Global Sites
『STRANGER THAN HEAVEN』開発陣が「“タイパ”に反逆する極上フルコース」を作るために何をしたか訊く。過去の常識を捨ててゼロから出直したり、「老けディーン・フジオカ」に苦労したりいろいろ

セガ/RGGスタジオは、「TOKYO GAME SHOW 2026」に出展。完全新作『STRANGER THAN HEAVEN』試遊やスペシャルステージなどを展開した。弊誌は同イベントにて、本作開発陣にインタビューをする機会をいただいた。本作の特色や開発意図について訊いた内容を、ブースの様子や試遊の感触とともにお伝えする。
『STRANGER THAN HEAVEN』は、RGGスタジオが手がける完全新作。1915年から1965年にかけて、日本の5つの時代と5つの都市が舞台になるという。欧米人と日本人のミックスルーツをもつ二人の男、大東真(演:城田優さん)と真城優(演:ディーン・フジオカさん)らの、「東城会」設立に繋がる50年間にわたる生涯が描かれるという。「右半身と左半身を分けて操作する」アクションバトルや、多数の実在著名人が登場する点も注目を集めている。
今回出展された本作ブースでは、バトル体験版の試遊やゲストを迎えたトークなどがおこなわれるスペシャルステージ、未発表のものを含む楽曲映像が楽しめるシアターなどが実施。いずれもビジネスデーから大勢が詰めかけており、本作に対する注目度が伺えた。

筆者もこの試遊の機会にて、バトルを中心とした『STRANGER THAN HEAVEN』の手触りを確かめることができた。体験の全体を通して、本作では過去のRGGスタジオ作品より全体的に「生々しさ」や「没入感」に重きを置いた作りとなっているように感じた。たとえば、これまでリスト選択式だった買い物などは、シームレスに軒先に並んだ商品を選ぶかたちに。バトル突入についても、少なくともいわゆるザコ戦闘時には名前の表示やカットインなどもなく、街中で絡まれた経験を思い出すほどに、極めてリアルにケンカに発展することになる。
そして最も鮮烈だったのは、最大の特徴となる「左右半身分割」でのバトル操作だ。上部の左右ボタンとトリガーが左右半身に対応。装備武器などに応じて、右手に握った武器で殴りつけたり、はたまた左手で殴りつけたりするかたち。また、敵の転倒時などにはトリガーを両方引いて馬乗りでボコボコに。ガードはPS準拠でいえば◯ボタンを押せば両手でできるほか、左右上部ボタンと組み合わせて片手ガードが可能。これをタイミングよく決めれば、いわゆる「パリィ」となり敵の体勢を大きく崩すことができる。

この操作方法が、生々しい没入感に大きく寄与していた。モーションについても、ワンボタンで主人公がパッと動くのではなく、しっかりボタンを握り込み、振りかぶって殴りつける感触になっている。「□ボタンで弱攻撃、△ボタンで強攻撃」と軽快に暴力を振るうのとは違う、「自分の意思で、殴り方を選んで生身の人間を痛めつけている」といった手応えに罪悪感まで覚えるほどだ。また、スタジオ過去作と違い、本作のバトルにオーラを放ったりアクロバティックな必殺技が出たり、といった「きらびやかさ」はない。かといって決して地味ではなく、血しぶきと壮絶なモーションによって、生き残りをかけた戦いの迫力が目に焼き付く仕上がりだ。
今回、そうした本作の特色や開発意図について、RGGスタジオ開発陣に訊く機会を得た。答えてくれたのは、RGGスタジオ 代表/制作総指揮で本作エグゼクティブディレクターを務める横山昌義氏、本作チーフディレクターの堀井亮佑氏、プロデューサーの阪本寛之氏、アートディレクターの加那屋大志氏、ディレクターの阿部幹信氏らの5人である。

