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注目の宇宙RPG『EXODUS』開発者は“プレイヤーを悩ませる気満々”。『Mass Effect』ファンが試遊したら、さっそく「究極の選択」で頭を抱えた
スペース・オペラARPGの名手が携わる『EXODUS』が一体どのような作品となるのか、手触りと開発者による質疑応答から紐解いていく。

Wizards of the Coastは2027年4月7日、Archetype Entertainmentが手がけるアクションRPG、『EXODUS』をリリースする。日本では時差の関係で4月8日の発売となる模様で、対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/XBOX Series X|S。
今回弊誌は、東京ゲームショウ2026の機会にあわせて、本作を実際にプレイし、開発者に合同インタビューする機会を得た。スペース・オペラARPGの名手が携わる本作が一体どのような作品となるのか、手触りと開発者による質疑応答から紐解いていく。

『EXODUS』は、Wizards of the Coast傘下のArchetype Entertainmentが開発するシングルプレイのSFアクションRPGだ。主人公たちは4万年後の未来のSF宇宙にて、進化した人類といった脅威に立ち向かうことになる。Archetype Entertainmentは、『Mass Effect』といった作品に携わった元BioWareの開発者らによるスタジオである。
ゲームプレイについても、『Mass Effect』でお馴染みの三人称視点シューターに、味方への戦略的な指示が組み合わさったかたちとなる。そして本作の大きなテーマとなるのが「時間膨張(Time Dilation)」いわゆる「ウラシマ効果」だ。たとえばあなたが地球から、光速に近い速度の宇宙船で遠い星へ飛び立ち、帰ってきたとする。すると、あなたは宇宙船で1年しか過ごしていないのに、地球では何年、何十年と経ってしまうわけだ。
『EXODUS』の主人公となるのは、元「回収屋」のJun Aslan。Junの故郷であるコロニー・Lidonは、「Celestial」と呼ばれる、数万年の時を経て超進化した人類がもたらしたウィルス「ロット」により滅亡しようとしていた。通常のヒトでありながら、Celestialのテクノロジーを操作できる特殊能力をもつJunは、故郷を救うためCelestialに立ち向かい、宇宙を駆け巡る冒険に出ることとなる。
ここで効いてくるのが時間膨張だ。主人公が遠くへの任務に旅立って戻ると、絆を深めた故郷の人々は自分よりも歳を重ね、何もかも変わってしまう。この高速宇宙航行の重すぎる代償も背景として、ストーリーが語られるという。

今回のデモプレイでは、ゲームが始まってから数時間ほどで遊ぶことになるミッションからスタートとなった。お供となるのは、ステルスや暗殺を得意とするニヒルなスパイ、サリマン(Suliman)と、メックアーマーに乗り込みミサイル乱射などで援護してくれる、エリーズ(Elise)だ。そのほか、主人公のもとに集まる仲間たちは、傭兵や学者から本来敵あるはずのCelestial、「アウェイクン」と呼ばれる高い知性をもつタコなどの動物たちと幅広い。
今回のミッションは、どうやらサリマンから宇宙船の部品を貰い受けるため の交換条件となる依頼の様子。その目標は、宇宙ステーション「コンス」に潜入し、その制御権を握ることだ。ところが、コンスはすでに武装集団ジーロッツ(Zealots)の襲撃を受けていた。彼らを掻い潜り、排除しながら中枢に進んでいくこととなった。
全体的なゲームプレイは、『Mass Effect』と基本を同じくしつつ洗練された印象で、開発ノウハウが存分に活かされているように感じた。特徴的なのが主人公がもつ謎の多機能アーティファクト「ガントレット」で、物質を構成して橋をかけたり、邪魔な装置を止めたりとステージ進行上のパズルに利用するほか、敵にぶつければ足止めなど多彩に活用できる。これはクールダウンを経れば補給なしで何度でも使える仕様となっており、戦略的に利用して戦いを有利にするのが楽しい要素となっている。

