デベロッパーのGame Scienceは8月18日、『Black Myth: WuKong(黒神話:悟空)』の事前ダウンロードを開始した。この影響か、Steamでは「ダウンロード使用帯域幅」が大きな跳ね上がりを見せている。
本作は、西遊記を題材にしたアクションゲームだ。8月20日にPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5向けに発売予定。また発売日は未定ながらXbox Series X|S向けにも展開される見込み。本作にてプレイヤーは孫悟空を思わせるキャラクター「天命人」を操り、危険と不思議が溢れる西遊の旅路に出る。西天(天竺)を目指す冒険のなかでは、強大な妖怪たちも天命人の前に立ち塞がる。
天命人は孫悟空お馴染みの棍術を使いこなすほか、法術・天賦・武器・装備といった要素を組み合わせて、プレイヤー好みの戦闘スタイルを構築できるそうだ。これまでのトレイラーでは、スピード感のある激しい戦闘や、分身を生み出す法術などが披露されている。ゲームエンジンにはUnreal Engine 5が採用されており、美麗なグラフィックや演出なども注目されてきた。
今回、本作の事前ダウンロードが開始。この影響からか、Steamにて「ダウンロード使用帯域幅」が跳ね上がったことが注目されている。つまり、ゲームファイルの一斉ダウンロードなどで、Steamのサーバーから大量のデータがユーザーに送信されているわけだ。最近48時間のダウンロード使用帯域幅はピーク時に全世界合計で70Tbpsを記録。ちなみに光回線においては、下り最大速度の理想値が1Gbpsとされることが多い。その約7万倍の以上のデータを、世界中のユーザーがSteamからダウンロードしていた格好になる。
本作はSteamDBのウィッシュリストランキングで5月ごろから1位を記録し続けるなど、大きな注目を集めてきた作品だ。また先日配信された“ベンチマークソフト”は最大同時接続ユーザー数が約8万5000人を記録するなど、盛況となっていた(関連記事)。このほかSteam版はシステム要件として130GBの空きストレージ容量が求められるなど、データ量もかなりの大きさ。そんな本作を世界中のユーザーが一斉に事前ダウンロードしたことが、Steamのサーバー回線を圧迫したのだろう。
なお注目作品がSteamのダウンロード使用帯域幅に大きな影響を与えた先例としては、『バルダーズ・ゲート3』が記憶に新しい。同作が昨年8月に正式リリースされた際にはピーク時に全世界合計で146.3Tbpsを記録していた(関連記事)。また2020年12月の『サイバーパンク2077』発売時には、ピーク時に51Tbpsを記録。今回の『Black Myth: WuKong』は発売ではなく事前ダウンロードで全世界合計70Tbpsを記録しており、注目度の高さもうかがえる。
ちなみにユーザー報告をもとに各種サービスのサーバー状態を記録するサイトDowndetectorを見ると、本作の事前ダウンロード開始後にはほとんど問題報告が寄せられていない様子だ。過去にSteamでは注目作のダウンロードが殺到したことでサーバーが悲鳴を上げていると見られた例もあったが、負荷への対策がしっかりととられているのだろう。
2020年の発表以来、大きな注目を集め、ついに8月20日に発売を迎える『Black Myth: WuKong』。事前ダウンロード開始後のSteamのダウンロード使用帯域幅の跳ね上がりからも多数のユーザーが本作を心待ちにしている様子がうかがえる。発売後の反響も注目されるところだろう。なお先日には本作の先行プレイレビューが解禁され、少なくともPC向け先行プレイ版では最適化不足を課題として指摘するメディアも見られた(PC Gamer)。PC版ではリリース時に最適化の課題が解消されているかどうかも注目点のひとつとなりそうだ。
『Black Myth: WuKong(黒神話:悟空)』は8月20日、PC(Steam/Epic Gamesストア)およびPS5向けに配信予定。Xbox Series X|S向けにも展開予定で、発売日は未定。