スペースシム『Star Citizen』、経営難が伝えられるCrytekのCryENGINEから開発環境を変更。そのCrytekには巨額投資をめぐる噂も

Cloud Imperium Gamesは12月24日、同社が手がける『Star Citizen』と『Squadron 42』の開発で使用するゲームエンジンを、Amazonが提供するLumberyardに変更するとプレスリリースを通じて発表した。同社はこれまでCrytekのCryENGINEを使用して開発していた。

『Star Citizen』は30世紀という未来の宇宙を舞台に、FPSやドッグファイト、交易など複数のゲームプレイが収録される壮大な規模のスペースシミュレーションゲームだ。2018年末の発売を予定している。そして『Squadron 42』はそのシングルプレイ・キャンペーンモードで、『Star Citizen』とは別にエピソード形式で2017年内に発売予定。両作はクラウドファンディングで開発資金を賄っており、現在までにおよそ1億4000万ドルを獲得している。

LumberyardはAmazonが今年2月に発表したゲームエンジンで、ソースコードを含めて無料で提供される。PCはもちろん、コンソールやモバイルにも対応し、VRやTwitch連携もサポートするマルチプラットフォームの統合開発環境だ。オンライン対応ゲームではクラウドサービスであるAWS(アマゾン ウェブ サービス)の利用が必須になっており、こちらの利用料金でAmazonは収益をあげるビジネスモデルになっている。

Cloud Imperium GamesのCEO Chris Roberts氏は、同社は『Star Citizen』と『Squadron 42』の将来を長いスパンで見据えてAmazonと1年以上にわたって協力してきたとコメント。そして(CryENGINEからの)移行はスムーズにおこなうことができたとし、リリースしたばかりの『Star Citizen』の2.6アルファ版はすでにLumberyardで動作しているという。Lumberyardは、Crytekからライセンスを受けた上でCryENGINEをベースに構築されているため、それも手伝ってのことかもしれないが、そもそもなぜゲームエンジンを変更したのかについては明らかにされていない。

一方、顧客を一社失った形のCrytekだが、最近は従業員への給料の未払いがたびたび報じられるなど、その経営状況はおもわしくないようだ。先日にはついにドイツ・フランクフルトの本社とウクライナ・キエフ支社を除いた全世界のすべての開発スタジオを閉鎖し、“プレミアムIP”の開発に専念する事業再編を発表した。CryENGINE事業については引き続き同社の経営戦略の柱となっており、ユーザーへの影響は無くアップデートを続けていくとしている(関連記事)。

Image Credit: Crytek
Image Credit: Crytek

そんな中Crytekに関連して、創設者であるCevat Yerli、Avni Yerli、Faruk Yerliの3兄弟の故郷であるトルコでの話題をHard Avenueが報じている。それによると、トルコ首相のBinali Yildirim氏がTurkey’s 500 Great Exporters Awardでのスピーチの中で“トルコ・ジレスン出身で現在ドイツに住んでいるゲーム業界を牽引する人物”について触れ、“彼ら”はトルコ国内で5億ドル規模の投資をおこなうだろうとし、その技術がもたらすイノベーションに期待を寄せる発言をしていたという。Yildirim氏はその人物の名前も社名も口にすることはなかったそうだが、ジレスン出身のYerli3兄弟のことを強く示唆する発言だ。そしてトルコ側が出資するのではなく、その逆である点も興味深い。

Crytekは前述のスタジオ再編に際して、開発スタジオではないトルコ・イスタンブール支社も存続させていたが、その理由のひとつはここにあったのだろうか。たびたび経営難が報じられ、ついに事業の見直しを迫られたばかりの同社だが、EurogamerによるとCrytekは『Warface』のロシア国内でのパートナーであるMali.ruに同作と未発表の続編の権利を売却するとも噂されており、そういった資金を元にトルコでの新たな活動も平行しておこなっていくのかもしれない。

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