『たまごっちパラダイス』にて、「享年256さい」以上で発生する“謎不具合”が見つかる。なぜ気づいた

256さい以上の特定の年齢帯まで成長したたまごっちが死亡した場合には、演出の一部が正しく発生しないという。

バンダイは5月20日、『Tamagotchi Paradise(たまごっちパラダイス)』に関する不具合を報告した。256さい以上の特定の年齢帯になったたまごっちが死亡した際に、通常とは異なる挙動になるという。

『たまごっちパラダイス』は、携帯型デジタルペット『たまごっち』の最新シリーズだ。2025年7月に発売された。本作は新機能「ズームダイアル」を搭載し、「たまうちゅー」「たまふぃーるど」「たまごっち」「たまさいぼー」の4つの規模でお世話ができる。育成環境やお世話の仕方によって、12種族、50以上のたまごっちに成長。そこからブリードして遺伝すれば、5万通り以上の姿になる。

そんな本作について、バンダイが一風変わった不具合の存在を報告した。本来30さい以上の年齢に成長したたまごっちが死亡した際には「大往生」の特別な演出や、「ほしをみる」画面での特別な表示や、育成中のたまごっちが瀕死の場合に一度だけ助けてくれるはずの演出などが発生する。しかし、256さい以上の特定の年齢帯まで成長したたまごっちが死亡した場合には、これらの演出の一部が正しく発生しないという。

具体的には、256さい以上になった際には年齢が適切に表示されなくなり、また「256さい~285さい」「512さい~541さい」「768さい~797さい」という年齢帯のたまごっちが死亡すると、輝くほしが現れなかったり、瀕死になっても助けてもらえないそうだ。

「256」といえば、1バイトのデータが表現できる状態の数だ。つまり、死亡時の表示や演出判定の計算など、一部の処理で年齢値が1バイトに丸められている可能性がある。そのために、たとえば269さいのたまごっちであっても、13さいと表示されてしまう状況のようだ。

また、「256さい~285さい」「512さい~541さい」「768さい~797さい」という特定の年齢帯において演出が発生しない不具合ついても、この仕組みで説明がつく。これらの年齢は下位1バイトが0~29となる範囲であり、結果として30さい未満であるという判定を受けてしまうというわけだ。

育成画面では256さい以上の年齢が正しく表示されることから、保存領域自体は豊富に用意されるとみられる。ただ、そこまで大きな数字に上がることが想定されていなかったのか、一部の処理では0~255の値が扱えれば十分と判断されていたのかもしれない。また『たまごっち』が長い歴史をもつゲームということもあり、古い処理が流用されたという可能性もある。なおバンダイによれば、今回報告された不具合についてゲーム本体の交換対応をおこなう予定はないという。

ちなみに、こうしたゲームの設計上の不具合は、コンピューターゲームの黎明期から今日に至るまでたびたび報告されてきた。たとえば昨年にも『エルデンリング ナイトレイン』において、攻撃力が極端に上昇した際に内部でオーバーフローを引き起こしてか、敵にダメージを一切与えられなくなるという不具合が発見されていた(関連記事)。こうした不具合を見ると、普段あまり意識することのない、ゲームの背景にあるプログラムの存在を感じることができる。

ところで、『たまごっち』は昨年5月に、「世界ビデオゲームの殿堂(World Video Game Hall of Fame)」にて殿堂入りを果たしている(関連記事)。今回報告された不具合は発生条件からして滅多におこらないとみられるものの、日本のみならず世界中で長く愛されていることを考えると、256さい以上にまでたまごっちを育て上げるユーザーも少なくないのかもしれない。発売から1年足らずで奇妙な不具合が報告された背景には、愛ゆえにゲーム側が処理しきれないほどたまごっちを長寿に育て上げたユーザーがいた可能性もうかがえる。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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