SCPの香りがする『Control』。『ファイアーエムブレム 風花雪月』はひたすら切ない。『アストラルチェイン』のアクションは本物。iOS『Dead Cells』の操作に苦戦。今週のゲーミング


Now Gamingは毎週日曜日、各ライターがその週にプレイしたゲームについて、ゆるく書きちらすコーナーです。198回目です。9月おめでとうございます。

 

Android版も今後配信予定とか

iOS版『Dead Cells』が発売されました。Ver. 1.1からの移植で、タッチ操作向けのUIが用意されています。バーチャルパッドはどこを触れても機能し、各アクションボタンは好きな場所に配置可能。既存プレイヤーならゲームパッド準拠の配置がオススメです。トリガー部にあったスキルやインタラクトについては、どこか親指の届きやすい場所を探しましょう。ドッジロール操作をスワイプに切り替えてスペースを空ける手もあります。攻撃をオートにもできますが、これはボタンを残しておいた方が良いかな。

ゲーム自体は特に調整されてないようで、あの『Dead Cells』をモバイルで楽しめるのは感慨深いものがあります。ただ、私は本作に限らずバーチャルパッドが苦手でして。キーの感触がないため僅かに入力がずれていても分からず、しばしば意図せぬ行動に。MFiパッドも使えますが、それなら他機種で良いし。慣れるしかないのか。
by Taijiro Yamanaka

 

なぜトクイ・ヨシミなのだろう

Remedy新作『Control』の舞台となるのは、超常現象を調査し、異常が見られる物体を研究・収容している機密機関FBCの本部。そこで起きた異変を解明すべく、テレキネシスや空中浮遊などを駆使して未知の脅威に立ち向かう超能力アクションゲームとなっています。設定からしてSCPの香りがしますが、実際、目を離すと危害を加えてくる冷蔵庫など、影響を受けていると思わしきオブジェクトが散見されます。FBC本部には、そうした異常物体に関する報告書が無数に存在しており、読み物アイテムを漁るだけでも楽しかったり。メインストーリーが弱い分、そうした世界設定や超能力戦闘で惹きつけてくれます。テレキネシスで家具やコンクリートをポイポイ投げて、ダイナミックな破壊表現や物理演算を眺めているだけでも楽しいですし。

また同作では小島秀夫氏が「トクイ・ヨシミ博士」という、名前が気になってしょうがないキャラクターの声を担当しています。トクイ・ヨシミ関連サイドミッションの奇天烈具合は本作トップクラス。小島氏が抑揚のある声で主人公に語りかけ、そのあと通訳を務める齊藤昭義氏が淡々と英語に訳していく様子は笑いを誘います。Remedyの過去作と結びつけるイースターエッグも多いですし、Remedy、SCP、小島秀夫氏のカメオ出演に興味のある方は、12月にリリースされるPS4日本語版をお楽しみに。
by Ryuki Ishii

 

そのうちちゃんと勝ちたい

今週は―――というか金曜日からは『アストラルチェイン』を遊んでいて、ハードに相当する難易度「拮抗」でエンディングを迎えました。『アストラルチェイン』はプラチナゲームズが開発した3DアクションRPG。近未来を舞台に、プレイヤーキャラクターと鎖で繋がれた「レギオン」の2体を同時に操作するゲームです。色々言いたいこともありますが、プラチナゲームズらしくアクション部分の出来栄えは本物です。

一見複雑そうに思える「レギオン」の操作も、1ボタンで敵に向かって飛ばしたりなど、手段の多さを提供しつつ、直感的かつスタイリッシュに扱えるようになっています。また、攻撃が回避でキャンセルしやすく、回避の無敵時間が長めなので、脊髄反射で操作していても敵の攻撃が避けられ、終始気持ちよく戦えました。ところで、それまで楽な展開が続いていたので、回復アイテムの補充もせずに最後の章に挑んだところ、ラスボスが並外れた強さを誇っており、残機も回復アイテムも無い状態では勝てないと悟り1敗。章の始めからやり直し、持てる限りの回復アイテムを仕込んで、倒し切るまでに合計5時間かかりました。純粋型というよりフリーザとでも戦ってるような気分でした。
by Keiichi Yokoyama

 

切なさあふれだす

『ファイアーエムブレム 風花雪月』はクライマックスに近づいてきました。とにかく長い旅路でした。そしてその旅路は二転三転ありましたので、内容も掘り下げられないし、スクショも載せられものがない。二部構成というのはわかっていましたが、それでもその構成での変化は新鮮です。ボリュームがあるだけに能力もインフレしているのですが、できるだけ大味にならないよう配慮されたバランス面も嬉しいですね。確かにハードにしてはシリーズ的には難易度抑えめなのですが、本質は育成ゲームなのでこのぐらいがいい気はします。

しかしこのゲーム、切ないですね。以前のNow Gamingでは「儚い」と表現しまして、その気持ちは変わっていないのですが、キャラへの感情移入が強まり、それでいてそれぞれのキャラが人生に藻掻いている姿を見ると胸が締め付けられます。切なくなります。幸せになってほしいと思うんです。そんなわけで、カップリングも慎重です。この子たちは気が合うだろうけど、共にメンタルが弱いので、この子と組ませておこうといった次第に、なんだから親のような気持ちで心配してくっつけています。そしてなにより、他のルートが見てみたくなりますね。他のサイドではどのような物語が展開されるのだろうか。この世界のことを、キャラたちのことをもっと知りたい。ゲームをしていてそんな風に思うのは、随分久しぶりのことです。
by Minoru Umise