また、サリマンとエリーズの能力もクールダウン式で利用可能。サリマンについては、透明化して敵を一撃で倒したり、大ダメージを与えたりする能力をもつ。隠密しながらの戦線突破や戦闘中の不意打ちに頼りになった。そしてエリーズは、敵に大打撃を与える重火器を利用可能。またメックアーマーのおかげかかなりタフな印象で、激しい集団戦やボス戦では非常に頼りになった。

そして主人公は性能や攻撃属性の違うさまざまな銃と、使い切りのミサイルといった消費ガジェットを利用可能。銃は中庸なアサルトライフルや、敵の弱点を狙い撃ちバリアーを貫通する高火力の単発銃、近距離でパンチ力を発揮するショットガンなど数多い。銃を装備できる数には限りがあるため、好みのものを強化・改造して自分なりの組み合わせを持ち歩くことになる。なお、銃については特殊性能を付与することも可能となっており、戦略の幅は広そうだった。
そうして敵を切り抜けて進んでいくと、このステーションの主たる「ケイ族」のひとりと出会うことになる。ケイ族は、カエルのアウェイクンだ。会話のノリは軽いが、話していると「僕?2歳だよ。もうほぼ大人さ。」と人類との寿命の違いを感じる一言が飛び出す。こうした異種族たちとの時の流れの差も、ストーリーに活きてきそうだ。

そうしてステーションの深部に到達すると、武装勢力を率いるNaomi中尉とIrina大尉に遭遇。中尉がステーションの爆破をほのめかしたため、サリマンに射殺されてしまう。続いて、本ミッションを締めくくる、激昂したIrina大尉とのボス戦闘が始まる。大尉は重厚なアーマーを纏ったクマのアウェイクンであるため、大変にしぶとく、突進を中心とした攻撃は苛烈だった。立ち回りとしては、ジリ貧にならないようしっかり回避を入れつつ、ダウンなどの隙にはショットガンで近距離射撃。ガントレットや仲間のスキルも、クールダウンが終わるなりフル回転させてどうにか倒すことができた。

戦いが終わると、「ステーションをそのままケイ族に返すか、それともケイ族を強制的に使役できるようにして返すか」といういかにも重要な選択肢が発生した。こうした選択によって、主人公に「パラディン」もしくは「イモータル」いずれかのポイントが加算されていく。このポイントは主人公の性質を表していくほか、アビリティの解放など育成にも関わってくる。単なる善悪ではなく複雑な倫理的指針となっており、意図してバランスをとることも可能なようだ。

私事ながら、ニヒルなサリマンにすっかり一目惚れしていた筆者は最後の選択で完全に頭を抱えてしまった。最終的に、「どうか嫌わないで」と祈りながら人道的と思える「そのままケイ族に返す」を選択。ところが、この選択は意外にもサリマンの思想に合致していたようで絆が深まったようだった。なお本作には恋愛要素もあるため、「頼むからサリマンと恋愛できると言ってくれ」と開発者に訊いたところ「できる」と笑顔で頷いてくれた。

今回の『EXODUS』試遊を通した所感としては、『Mass Effect』シリーズファンの筆者の想像を上回る体験だった。正式版では一体どのような体験が待つのか、期待できそうだ。なお、本セッションの案内については、マーケティングマネージャーのLisa Gonzalez氏が担当してくれた。
プレイ後には、開発者の質疑応答がスタート。本作ナラティブ・ディレクターのDrew Karpyshyn氏と、ゲームディレクターのJesse Sky氏が応じてくれた。なお、この両名はかつてBioWareに在籍していた。Sky氏は『Mass Effect: Andromeda』などに携わり、Karpyshyn氏は『Mass Effect』初期2作や『Star Wars: Knights of the Old Republic』などのシナリオを手がけた人物だ。以下、インタビューの内容をお伝えする。

