新作MMORPG『AION2』先行プレイ感想。「僧帽筋」から「お腹のへこみ」までいじれる、高い自由度とディテールのキャラクリを誇るMMORPG

『AION2』をメディア向け体験会で試遊する機会を得た。本作を特徴づけているのは「自分のキャラクターに愛着を湧かせる」という点である。

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NCは、『AION2』のグローバル版を2026年9月にリリース予定だ。本作は、MMORPG『タワー オブ アイオン(The Tower of AION)』の世界を舞台とする新作である。天族と魔族それぞれの視点から、崩壊した世界アトレイアでの冒険が描かれる。

美しいグラフィックもさることながら、本作を特徴づけているのは「自分のキャラクターに愛着を湧かせる」という点だ。キャラクタークリエイトでは、顔の輪郭や目鼻の形だけでなく、僧帽筋の発達具合や骨盤の大きさ、腕の部位ごとの太さ、腹部の突出具合まで変更できる。装備品はいかにもな甲冑からパーカーまで網羅し、個別に色や“材質”まで変更できる。試遊の短い時間でも、完成した姿を眺めていると「このキャラクターで冒険したい」という気持ちが自然に湧いてきた。

本作は、まったく新しいMMORPGを発明しようとする作品ではないのかもしれない。自分だけの主人公を作り、広大なファンタジー世界を旅し、仲間と巨大な敵に立ち向かう。MMORPGが長く積み重ねてきた王道の魅力を、現代的な映像表現と膨大なカスタマイズ要素で真正面から磨き上げようとしている。

今回、そんな『AION2』をメディア向け体験会で試遊する機会を得た。体験会でプレイしたのは韓国・台湾版で、グローバル版とは異なる可能性があるが、キャラクタークリエイトからフィールド・ダンジョン探索、ボス戦やミニゲームまで触れたので、その感触をお伝えしていこう。


僧帽筋から“お腹のぽっこり具合”まで。細かすぎるキャラクタークリエイト

『AION 2』の舞台は、前作で描かれた「アイオンの塔」が崩壊してから200年後のアトレイアだ。塔の崩壊後、世界は分断され、天族と魔族が争いあっていた。さらに新たな力を得た龍族が台頭し、秩序は崩れ去っている。プレイヤーは徐々に力を失いつつある半神「ディーヴァ」となり、未来を切り拓いていく。ゲーム開始時には、天族と魔族のどちらに属するかを選択。各部族では冒険を始める地域だけでなく、物語の展開も異なるという。

試遊を始めて、まず強烈な印象を受けたのがキャラクタークリエイトである。

近年は、すでに完成されたキャラクターを収集し、編成して戦うタイプのライブサービス型ゲームも多い。それぞれのキャラクターが魅力的である一方、プレイヤー自身が作った分身として冒険する感覚は薄くなりがちだ。対して『AION2』は、プレイヤーが作り上げたキャラクターこそが特別な主人公なのだと、膨大な設定項目によって主張してくる。

最初に驚かされたのは、プリセットの完成度である。フォトリアル寄りの造形を基調としつつ、尖った耳、顔に刻まれた紋章といったファンタジー要素の強いものから現代的な顔立ちまで、幅広い方向性の美しい顔が揃っている。

キャラクリのあるゲームでは、最初に用意された顔がプレーンな造形に寄っており、そこから各部を調整していく場合も多い。本作では初期状態ですでに魅力的な顔が並んでいるため、「どれを選んでもよさそうで決められない」という贅沢な悩みが生じる。美しいキャラクターを作りたい場合は、プリセットを少し調整するだけでもかなり理想に近づけられそうだ。

もちろん、変更できるのは大まかな顔立ちだけではない。たとえばまつ毛は形や長さ、色を個別に変えられ、上まつ毛と下まつ毛を異なる色にすることも可能。肌についても、一般的な肌色にとどまらず、緑や紫といった鮮やかな色を指定できる。現実的な美男美女だけでなく、まつ毛がバサバサのギャル天族や、魔族らしい不穏な顔のキャラクターも作れるだろう。

メイクや「ウォーペイント」も、単に色を選ぶだけではない。チークやリップに加え、シェーディングとハイライト、反射や光沢の強さなどを別々に調整できる。各所の色はプリセットから選択するだけでなく、数値やカラーコードを使って指定することもできた。別の場所で使った色を再現したい場合や、自分の中に明確なイメージがある場合にも便利そうである。

そして、顔以上に驚かされたのが体形の調整項目だ。

身長や全体の筋肉量といった一般的な項目はもちろん、上腕と下腕それぞれの長さや太さ、僧帽筋の発達具合、骨盤の大きさ、“血管がどれだけ浮き出ているか”など、細かすぎるほど多くの部位を操作できる。胸は大きさだけでなく位置も動かせるほか、「お腹の突出具合」という項目を使えば、腹部を平らにしたり、ぽっこりと前へ突き出させたりすることも可能だ。

