人気RPG新作『Baldur’s Gate 3』正式リリースされSteamでプレイ人口爆発。マルチ対応ロールプレイ満喫ゲームが堂々のデビュー

 

Larian Studiosは8月4日、『Baldur’s Gate 3』を正式リリースした。本作は2020年10月よりPC(Steam/GOG.com)向けに早期アクセス配信されており、約3年を経て正式リリースを迎えたかたち。本作はSteamにて、さっそくピーク時に47万人以上が同時に遊ぶ大盛況となり、ユーザーレビューの評価も上々となっている。なお本作はMacおよび海外PS5向けには9月6日の発売が予定されているほか、そのほかのプラットフォーム向けの展開も検討されているという。


『Baldur’s Gate』シリーズはファンタジー・テーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を原作としたRPGだ。『Baldur’s Gate 3』は約20年ぶりとなるナンバリング新作。開発は『Divinity: Original Sin』シリーズ開発元のLarian Studiosが手がけている。

舞台となるのは広大なファンタジー世界The Forgotten Realms。主人公は人々の精神を操る存在・Mind Flayerにより、脳に幼生(Tadpole)を植え付けられてしまう。不思議な能力を与える一方で脳をむしばむTadpoleを取り除く方法を探すことになる。本作には広大な都市や、魔法の洞窟、呪われた森などさまざまなロケーションが用意されている。

プレイヤーは主人公としてオリジナルのキャラを作成することが可能。また、あらかじめ背景情報が設定された7人のOrigin Heroが登場。彼らを主人公として冒険することもできるほか、仲間にして共に冒険することも可能となっている。本作では冒険の中でプレイヤーがとる選択が物語を形作っていく。また冒険を共にする仲間たちはそれぞれ独自の倫理観をもっており、プレイヤーの選択に反応を示すという。旅の中で築かれる人間関係も本作の魅力となるだろう。



本作には11の種族と31のサブ種族のほか、12クラスとそこから分岐する46のサブクラスが用意。呪文とアクションの種類は600以上存在するという。種族やクラスを選び、自由にキャラクターを作成・強化できるのも本作の持ち味となる。そのほか本作では、最大4人での協力プレイも可能となっている。なお、本作は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の第5版ルールをベースとして構築されている。独自の調整を施しつつTRPGのメカニクスを落とし込むコンセプトは、ナンバリングシリーズとして健在だ。

本作は2020年10月よりPC(Steam/GOG.com)向けに早期アクセス配信開始。以来約3年間にわたって開発が続けられ、今回ついに正式リリースに至った。正式リリース後には爆発的な人気を博し、Steamでの同時接続プレイヤー数はピーク時で47万2136人を記録(SteamDB)。Steamにて2023年に配信されたゲームの中で、2番目に多い最大同時接続プレイヤー数を記録した。なお今年もっとも多い同時接続プレイヤー数を記録したのは『ホグワーツ・レガシー』で87万9308人、3番目が『Sons of The Forest』で41万4257人となっている。

また、本作はSteamユーザーレビューでも高評価を受けている。本稿執筆時点では全体で7万3000件を超えるレビューが寄せられ、うち90%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得。人気シリーズ新作として、早期アクセス配信期間含めしっかりとユーザーたちの評価を獲得してきたようだ。


そして本作の正式リリースに際して、Steamには大きな“負荷”がかかっていたようだ。というのも、本作はインストールに空きストレージ容量122GBを要する大ボリューム。正式リリース時には世界中のプレイヤーたちが一斉に本作のダウンロードをおこなったようだ。Valveが公開している「Steamダウンロード統計」を見ると、最近48時間のダウンロード使用帯域幅はピーク時に全世界合計で146.3Tbpsを記録。光回線においては、下り最大速度の理想値が1Gbpsとされることが多い。その14万倍以上のデータを世界中のユーザーが秒間でSteamからダウンロードしていたわけだ。ちなみに参考として、『サイバーパンク2077』発売時には51Tbpsを記録していたことが伝えられている


『Baldur’s Gate 3』正式リリース時にダウンロードが殺到したことで、各地のSteamのサーバーには多大な負荷がかかっていたと見られる。ユーザー報告をもとに各種サービスのサーバー状態を記録するサイトDowndetectorを見ると、本作正式リリース直後にはSteamについての問題報告が約300件寄せられており、Steamのサーバーが少し不安定な状態にあった様子だ。

*Steamのサーバー状態について「ごめん」と述べるLarian StudiosのCEO・Swen Vincke氏


なお『Sons of The Forest』の早期アクセス配信開始時には、Downdetectorには1万件以上の問題報告が集まり、ゲームを購入できなくなるといった報告も寄せられていた(関連記事)。本作『Baldur’s Gate 3』では同作以上の最大同時接続プレイヤー数を記録したものの、少なくともDowndetectorに寄せられた問題報告数は少なかったと見られる。またPC Gamerによると、SteamDBでも本作リリースに際して広範な障害は発生していないと報告されていたという。Steamのサーバーは『Baldur’s Gate 3』リリース時の凄まじい負荷を、上手く切り抜けたようだ。

海外を中心に高い人気を誇る『Baldur’s Gate』シリーズの待望の最新作『Baldur’s Gate 3』。本作は2020年10月の早期アクセス配信時点で高い評価と人気を獲得していた(関連記事)。一方で早期アクセス版で遊べる範囲は序盤のみであり、正式リリースを待ち望んでいたユーザーは多かったのだろう。リリース後すぐさま47万2136人を記録する、絶好調な滑り出しを見せる結果となった。

『Baldur’s Gate 3』はPC(Steam/GOG.com)向けに発売中。Macおよび海外PS5向けには9月6日の発売が予定されている。また本作はXbox向けの発売も検討されており、マルチプレイや画面分割時に問題なく動作できるようにする取り組みが進められているそうだ。