──Snoop Dogg氏(オルフェウス役)とTupac氏(アマル役)、ふたりの国外アーティストの登場には海外でも大きな反響がありました。この反響に関してどういうふうに感じましたか。
横山昌義(以下、横山)氏:
まず「すごいな」でしたね。僕らとしてはひとつひとつのキャスト発表の反響に注目するのではなく『STRANGER THAN HEAVEN』という作品がどう捉えられるのかという方が気にはなっています。なので、Summer Game FestでTupacさんについての発表をしたのは、海外での知名度があるからだったんです。日本のショーで発表するのであれば、また反応も違ったと思います。発表時の会場のざわめきも凄く、話題にもなって、本当に強い影響力のあるアーティストだと改めて実感しました。そこからゲームに興味をもってもらえると、こちらとしても嬉しいです。
ただ、話題作りでキャスティングをしているわけではありません。よくそういう風に思われるのですが、たとえばSnoop Doggさんを起用した理由って、すごくこの作品にとって大事な理由なんです。「主人公の才能を見つける」という役回りで、主人公の生き方に影響を与え、人生を決めるようなキャラを演じるんですよ。しかもその才能というのが、歌といった「音」の才能なので、そうした人物を説得力をもって演じられる人って世界を見ても少ないんです。そこで、演技もできてその説得力を出せるキャストはSnoop Doggさん以外に居ないと思っていて、それが起用した理由ですね。「話題作りだ」と言われると「そうではないんだよな」と思いつつ、それを今だんだん証明していっているフェーズですね。

──ファンの間で人気のセリフ、桐生一馬の「俺は誓って殺しはやってません」が表しているように、過去作では桐生・春日については設定上人を殺めていないように描写されていたと思います。本作ではさらに凄みのあるアクションが展開されますが、主人公の大東はいかがでしょうか。
横山氏:
「大東が明確に人を殺めているかどうか」とは別に、バトルでは「絶対やっちゃってるだろ」という描写があるのは承知していて……。それじゃあバトル描写において「桐生はやっていないのか」と言ったら、やってると思う描写ではあるんですけど(笑)ただ、劇中のカットシーンの中で「誰かを殺める」という描写はないんですよね。その点では、大東についても明確な描写はないといえばないんですよ。人を殺めるという目的で動いてはいないので。
ただ、「確実にやってるな」というくらいのバトル描写にはなっていて、その最大の理由が「時代」ですね。たとえば、今の現代社会でケンカをするとしたら「一線を超えるとこういう罪になる」という感覚があるじゃないですか。だから、人の命を奪うことは本当に大きな一線だと思うんですね。でも僕らが今回描いている時代は「殺さなければ報復で殺される」時代なんですね。なので、そこを表現して「やらなきゃやられる」という時代を生きている感覚を味わってほしいがために、バトルでも荒っぽい描写・演出になっている部分が大きいですね。
──今作ではピチピチの若者から脂が抜け切って旨味たっぷりの老年まで、時代ごとの大東が描かれています。加齢による変化の描写などにあたって、もっとも苦労したのはどの年代でしょうか。
加那屋大志(以下、加那屋)氏:
一番若い大東ですね。各年代の大東を絵で用意して、横山さんといろいろすり合わせしながら作り上げていったのですが、かなり時間がかかるプロセスでしたね。
横山氏:
大東の基本のイメージはおそらく大阪・ミナミ時代(1943年)の大東なんですよ。その頃大東は中年で、キービジュアルにもなっています。なので、そこが基準ですね。改めて、どの辺りが一番辛かったですか?
加那屋氏:
「若くする」というのが難しかったです。しかも、日本人とアメリカ人のミックスルーツという点もあって。
横山氏:
僕は正直にいうと、ディーン・フジオカさん(真城優役)が一番大変でした。今現在のディーンさんの一般的なイメージは、こちらもゲーム内でいうと大阪・ミナミ時代くらいの年齢だと思うんです。なので、若い時のディーンさんは過去の出演作品を参考にすれば「これくらいのピチピチ感だったのね」とわかる資料があるんですが、「将来のディーンさんがどうなるのか」はわからないわけですよ。それを作っていくと、どんどん別の俳優さんに似ていって。ディーンさん本人にそれを話したら「よく言われます」みたいな調子で(笑)大東はオリジナルキャラなのでまだ自由に作れるんですけどね。

