東方Project二次創作ゲーム『東方クロニカル零』、「事前登録ガチャ」が急遽中止。“実質クラウドファンディングではないか”といった指摘寄せられたのちに

YUクリエイティブスタジオは6月18日、『東方クロニカル零』について、「事前登録ガチャ」のサービスを完全に停止したことを発表した。また事前登録ガチャの決済についてはすべて返金処理されるとのこと。

同人サークルのYUクリエイティブスタジオは6月18日、『東方クロニカル零』について、「事前登録ガチャ」のサービスを完全に停止したことを発表した。また事前登録ガチャにおける決済についてはすべて返金処理がおこなわれるという。なお本作については、正式なかたちで再始動されることも告知されている。

『東方クロニカル零』は、ZUN氏が手がける「東方Project」シリーズの二次創作3D弾幕シューティングゲームだ。対応プラットフォームは、PC(Steam)/iOS/Androidとなる見込み。公式アカウントより公開されている映像では、複数名での編成を組んで敵と相対したり、スペルカードなどを用いたさまざまな攻撃をおこなったりする様子がうかがえる。


そんな本作では6月17日より、2024年冬の早期アクセスに先駆けて事前登録が開始された。正式版は2025年初頭の配信が予定されていた。あわせて公式サイト上では、課金も可能な「事前登録ガチャ」のサービスを開始。この事前登録ガチャでは、ゲームリリース後にキャラと交換できるシリアルコードが獲得できるとされており、加えて「おまけ」との名目で「スタッフロールに名前が載る」「キャラクターの追加衣装のデザイン権利」といった特典も含まれていた。

なお東方Projectの二次創作においては、東方Projectの公式・公認情報を発信するニュースサイト「東方よもやまニュース」にて、「円滑なファン活動のための目安」として二次創作ガイドラインが公開されている。5月31日には二次創作物の頒布がおこなえる箇所の例示、そしてクラウドファンディングについての条項が追加。クラウドファンディングについては、明確に禁止を求めるものではないが、資金集めに関するトラブルには「版元として責任を負いかねる」として、原則実施を控えるように求められていた(関連記事)。そして先述した『東方クロニカル零』での「ガチャ」による資金集めは、本作が早期アクセスなどのサービス開始前であることから、実質的にクラウドファンディングにあたるのではないかという指摘もみられた。


当初YUクリエイティブスタジオは、この有料ガチャで調達した資金は「ゲームのクオリティをあげるための追加開発費」として用いるといった説明をおこなっていた。しかし、購入型クラウドファンディングにあたるとする指摘や批判が集中。それを受けてか、6月18日に事前登録ガチャのサービスが完全停止されることが発表された運びだ。すでにおこなわれた決済についてはすべて返金処理がなされる見込みだという。

https://twitter.com/touhou_kurozero/status/1802947587915550834


なお『東方クロニカル零』については、今回の事前登録ガチャ以外にも数多くの点が問題点として指摘されている。たとえば本作の利用規約の一部について、他タイトルの利用規約を引用しているとの問題や、「特定商取引法に基づく表記」などに記載のある会社名についても、業者名と住所、電話番号がそれぞれ別の会社のものであることなどが指摘されていた。

『東方クロニカル零』公式は、「事前登録ガチャ」を取りやめるものの、本作については改めて正式なかたちで再始動するとの告知をおこなっている。とはいえ事前登録ガチャの問題以外にも、先述したようなさまざまな点について指摘が寄せられており、再始動までにそうした懸念が払拭されるかどうかが注目されるところだろう。今後の動向も注視したい。

Kosuke Takenaka
Kosuke Takenaka

ジャンルを問わず遊びますが、ホラーは苦手で、毎度飛び上がっています。プレイだけでなく観戦も大好きで、モニターにかじりつく日々です。

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