洞窟探検アクション『Spelunky 2』ゲームプレイ映像初公開。前作を基本としながら多数の追加要素を導入

 

アメリカのインディースタジオMossmouthは8月30日、『Spelunky 2』のゲームプレイ映像を初公開した。本作は、2008年にリリースされ、のちにHDリメイクされたローグライク・アクションゲーム『Spelunky』の続編だ。Mossmouthは、インディー開発者Derek Yu氏の個人スタジオで、本作の開発は同氏と作曲家のEirik Suhrke氏という前作からのコンビに加え、数々のインディーゲームの移植を手がけるBlitWorksがプログラミング担当として参加している。

前作の『Spelunky』は、プレイするたびに自動生成される洞窟を探検する2Dアクションゲーム。プレイヤーは洞窟内で入手できるアイテムを駆使して道を切り拓き、新たな武器を入手してモンスターを倒しながら、トラップ満載のステージの出口を目指す。死んでしまうと、すべてを失って最初からやり直しだ。近年は、インディーゲームを中心にローグライトと呼ばれる作品が多くリリースされているが、『Spelunky』はその火付け役のひとつと言われている。また同作はスピードランの題材としても人気が高く、規定時間内にステージをクリアすると、次のステージは明るく見通しの良いステージが生成されるという、スピードランをアシストする仕様も組み込まれた。

続編である『Spelunky 2』では、前作の主人公の娘Ana Spelunkyとしてふたたび洞窟探検に挑む。父から娘へと世代が変わったことは、開発者のDerek Yu氏自身が父親になったことも影響しているそうで、本作では家族をテーマにしたストーリー面にも力を入れているという。もちろん、前作同様ほかにもプレイアブルキャラクターはおり、映像ではRoffy D. Sloth、Margaret Tunnel、Colin Northwardという新キャラクターが紹介されている。

米国PlayStation.Blogのインタビューに答えたDerek Yu氏によると、本作の開発にあたっては「Spelunkyらしさとは何か」に思いを巡らせたそうで、そうした要素を限界まで拡張させる方向性を選んだという。映像では数々の新要素が確認できるが、ゲームのコア部分は前作とそう大きな違いはないとも語っている。また、ゲームプレイのペースは上がっているものの、ボリュームが増えたことによってクリアまでには少しだけ長い時間がかかるだろうとしている。

本作での新たな要素というと、まず各ステージは2つのレイヤーで構成されており、2Dゲームではあるが3次元的な探索を楽しめる。プレイヤーは双方のレイヤーを自由に行き来でき、ステージによっては“裏面”にショートカットできるルートが存在するかもしれないし、ステージの出口もそちら側にあるかもしれない。ステージの自動生成のアプローチは基本的には前作と変わらないものの、この2層構造を採用したことで、より興味深いランダムレベルデザインが可能になったという。

また、物理演算に基づく液体の表現も追加要素のひとつだ。映像では、水や溶岩が溜まっている場所の下を爆破すると、それらが流れ出している。もちろん、新たな環境のステージや、アイテム、モンスター、トラップも多数追加されており、中国風の建物で構築された洞窟や、テレポートアイテム、壁を射って足場にできる弓矢、乗って移動できるモンスターなどが確認できる。また、オンライン協力プレイにも対応する。

Derek Yu氏は、前作の発売以降にローグライク要素を取り入れた作品が多数生まれたことについて、このジャンルに素晴らしい多様性がもたらされたと歓迎している。ただそれでも、『Spelunky』には自由度の高いゲームプレイや、連鎖反応をも引き起こす多数のインタラクト可能なオブジェクトがあり、依然ユニークな存在であるとを語る。続編である『Spelunky 2』にて大きな変更をおこなわず、各要素の拡張やストーリー面に力を入れているのは、そうした自信の表れだろうか。

一方で、今回公開された映像には、前作と比較して背景のグラフィックなどが簡素に見えるといった意見がファンから出ている。これについてYu氏は、実際には微妙なディテールが描かれているとし、一見見分けがつき難いかもしれないが、そうした背景を全体ではなく要所要所に配置していると回答。ただ、ファンの意見には常に耳を傾けているとも述べているため、これから開発を進める中で調整されていくかもしれない。『Spelunky 2』はPC(Steam)およびPlayStation 4先行で、2019年に発売予定だ。