「ポケモンカード最強AIエージェント」を決める公式コンテストにて“リアルでも活躍したメタ潰しデッキ”が爆誕。イワパレス、AI同士のバトルでも躍動

株式会社ポケモンは6月16日「ポケモンカードゲーム AI Battle Challenge」を発表。本イベントにおける、AIエージェントの強さを競うシミュレーション部門では、「イワパレス」がさっそくメタに躍り出ているという。

株式会社ポケモンは6月16日「ポケモンカードゲーム AI Battle Challenge」を発表した。AIエージェント同士がポケモンカードで対戦し強さを競うシミュレーション部門では開幕から早速AIエージェントが投稿されている。開始から1日が経とうとしている現在、筆者が確認する限りランキングの上位はポケモンのカードがイワパレスとイシズマイのみで構成されたデッキで埋め尽くされている。

「ポケモンカードゲーム AI Battle Challenge」はポケモンカードゲームをテーマにしたAIコンテストだ。AIエージェントがシミュレーター上で対戦を行い、その強さを競うシミュレーション部門と作成したAIエージェントに関するレポートを提出するストラテジー部門の2つが用意されている第一ラウンドが現在開催中だ。第一ラウンドストラテジー部門の上位8チームが第二ラウンドに進出する。第二ラウンドの詳細は明かされていないが株式会社ポケモンが主催する。ちなみに第一ラウンドはAIやデータ分析の学習プラットフォームであるKaggleが主催している。

シミュレーション部門の様子はKaggle上でリアルタイムに確認することができる。リーダーボードで現在のスコアのランキングを確認することができ、「Agents」の欄にあるビデオボタンを押すことで該当ユーザーが提出したAIエージェントによって行われた試合を閲覧できる。デフォルトでは英字のみであるものの、「Open Visualizer」と記載されたボタンを押すことで画像が使われたシミュレーション結果を表示できる。

そんなシミュレーション部門について、現時点ではイワパレス一強状態であることが一部ユーザー間で話題となっている。各エージェントが使用するデッキについて、弊誌で試合結果を確認した限りでは、実際に上位10チームのエージェントが、イシズマイ、イワパレスのみのポケモンを用い、残りはトレーナーズカードとエネルギーカードのみで構成されたデッキで戦っていた。使用しているポケモンカードの種類が少ない理由については、おそらくコンテスト発表から間もないため、思考するにあたってルールをできるだけ単純にする狙いがあるものと思われる。ではなぜイワパレスを採用しているのか。

この背景には、イワパレスの特性「しんぴのいしやど」が大きく関係していそうだ。今回のコンテストのカードリスト約1200種類のうち、151種類のポケモンカードがポケモンexとなっている。ポケモンexは非常に強力な効果を持つ反面、きぜつした際には、相手がサイドカードを2枚取得できる特殊なカードとなっている。ポケモンカードでは、勝利条件のひとつに「自身のサイドカードをすべて取る」ことがあり、ポケモンexの気絶は大きなリスクを持つわけだ。そうしたルール的背景もあり、本コンテストのカードプールでは、強力な技などを備えるポケモンexを重視しているようだ。Kaggle上のサンプルコードとしてもメガルカリオexを主軸としたデッキや、メガユキノオーexを主軸としたデッキが紹介されている。

イワパレスの特性「しんぴのいしやど」の効果は「このポケモンは、相手のポケモンexからワザのダメージを受けない」というこのような環境にたいしてめっぽう強い効果となっている。サンプルを参考に、とりあえず強力なポケモンとしてポケモンexを組み込んだチームは、「イワパレスデッキ」になすすべなく敗れてしまうわけだ。ひとまずポケモンexへの対抗手段としてイワパレスをデッキに組み込むように設計されたAIエージェントが一定数現れた結果、初日の上位帯はイワパレス同士が殴り合う“メタ”となったのかもしれない。ちなみにリアルの大会でもポケモンexが主体となった環境の際に、イワパレスを出すことでex以外のポケモンでの戦闘を強制する「イワパレスコントロール」と呼ばれるデッキレシピが存在。リアルでの『ポケモンカードゲーム』環境も彷彿とさせるメタが形成されているのは興味深い。

このように現在は本コンテストでは、事前のデッキ構築が勝率に直結しているといえる。一方でいくつかの試合では、過剰にエネルギーを付けている様子が確認できたり、イワパレスにポケモンexがそのまま攻撃していたりと、AIのプレイング面での課題も見受けられる。本コンテストは1日に5回、AIエージェントをアップロードすることができるため、イワパレスメタが対策されていくとともに、AIの思考を強化したエージェントも徐々に現れてくることだろう。エージェントアップロードの最終日は8月17日となっている。残り2か月でどのようにメタがまわり、AIが進化していくのか引き続き注目していきたい。

「ポケモンカードゲーム AI Battle Challenge」は現在第一ラウンドが開催中。AIエージェントの強さを競うシミュレーション部門の受付は8月17日まで、作成したAIエージェントについてレポートを提出するストラテジー部門の受付は9月14日までだ。

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Genki Hashimoto
Genki Hashimoto

インディーメインに一人称酔い意外は全てを愛するゲーマー。趣味は翌週のsteamリリース全チェック。

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