもある。例えば酒場のオーウェンは、来たばかりのビルダーを食事と一緒にもてなしてくれる。ビルダー仲間のミアンからは、仕事の手伝いを依頼されることも。キャラクターらしい個性のあるイベントの数々をやっているうちに、筆者は住人との絆を強く感じることとなった。サンドロックという街の一員として暮らす、生活シミュレーションとしての遊びもできるのが『きみのまち サンドロック』である。

なお、本作ではロマンスに性別のしばりがない。お気に入りのキャラクターが異性でも同性でも、構わずアタックしよう。その想いが実を結び、恋愛関係に発展することもあるかもしれない。


以上、『きみのまち サンドロック』でできることについて説明してきた。クラフトRPGとしては珍しく、砂漠という荒れはてた土地を舞台にした本作。限られた資源をやりくりし、住人たちと協力してサンドロックの街を復興させる達成感は非常に大きなものである。一風変わったクラフトRPGを遊んでみたい方は、ぜひ本作を手にとってほしい。

きみのまち サンドロック』国内コンソール版は、PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Nintendo Switch向けに11月3日より発売中。同日、早期アクセス配信中のPC(Steam)版も正式リリースとなる。

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