これほど体形を大胆に変えられるゲームは珍しい。装備を着せた際の見栄えや身体との干渉を考えると、顔ほど自由に変形させにくい部分でもあるはずだ。それでも本作では、かなり思い切った調整が許されている。低身長で頭が大きい筋肉質のドワーフ。細身でありながら手だけが大きいエルフ。腹の出た中年男性。現実離れした美しさを持つ人物だけでなく、少し不格好だったり、癖が強かったりする姿まで作れそうである。

筆者は女性キャラの腰と頭を細く設定し、逆に僧帽筋や肩などは最大までパンプアップ。ほぼすべての部位を軒並み大きくした。そこへ高身長とボブヘアを組み合わせ、さらに髪はツートーン、瞳は緑と白のオッドアイでカラーを設定。好みを遠慮なく詰め込んでいく。短い試遊時間では各項目を十分に吟味できなかったものの、それでもかなり気に入る主人公を作ることができた。

調整項目があまりに多く、最初はどこから触ればいいのか戸惑うほどだ。しかしやろうと思えば、どこまでも理想を追求できる。本作のキャラクタークリエイトは、本編が始まる前に広がる、もうひとつのオープンワールドのように思えた。


装備の材質・翼・ペット……理想のキャラづくりは終わらない

キャラクターの外見を決めても、『AION2』におけるカスタマイズは終わらない。装備品は頭、胴体、腕、マントなどの部位に分かれており、異なるシリーズのパーツを組み合わせられる。見た目も、重厚な甲冑やローブといったファンタジーらしい装備だけでなく、メイド服やラフなパーカーなど、現代的な衣装まで揃っていた。

特に興味深かったのは、装備の「材質」を変更できることだ。金属製の甲冑を柔らかな布地のような質感にしたり、普段着のパーカーを硬質なカーボン素材風に変えたりできる。さらにチェック柄やペイズリー柄といったパターンを重ね、色や模様も調整可能。装備の基本的な形は気に入っているが質感だけがほかの衣装と合わない、といった場合にも細かく修正できる。

変更できるのは防具だけではない。武器にも同様のカスタマイズを施せるほか、フィールドを飛ぶための「翼」も付け替えられる。鳥の羽根を思わせる王道的な翼から、悪魔のような鋭い翼、蝶や妖精を連想させる幻想的なものまで、その方向性は幅広い。

主に敵を倒すことで入手できる「ペット」も、自分らしさを表現する要素となる。画面内の表記によれば約200種類が登場し、猫や馬といった動物に巨大なモンスター、デフォルメされた星型のキャラクター、さらには空飛ぶバイクまで用意されるという。

ペットは普段からプレイヤーについて歩き、全種類に騎乗することができる。大きな生物では肩に乗り、鳥には脚からぶら下がるなど、種類によって乗り方が違うのも面白い。

試遊では、毒々しいスライムや巨大なマンドリル、“風船でできた犬”など、明らかに方向性の異なるペットたちを確認できた。個人的に気に入ったのは、背中にしがみつくようにして騎乗する、むっちりとした雪だるまだ。人間とほぼ変わらない身長に対して乗り方がかなり強引であり、抱きつかれたまま必死に走る後ろ姿には、どこか応援したくなる健気さがあった。

顔や身体を作り、服を選び、材質と色を変え、翼とペットまで選ぶ。ゲームを始めてからも、自ら作ったキャラクターの理想形を更新し続けられるようになっている。


美しい世界を飛び、王道の戦闘に挑む

作り込んだキャラクターを楽しむための見せ方にも工夫がある。カメラは景色を広く見渡せるほど遠くまで引ける一方、顔が画面を埋めるほど寄ることも可能だ。戦闘や探索での実用性はさておき、細部まで調整した顔をゲーム内の光源で高解像度のまま眺められるのは嬉しい。

カメラを引けば、Unreal Engine 5で描かれた鮮やかなフィールドが広がる。翼による飛行はスタミナ制だがいつでも発動でき、とくに高所から飛び降り、そのまま谷間を横切る感覚は開放的。水中にもシームレスに潜れ、水面の反射や差し込む光は美しかった。

一方で今回探索できた範囲では、宙に浮いた島や「空飛ぶクジラ」といった、空を飛ぶことでしか行けない先で新たな遊びを発見する場面は少なく、飛行は主に景色を楽しみながら、効率よく移動する手段という印象だった。前作の36倍というマップの広さが、どれほど発見や寄り道の密度に結びついているかはリリース時に再確認したい。

続いて、戦闘システムも体験した。AION2の戦闘の特徴としてノンターゲティング方式でプレイができる。ノンターゲッティング方式ではカメラが緩やかに敵の方向へ寄るため、攻撃が明後日の方向へ飛ぶことは少ない。各スキルで消費したMPは、連続して出せる通常攻撃や特定のスキルで回復できる。スキルを使い、クールタイム中に通常攻撃を挟むという流れで、操作はアクション寄りながら、戦闘の組み立て方はホットバーにスキルが並ぶ従来型のMMORPGに近い。また従来の『AION』と同じターゲッティング方式で操作も可能だ。