横山氏:
Tupacさんもそうです。亡くなられた当時より高い年齢の役で出てくるので。そこは、Tupacさんのご遺族と「きっとこの年齢ならこういう風になるだろう」といったお話をして、監修を受けつつ作っています。ちなみに、菅原文太さんに関しては全年代の資料が揃っているんですよ。なので、未来がわからない分「実物より歳が上のキャラ」作りが大変でしたね。

加那屋氏:
感じているのは僕だけかもしれませんが、熱海時代(1951年)の大東って誰かに似ていると思いません?
横山氏:
……最近、僕に似てるって言われるんですよ。違うよ、それは髪型とメガネだけです。キャラクターを僕に寄せてるんじゃなくて、僕がキャラクターに寄せにいってるんです。
一同:
(笑)

──本作は時代背景上、恒例の遊びやミニゲームも大きくテイストを変えていると思います。さまざまなコンテンツを新たに作る上での苦労はありましたか。
堀井亮佑(以下、堀井)氏:
今までのRGGスタジオ作品と同じく、「密度高く、いろんな遊びを詰め込んで楽しんでもらおう」といった基本的な思いは共通しています。一方で本作では別々の街と年代が描かれていて、たとえば1915年の小倉での街並みや人々の生活って、送電網や家電もそこまで普及していないし、いわゆる欧米文化も広まっていない状態ですよね。そういった時代背景をきちんと表現しなければ、という思いが前提にありました。
なので、それぞれの時代にきちんと馴染む遊びであったり、当時の人々の娯楽であったりを調べつつ、想像も取り入れつつ、ゲームとして面白くかつ時代に沿った納得感を出せるアイデアを模索しました。当時流行っていたものでも、現代の人が全くわからないものは避けたい、といった部分もあって。現代の僕らがゲームの中の街並みを歩いて想像がついたり、「これならわかるぞ」という取っつきやすいものの方がゲームにはしやすい。そうした部分で、バランスを取りながら、コンテンツを選びつつ街を構成していったかたちです。
阿部幹信(以下、阿部)氏:
「大正時代の雑誌」といった資料も、東京都中の古本屋を走り回って買い漁って、「どういった広告があるのか」「いろいろな雑誌で取り上げられているものは流行っていたのだろうか」など、当時存在していたものについてのリサーチはしていました。資料に虫が湧くアクシデントもあったり……。
阪本寛之(以下、阪本)氏:
「賭場」のようなものは当時も存在したので、花札や麻雀といったミニゲームはもちろん本作でも登場します。ただ、それ以外のミニゲームは多くが新しいものなので、斬新な体験ができると思います。
横山氏:
ミニゲームにも「時代を越えてくる遊び」と「越えてこない遊び」があるんですよ。小倉の時代でしか遊べないミニゲームもあれば、その先もずっと続くゲームもあります。たとえばベーゴマなども何世代か続くでしょうし、そうした部分は時代背景を考慮しています。
ただ、少しだけ“嘘”はつくんですよ。たとえば、熱海時代(1951年)では「ニューアカオ」という実在のホテルが舞台の一部になっています。でも実をいうと、ニューアカオが出来上がるのは1951年より2年ぐらい後なんですよ。なので、現実の世界では、あの時代にはおそらくニューアカオは「建造中」くらいのタイミングなんです。でも、「現実では完成していないけど、作中では登場する」といった、そういったフィクションの部分は数多くあります。結局のところ、僕らが作っているのは「歴史モノ」ではなく、エンターテインメント作品なので。面白いものをゲームに盛り込むようにしています。


