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人気RPG『ドラゴンエイジ』シリーズ元責任者、初期3作のリマスターは“売れそうだけどほぼ無理”と語る。もはやBioWareに、当時のゲームエンジンを知る人がいない
BioWareで『ドラゴンエイジ』シリーズの開発を率いたベテラン開発者が、同シリーズの初期3作品のリマスターが実現する可能性が低いことを明かしている。

かつてBioWareで『ドラゴンエイジ』シリーズの開発を率いたベテラン開発者が、同シリーズの初期3作品のリマスターが実現する可能性が低いことを明かしている。ベテランスタッフの退職やたび重なるレイオフもあってか、初期作品に採用されていた内製ゲームエンジンを扱えるスタッフはスタジオに基本的に残っていないという。
Mark Darrah氏はかつてBioWareに23年間在籍し、プログラマーやディレクター、プロデューサーなどを務めていたベテラン開発者だ。『ドラゴンエイジ』シリーズの初期3作品ではエグゼクティブプロデューサーを担当していた。

今回はそんなDarrah氏が海外メディアFRVRに向けて、『ドラゴンエイジ』シリーズの初期3作品のリマスターが実現する可能性が低いといった見解を語り、注目を集めている。というのもリマスターの開発にあたって、BioWareの内製ゲームエンジンを巡る技術的事情が障害となりうるようだ。
BioWareでは、1998年から2001年にかけて発売された『バルダーズ・ゲート』初期シリーズの開発にあたって内製ゲームエンジンInfinity Engineを生み出し、その後は後継となるAurora Engineを開発。Aurora Engineは外部スタジオにもライセンス提供されており、Obsidian Entertainmentは改良版であるElectron Engineで『Neverwinter Nights 2』を手がけたほか、CD PROJEKT REDは『ウィッチャー』第1作の開発にAurora Engineを採用していた。
そんなAurora EngineはBioWareでも改良が重ねられ、後継としてOdyssey Engine、およびその後継のEclipse Engineが生み出されることになった。Eclipse Engineは『ドラゴンエイジ:オリジンズ』の開発に採用。またEclipse Engineの強化版であるLycium Engineが『ドラゴンエイジII』のゲームエンジンとして採用されている。

なおこの間にBioWareは2008年にElectronic Arts(EA)により買収。その後はEA傘下のDICEが手がけるゲームエンジンFrostbiteが、BioWareでも用いられることになった。『ドラゴンエイジ:インクイジション』については、Frostbite 3で開発されている。
そのため『ドラゴンエイジ』シリーズの初期3作品のうち、2作品がBioWareの内製ゲームエンジンで開発されていたわけだ。しかしDarrah氏によると、今のBioWareにはAurora Engine(の流れを汲むゲームエンジン)を理解しているスタッフは基本的に誰もいないという。
なおBioWare作品といえば『ドラゴンエイジ』シリーズのほかに『Mass Effect』シリーズも人気を博しており、同シリーズの初期3作品は2021年に『Mass Effect Legendary Edition』としてリマスターを果たしている。同シリーズの初期3作品はUnreal Engine 3で開発されており、複数の外部スタジオと協力して制作された。
一方でDarrah氏によれば、汎用ゲームエンジンであるUnreal Engine 3と違って、内製ゲームエンジンで開発された『ドラゴンエイジ』シリーズの初期作品については、協力を頼めるような外部スタジオも基本的に存在しないという。同氏は、そんな初期作品のリマスターをもし開発するのであれば、BioWareでまったく新しいチームを作る必要があるとの見解を述べている。ただリマスターを担当する人員は別のプロジェクトに取り組めなくなることもあり、実現は難しいと同氏は考えているようだ。

ちなみにDarrah氏はBioWareに在籍していたころに「Champion’s Edition」として『ドラゴンエイジ』シリーズ初期3作品のリマスターを実際に構想していたという。ただ上述したような問題もあり実現には至らなかった様子。一方で同氏は、もしもリマスターが発売されればかなりの売上が見込めると伝えている。特に『ドラゴンエイジ:オリジンズ』について同氏は当時ですら見栄えの良いゲームではなかったとして、改良を加えられる部分が数多くあると言及。ファンタジーRPGである『バルダーズ・ゲート3』が人気を博したことも踏まえて、『ドラゴンエイジ』シリーズ初期3作品のリマスターもヒットする可能性があるとの考えを述べている。
なおBioWareでは『Anthem』のリリース後、Darrah氏を含め『ドラゴンエイジ』シリーズにも携わったベテランスタッフが相次いで退職。また2023年には約50名のレイオフが実施され、このなかにも『ドラゴンエイジ』シリーズに携わったベテランが含まれていた(関連記事)。またシリーズ最新作『ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者』については売上がEAの想定を下回っていたことも伝えられていた。その後BioWareは『Mass Effect』新作の開発に注力すると発表。BioWareのスタッフがEA傘下の別のチームに配置変更されたほか、一部レイオフも実施されたことが報じられている(関連記事)。旧作のリマスターどころかシリーズ自体の先行きも不透明な状況であり、『ドラゴンエイジ』の今後には引き続き注目が集まる。
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