暗礁に乗り上げた『Dead Island 2』に初代開発元が続投の意欲、我が子の将来を見届けていきたい

 

先日、ドイツの開発スタジオYAGER Developmentとの契約が解除された、Deep Silverのゾンビサバイバル最新作『Dead Island 2』。シリーズ第1作となる『Dead Island』を手がけたTechlandは、パブリッシャーから再び必要とされるなら快く開発を引き継ぎたいとの意向を明らかにした。暗礁に乗り上げた続編の行方を不安視するとともに、シリーズ生みの親として同作にかける想いを語っている。

 

我が子の将来を見届けていきたい

先日ドイツで開催された「gamescom 2015」にて、海外メディアVideoGamerのインタビューに答えたのはTechlandのゲームプロデューサーTymon Smektala氏。YAGER Developmentの解約報道を振り返り、「私たちにとっても悲報でした。ゲーム開発者にとってこうした事例はいつだって悲しいニュースです。他のデベロッパーの失敗を喜ぶ者なんていません。自分たちにも十分起こりえることなのですから」と、同業者へ惻隠の情を示した。

続けて、「悔恨の念にかられたもう一つの理由は、『Dead Island』は我が子だからです。私たちが想像し開発したタイトル。自分で作ったゲームだけにIPに対して未だ強い繋がりを感じています。そりゃ悲しいですよ」。『Dead Island』シリーズの行く末をこの先も見届けていきたいと、生みの親としての強い愛着心を伝えている。「個人的には『Dead Island』の開発に戻りたいです。あの作品が心底好きですからね」

もし販売元Deep SilverがTechlandに再びアプローチしたら『Dead Island 2』の開発を担当したいかという問いに対して、「もちろん。『Dead Island』が大好きだし、両フランチャイズ(『Dead Island 2』と『Dying Light』)が市場で競争するだけの余地はあると思います。両者を差別化できる何かを見つけられさえすれば、明確な線引ができるでしょう。“これは『Dead Island』でこっちは『Dying Light』”って感じで。アリだと思います」と、暗礁に乗り上げた続編の開発を引き継ぎたいとの意向を示した。

Deep Silverは今年7月、『Dead Island 2』に対する方針のズレを理由に、YAGER Developmentとのパートナー契約を解除。その後、同作の開発を専門に請け負っていたYAGER Productions GmbH(Gesellschaft mit beschränkter Haftung、ドイツにおける有限会社)は、予期せぬ早期解約を理由に破産申請に踏み切っていた。開発を引き継ぐ代替のデベロッパーは今のところ明らかになっておらず、2016年の発売を予定していたシリーズ続編は完全に座礁している。

Techlandは、初代『Dead Island』の開発を手がけたポーランド拠点の開発スタジオ。パルクールアクションが特徴のオープンワールドサバイバルホラー『Dying Light』が今年1月にリリースされ、現在は大型拡張パック「Dying Light: The Following」に着手している。『Dead Island 2』存亡の危機を救うのは、やはりシリーズ生みの親となるのだろうか。Deep Silverからの反応に世界のゾンビフェチが注目している。