──「激動の1900年代前半」という時代を作り込んでみて、「今と比べて昔のほうが楽しく生きられそう」と感じますか、それとも「現代のほうが生きやすい」と感じますか。
横山氏:
長生きしたいんだったら今の方が絶対いいですよね。そこの違いなんだと思います。「長く生きること」を目的にするなら現代のほうが良いでしょうし、「何かを成し遂げたい」とか、「大きくなりたい、成り上がりたい」という人生の目的を追うのであれば、昔の方がチャンスはあった。たとえば本作は『龍が如く』シリーズ作品ではないけれど、過去の作品ではやはり「成り上がり」を描いてきているわけじゃないですか。
RGGスタジオ作品の特徴として、何かしらの事情で社会的に虐げられていたり、弱い立場だったりする人間が、腕力や胆力、精神力などで認められていき、自分の居場所を作っていくというのは共通しているんですよ。それは桐生一馬も、春日一番も、大東真も同じですが、大東は今までの主人公よりもハードなんですよね。
というのは、大東には「人種」という壁がさらに立ちはだかっていて、それは当時の日本では「乗り越えられない壁」だと思うんですよ。「外国人だと判断される見た目で、しかも日本語も不慣れ」というのは、逆境としては孤児である桐生一馬や、実の親を知らずに育った春日一番よりも厳しい環境だと僕は思っていて。そんな環境の中で大東がああいう風に生きていけたというのは、逆に「その時代だからこそ成り上がれた」のではないかと思います。だから、チャンスを掴むならあの時代の方がいいのかもしれないですね。
日本の歴史を振り返ってみても、やっぱりなにかを成し遂げた人って、争乱期に現れたりするんですよね。なにかが大きくリセットされた後にこそ、のし上がる人が出てくるんで。そういう面でいえば昔の方が、ある意味で今より夢はあったのかもしれません。
──実際に試遊してみて、過去作にも増して街の雰囲気がリアリティを増していました。また、お店での商品の選び方やバトルシステムなど、すべてが没入感を後押しする作りになっている気がします。これは開発のテーマとして意図されているのでしょうか。
横山氏:
そうですね。『龍が如く7』の時に「なぜライブコマンドRPGにしたのか」とよく訊かれて、いつも答えていたのは「ゲームのストーリーに一番共感できる、体験するのにもっとも適したシステムを採用しています」ということで。それは本当にそうなんです。桐生一馬はやはりヒーローなんですよ。超人的な強さなので、それを描くためのアクションを作っていました。だからエフェクトも派手だし、必殺技のようなもの出る。桐生一馬はヒーローだから、それを背負えるんですね。一方で、春日一番は強くない。仲間と一緒にその絆でのし上がっていくタイプなので、RPGのパーティシステムを採用したんです。
では「大東真というのはどういう人間か」と考えたら、あの時代で泥臭く生きていかなければならない人なんです。その大東に一番共感できるのは今回のバトルシステムだし、それ以外にも成長要素などさまざまな部分を含めて、本作のストーリーを味わうためのシステムを作っています。なので、「デジタルな感覚をいかに排除できるか」も重視していますね。

横山氏:
たとえば、これまでのアクションでは、ボタンを押したらそこに割り当てられたモーションが“再生”される。でも本作ではトリガーを引いたら手を引くし、離したら打つというような。やっていること自体は同じかもしれないけれども、感覚として、そのアナログな感じ、「あの時代の中を泥臭く生きていく」という部分も表現したい。バトルシステムも、アドベンチャーパートのシステムも、そうした理由で採用しています。
それはRGGスタジオが作るタイトルに一貫していて、ユーザーがいかに「ストーリーを主人公と一緒に味わっている感覚」が得られるか、という点に適したシステムを作っています。体力もバーにすると、デジタルっぽいというか、ゲームの“お約束”っぽいですよね。そのシステムは良いんですよ、視認性が高いし。そうではあるけれども、そうした“お約束”を一度考え直してみる、という所からこのプロジェクトは始まったので。
さきほど別のインタビューで「初心者がとっつきにくいんじゃないか」という質問がありました。でも、本当の初心者の方は「このボタンを押したらパンチとかキックが出る」ということを知らないと思うんです。そういう方にとってどちらが直感的と思えるか、と問えばやはり、本作の操作の方が「左と右」で自然に理解しやすいんじゃないかと思います。「Aにパンチが割り当てられてて、Bにキックが割り当てられてる」という方が、実は不思議な世界だと思ってます。それが当たり前だと思ってるのは実は初心者の方じゃなくて、「ゲーム」というカルチャーの中での“当たり前”を感じてる方なので。そうした部分を一度取り払って考えてみたい、というのが設計思想ではありますね。
加那屋氏:
時代感といった面では、「5つの時代すべてで、まったく違う見た目にしなければ」と思いました。ユーザーがその時代に来たときに、「あ、この色味はこの時代だ」と明確に分かるように振り分けたので、その感覚が直結すればいいなと願っています。「あ、なんか違う時代に来たんだな」とか、「違う街に来たんだな」ということを直感的に分かって貰えるようにコントロールしています。