なお、アクティブスキルには「特化」という特殊効果が3つまで設定できる。威力やMP回復量を高めるだけでなく、移動しながら使えるようにする、多段ヒット化する、回転効果を加えるといった変更も可能だ。外見だけでなく、戦い方にもプレイヤーの好みを反映できる。

クラスは全8種あり、近接アタッカーの「グラディエーター」、ヒーラーの「クレリック」などおなじみの役割が揃っている。MMORPGに触れたことがあるなら問題なく馴染めるだろう。試遊時間内ですべてのスキルと効果を把握することはできなかったが、同じクラスであっても、選ぶスキルや特化によって立ち回りに違いを出せそうである。

戦闘システム自体はクラシックなものだが、ライティングやエフェクトは現代的だ。複数人が一斉にスキルを放つと、画面が光と爆発で埋め尽くされるほど派手になる。特に大規模戦闘では、さまざまなスキル演出が一体となり、圧倒的な戦場の雰囲気を作り出しており、大人数で強大な敵を攻撃しているという高揚感は強い。

最新技術によって、昔ながらのMMORPGらしいわちゃわちゃとした戦闘を描く。試遊しながら「この共闘感は今でも楽しい」と感じると同時に、その面白さが今も通用するのだという開発チームの自信も伝わってきた。


全滅が生んだ、ボス戦の一体感

次に体験したのはダンジョン。各部屋を進みながら敵を倒し、時折落石や滑空といったギミックに対応するわかりやすい形式である。そんな中、とくに歯ごたえを感じたのがボス戦だ。

印象に残ったのは「クラオ洞窟」の最奥に潜む、岩が集まってできたような形状のボス。この敵はある程度体力を削ると全体に即死攻撃を放ってくるため、タイミングを合わせて「グロッキーゲージ」を削り、ダウンを狙う必要がある。一部のスキルはこのゲージを削りやすく、即死攻撃の準備に入ったところでパーティ全員が特定のスキルを集中させる必要がある。最初の挑戦では間に合わず壊滅したが、再戦では危険な場面までスキルを温存し、全員で一斉に叩き込んで突破できた。

この仕組み自体はMMORPGで見覚えのあるものだろう。それでも、複数人の攻撃が同時に突き刺さり巨大な敵が崩れ落ちる瞬間には、王道だからこその高揚感があった。その後も時間切れまでに倒しきる総力戦が続き、最後は派手なエフェクトの中で残ったスキルを惜しみなく吐き出す。ボスは初見で簡単に突破できるほど緩くはない一方、何度も失敗を重ねなければならないほど難しくもない。わかりやすいギミックと適度な緊張感によって、MMORPGのパーティプレイにおける楽しい部分を手堅く押さえていた。

このほか、亡霊から逃げながらポイントを集める鬼ごっこや、ペットに乗って競争するレースなどのミニゲームも体験できた。単体で長く遊び込むような内容ではないが、ダンジョンの合間に友人と声を上げて楽しむ寄り道としては悪くない。強敵を倒すだけでなく、目的もなく集まって遊べる場所があることは、『AION2』の世界へ居続ける理由のひとつになるだろう。


王道のMMORPGを、キャラクリの自由度と美しさで押し通す

すでに大きなプレイヤー層を抱える作品が並ぶMMOジャンル。そうした中で挑戦する『AION2』は、MMORPGのルールを刷新するというより、ルールをなぞるようなゲームである。クラスやダンジョン探索、ホットバー型の戦闘はいずれもなじみ深く、キャラクタークリエイト以外には、ひと目でわかる新しさが少ないともいえる。そういう意味では本作は、新しい変化に頼るのではなく、MMORPGの王道を現代的な映像と膨大な物量で勝負しているように見える。

美しく、細かすぎるキャラクタークリエイト。装備の材質や翼まで変えられるカスタマイズ。鮮やかな世界を飛び、仲間と巨大なボスに挑む体験。それらはすべて、「自分だけの主人公で架空の世界を生きる」という、MMORPGの根本的な楽しさへ向けられている。とくに自分のキャラクターをどれだけ美しく、あるいはこだわりの強い姿に作り込めるかという点では、キャラクリを備えたゲームのなかでも群を抜いた自由度だと感じられた。

理想の分身を作り、その姿で美麗な世界を旅したい。そしてそのキャラで仲間と派手なスキルを撃ち合いながら、巨大な敵を倒す高揚感を味わいたい。そんなプレイヤーにとって『AION2』のキャラクタークリエイト、そして美しいグラフィックは、アトレイアでの冒険を始める十分な理由となりそうである。

AION2』はPC (Steam/PURPLE)向けに2026年9月リリース予定。

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Yusuke Sonta
Yusuke Sonta

『Fallout 3』で海外ゲームに出会いました。自由度高めで世界観にどっぷり浸れるゲームを探して日々ウェイストランドをさまよっています。

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