突如サービス終了する『文豪ストレイドッグス 迷ヰ犬怪奇譚』、運営元は“破産申立て済み”か。いきなりの「廃業」「有償石払い戻しなし」などを巡り困惑広がる

東京商工リサーチは、破産法に基づく破産手続き開始決定前におこなわれる、財産の保全段階にあることを伝えている。

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株式会社アンビションは7月30日、iOS/Android 向けに配信中の『文豪ストレイドッグス 迷ヰ犬怪奇譚』について、7月31日にサービス終了することを発表した。理由として掲げられていた廃業について、信用調査会社の東京商工リサーチは、破産法に基づく破産手続き開始決定前におこなわれる、財産の保全段階にあることを伝えている。

『文豪ストレイドッグス 迷ヰ犬怪奇譚』はTVアニメ「文豪ストレイドッグス」を原作とするスマートフォン向けゲームだ。2017年12月よりサービスを開始。「爽快異能スリングパズル」を公称する、いわゆるひっぱりアクションが採用されている。そんな本作は、7月31日をもってサービス終了することを、その前日となる本日告知。運営元である株式会社アンビションの廃業という経営上の事情であることが説明されていた(関連記事)。

そして、東京商工リサーチは、株式会社アンビションが7月3日付けで、東京地裁から保全管理命令および包括的禁止命令を受けたことを報じた。この保全管理命令とは、破産手続開始の申立て後、開始について正式な決定が出るまでの間に、財産を確保するために保全管理人に管理を委ねる制度。また包括的禁止命令は、同じく開始決定するまでの間、債権者による強制執行などを禁止する制度だ。

東京商工リサーチによれば、『文豪ストレイドッグス 迷ヰ犬怪奇譚』の配信後にアンビションは業容を拡大し、2022年3月期には売上高約37億4000万円を計上。一方で、直近の2025年3月期の売上高は10億2708万円に留まったとのこと。東京商工リサーチの取材に対してアンビションの担当者は、売上高が落ち込んだのは事実であるとしつつ、そのほかについては現時点では伝えられないとしている。

なおアンビションは今回のサービス終了を巡って、未使用の有償ゲーム通貨「異能石」の払い戻しを実施しない方針を伝えており、批判の声も上がっている。というのも、「資金決済に関する法律」いわゆる「資金決済法」の第20条1項では、同法の適用対象となる前払式支払手段の発行業務を廃止した場合、発行者に原則として、保有者に対して未使用残高を払い戻すことを義務づけている。また第20条2項では、払い戻しを実施する旨に加えて、60日以上の申出期間を設けることや、期間内に申し出がなければ払い戻し手続きから除外されることなどを、保有者に周知するよう定めている(e-Gov)。

一方、『文豪ストレイドッグス 迷ヰ犬怪奇譚』の利用規約では、第14条1項の免責事項として、サービスの全部または一部を廃止した際に、払い戻し請求や損害賠償請求から免責される旨が記載されている。今回アンビションはこの規約を根拠として「異能石」の払い戻しを実施しないと説明。ただしこの利用規約のみを根拠として、払い戻しを実施しないことが認められるのか、疑問視されているわけだ。

加えて、iOS版を対象に公式サイトにて提示している資金決済法に基づく表示では、原則として商品販売後の払い戻しをしない一方で、「各コンテンツの提供を終了する場合は、この限りではありません」とも明記されている。今回発表された対応は、こうした記載とも食い違いうるわけだ。

なお利用規約によると、Android版にて有償で購入した仮想通貨について、購入日から180日以内の有効期限が設けられている。資金決済法では、発行から一定期間内に限って使用可能な前払式支払手段については、同法の適用対象外となることが定められているため、Android版についてはiOS版と法的な扱いが異なる可能性がある点には留意したい。

本作の突然のサービス終了は大きな注目を集めている。破産手続開始の申立てについて今後どのような決定がなされるのか、また払い戻しが実施されない点を巡る動向は注目される。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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