──「STRANGER THAN HEAVEN」という言葉はメインテーマ曲のタイトルにもなっており、歌詞の中でもその意味合いが示唆されています。この言葉は大東たちの「居場所」となる所を指しているのでしょうか。
横山氏:
居場所というより、大東のことを指している言葉ですね。彼はアメリカで迫害されて、海に飛び込んで命からがら船に乗り込むような思いをしてまで、「日本はきっと天国だ」と思って海を渡るわけです。でも、その場所は「天国というよりも、奇妙な場所だった」というのが実情で、それが「STRANGER THAN HEAVEN」です。いわば、大東にとっての日本を指し示している言葉ですね。
祖国であり、自分を受け入れてくれるはずの日本という場所が、実はそうではない奇妙な場所だった。だけれど、そこで「Stranger(余所者)な自分はどう生きていくのか」と考えた大東は、自分の居場所を作ろうとしていくんです。それが結果的に「東城会という組織」になっていくのですが、果たして大東は、どういう思いで東城会を作らざるを得なかったのか、作っていくのか、ということが全編に現れているのが、今回のお話ですね。
つまり「STRANGER THAN HEAVEN」というのは大東にとっての「日本」ですよ。でも、ほかの登場人物たちにとっても、それぞれの「STRANGER THAN HEAVEN」があるはずで、そこも劇中で描かれます。
──横山さんは最近のYouTube放送で、本作のTシャツについて「首元が広い方がいい」とこだわりを語っていました。皆さんのそうしたこだわりが、グッズやゲーム内に反映された部分はありますか。
加那屋氏:
直近だとこれ(*)ですかね。
(*)加那屋氏が指したのは、『STRANGER THAN HEAVEN』と東映のコラボのひとつ、「仁義なき戦い」オマージュポスターTシャツ。加那屋氏が休暇中に“勝手に”ポスタービジュアル数種類を仕上げて持ち込んできたという。

横山氏:
今回の出展に「ウォークスルーミュージアム」がありまして、その入り口のところに本作のいろいろなビジュアルが描かれていますよね。あれ、実はメインビジュアルの採用にならなかった案なんです。
そして、加那屋は本当にいっぱい作っちゃう!(笑)なのに、全部かっこよくて出来がいいんです。本当は一個作ればいいものでも、いっぱい作るから選べないんです。なので、さまざまな機会に全部使ってます。「もったいないから、使うか」みたいに。

それから、「コレクターズ・エディション」に含まれているスチールブックのデザインも、未採用案ですね。メインビジュアルを選ぶ中で次点だった案で、「話の中身を知らないと、なんでこの2人が立ってるかわからないだろう」という理由で落選して、キービジュアルはアイコンらしい、大東だけの方がいいと判断して現在のものになりました。