──知性をもった動物、というコンセプトはとても素敵だと思います。タコやカエル、クマなどが居ますが、ほかにはどんな動物が出ますか。
Sky氏:
ほかにも多くのアウェイクンの動物が登場しますよ。狼やイノシシ、象やカラスのほか、ライオンも登場しますね。ほかにも今の段階では明かせない動物が登場します。
──ケイ族の寿命はどのくらいでしょうか。
Sky氏:
12年ほどですね。とても短命で悲しいです。ただ、動物によっては寿命がそのままの者もいれば、遺伝子操作によって寿命を延ばした動物もいますよ。
──『Star Wars: Knights of the Old Republic』のファンなのですが、同作のように『EXODUS』でも最初に選ぶ立場でストーリーが序盤から変化したりしますか。
Karpyshyn氏:
いいえ。プレイヤーはJunの性別を選ぶことはできますが、Jun Aslanという設定の定まった主人公で遊ぶことになりますから。ステルス寄り/戦闘寄りなどビルドを調整することは可能ですが、本作で描かれる物語は「Junの物語」となっています。ただ、プレイヤーの選択によって物語の方向が変わっていくことはあります。また、セリフの数は少なくとも3万以上にはなっていたと思います。
──私は『Mass Effect』シリーズのファンなのですが、多くの人が同作を踏まえて『EXODUS』に期待をかけていると思います。開発陣としてはどのような気持ちでしょうか。
Sky 氏:
開発チームメンバーの多くが『Mass Effect』に携わっている点は確かです。そこから独自性を出すために、アウェイクンの動物たちや時間膨張など、『EXODUS』ならではの要素を追加していったかたちですね。でも、『Mass Effect』自体がとても偉大なシリーズなので、比較されることはとても嬉しく思います。

──味方もかなり戦ってくれますが、任せきりでも敵を全部倒してしまうようなことはありますか。
Sky氏:
いいえ、プレイヤー自身で戦闘に参加する必要があります。ただ、さまざまなアプローチの仕方ができますね。味方に援護させるのもよいですし、逆に味方に前線を任せて自分は回り込むような動きをしてもよいです。
──時間膨張といった要素は、シナリオやゲームの設計上すごく難しそうな題材ですが、なぜ採用したのでしょうか。
Karpyshyn氏:
困難な題材でしたが、プレイヤーそれぞれの選択によって、そのプレイヤーならではの物語や結末が得られる内容になっており、その点は自信をもっています。今回プレイしていただいたミッションは、時間の流れへの影響がないミッションでしたが、エクソダスミッションと呼ばれる重要なミッションでは、時間膨張の影響も大きくなります。
そして、SFは可能性の探求であり、多くの興味深いSF作品は実際の科学に立脚していると思います。私たちが好きな既存のSF作品でよく取り上げられていたのが、時間膨張や光の速度といった題材でした。アインシュタインの相対性理論は宇宙のルールであり、それがもたらす効果は興味深いSF世界を作ってくれると感じました。
──パラディンとイモータルはどのような指標なのか、教えていただけますか。
Karpyshyn氏:
パラディンとイモータルは、単なる善悪ではありません。パラディンは道徳を重んじている一方で、イモータルは野心を重視する傾向となります。それぞれ相容れない概念ではなく、共存することもあります。その選択によって、キャラクターの成長の仕方も変わります。イモータルが常に悪とは限りませんし、大きな善のために小さな悪行を選ぶこともあるでしょう。

──お二人は、携わった過去作を振り返っても、選び難い選択肢など「プレイヤーの苦悩」を引き起こすのがお好きな気がします。今回はどのように苦悩してほしいですか。
Karpyshyn氏:
「選択」を面白くするのは、どれが正解かわからないことだと思います。何が正しい道なのかわからない、という緊張を抱いてほしいと思いますね。二者択一の選択でどちらも魅力的だったり、ミッションのために選びたい選択肢が関係性を深めたい仲間の望まないものだったり……。とにかくプレイヤーに気まずい状況になってもらって、緊張してもらうことが選択肢のインパクトを強めるために必要だと思っています。プレイヤーがコントローラーから手を離し、頭をかかえて「自分は一体どうしたらいいんだ」と悩んでくれることが、私たちにとっての目標です。

──ありがとうございました。
『EXODUS』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/XBOX Series X|S向けに、2027年4月8日発売予定だ。
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