──皆さんから、AUTOMATON読者へのメッセージをお願いいたします。
阿部氏:
「天国よりも奇妙な場所」というものを描くにあたって、いろいろな角度・演出・ゲームプレイ要素にこだわって作っています。RGGスタジオの総力を挙げて完成に向けて取り組んでいますので、発売まであと数か月ですが、イベントや情報も追いかけていただきたいです。発売前も、発売後も楽しんでいただけるように、全力で取り組みますので、皆さんよろしくお願いいたします。
加那屋氏:
我々としては最大限持てる力を尽くして、今まで培った知見や経験など、そのすべてを注ぎ込んだつもりでおります。是非ともその「心意気」みたいなものを、ゲームをプレイして感じていただければなと思っています。
堀井氏:
『STRANGER THAN HEAVEN』は新しいタイトルなので、新しいものを作りたいと思って開発にあたっています。いわゆる「コンシューマーアクションゲーム」というジャンルは、洗練されてきていて「大体こういう感じでアクションして、大体こういうゲーム性でやればみんなは遊んでくれるだろう、気持ちいいだろう」という、型ができている状態だと思います。
本作ではそこに乗っかるのではなくて、もう1回その型をちゃんと疑って、「僕らの表現って何だろう」という部分を考えて作ったタイトルになっています。なので、純粋なゲーム、純粋な体験を作るためにはどうしたらいいか、ということをゼロからみんなで一生懸命考えました。その作り方でないと出せない「熱量」のような部分を感じていただけたら、すごく嬉しいなと思います。
阪本氏:
ゲームシステムもすごく新しくなって、体験会などでは、プレイのある瞬間を切り取って「少し難しそう」といった敷居の高さを感じられる方も多いです。でも、本作を最初からやり始めれば、強くシンクロできるような、没入感が本当に高いゲームになっているので、そこはどうか信じてもらって、この壮大な物語の面白さを味わっていただければ、嬉しく思います。
横山氏:
「タイパ」「コスパ」などの言葉がよく出るこの時代に対して、コンソールゲームというのはアンチテーゼで作っているような部分もあります。このゲームは、はっきり言って長いです。凄くボリュームもある。時間を奪うでしょう。僕らはコンソールゲームを作る人間なので、ずっと「それ」との戦いなんですよね。
それでもなお、やる価値があるものや、体験する価値があるものを作っていかないと、これからどんどん「興味はあるけどやっぱやる時間ないよね」とか「興味はあるから他人がやってる実況を見ちゃおうか」とか、いうことも増えてきて。その実況プレイを見て、作品に興味をもってくれてファンが増えることも、正直すごくあるんです。けれど、僕らとしてやはり自分で遊んで楽しんでほしい。本作では「とにかく操作してみたい」「大東の人生を自分で成り代わって体験してみたい」と感じられることを強烈に意識して作っています。
『STRANGER THAN HEAVEN』はやはり『龍が如く』と比較してのインタビューも本当によく受けるんですけど、なぜ本作を「完全新作」と謳ったかというと、キャバクラもない、カラオケもない、操作も違う、成長要素なども全部違う。つまりこれは、『龍が如く』として売ったらおそらく逆に「嘘だよね」と言われる作品だと思ってます。シリーズものだと言ってはいけないと。
「東城会」というキーワードだったり、「神室町」という場所であったり、本作の世界は『龍が如く』で描いてきた、僕らの作った架空の世界の話であることは事実なんです。けれど、同一のものではないので。それを同一のシリーズとすることの方が嘘だと思ってるんです。なので完全新作というかたちで、名前も全然『龍が如く』とリンクしていない『STRANGER THAN HEAVEN』という名前で作っています。

横山氏:
話が戻りますが、今のご時世にこれだけのボリュームのエンターテインメントを投入するにあたり、僕らも相当の覚悟をもって作っていて、そのあたりは、感じていただけるといいなと思います。「ユーザーに優しいゲームシステム」として、誰でも最後まで遊べるよう「RGGスペシャルスーツ(サポート機能付き初心者救済コスチューム)」は作りました。とはいえ、操作方法を変える気はなくて、本作はやはりあの操作とあの遊び方で味わっていただくのが一番いいと思ってます。フルコースを作っていますんで。「ハンバーガーだけで晩ごはんを済ませたい」という人には向いていない。「しっかりコース料理をフルで食べたい!」という人にはこっちかな、という感覚で選んでもらえるといいかなと思っています。
──ありがとうございました。
『STRANGER THAN HEAVEN』は2027年1月15日に発売予定。対応プラットフォームはPS5/Xbox Series X|S/PC(Steam/Microsoft Store)で、Xbox Game Passにて発売初日に提供される。
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。


