ベテランゲーム開発者集うスタジオ、新作発表と同時に「開発中断」も発表。デモ版に“最後の望み”を託す

 

Flaming Fowlは4月23日、『Ironmarked』を発表し、デモ版を配信開始した。同作の対応プラットフォームはPC(Steam)。しかし発表と同時に、スタジオは資金不足のため同作の開発を一時中止することを表明。ウィッシュリスト数が十分に集まれば、将来的に資金を調達できるかもしれないとして、デモ版をプレイしてみてほしいと呼びかけている。


『Ironmarked』は最大3人協力プレイ可能なデッキ構築RPGだ。舞台となるのはルネサンス期のイタリアをモチーフにしたファンタジー世界。プレイヤーキャラとなる傭兵たちは個性豊かな性能をもち、それぞれの行動が戦闘中に互いに影響を及ぼしあう。そうした相乗効果を意識しつつおこなう戦略的なバトルが本作の持ち味となっている。

本作を手がけるのはFlaming Fowl。RPG『Fable』シリーズの初期の3作品などを手がけた開発者により立ち上げられたスタジオだ。過去には戦略デジタルボードゲーム『Gloomhaven』をリリース。スタジオの次なる作品として、今回発表された『Ironmarked』は開発されていたという。

一方で『Ironmarked』は発表とデモ版の配信開始と共に、開発が中断されることが伝えられている。Steamにて公開された本作公式ニュースでは「良いニュースと悪いニュースがある」と前置き。スタジオの資金不足により、本作の開発が中断されることが発表された。あわせてスタジオ規模も縮小されることが明かされた。デモ版のリリースには、スタジオを離れる開発者たちの実績を示す狙いがあるそうだ。またウィッシュリスト数が十分に集まれば、将来的に本作の開発継続のための資金を調達できるかもしれないとしている。


またFlaming FowlのCEOであるCraig Oman氏は、海外メディアVGCのインタビューに向けて、スタジオの状況を細やかに明かしている。同氏によると『Ironmarked』には当初パブリッシャーもついていたものの、昨年6月に契約解除。その後別のパブリッシャーに売り込みながら1年以上開発に取り組んでいたそうだが、どのパブリッシャーからも「スタジオとゲームは素晴らしいものの今は契約できない」といった返答が寄せられたとのこと。

そのため、スタジオは資金難に陥り、『Ironmarked』の開発は中断されることが決定。Craig氏によればFlaming Fowlでは先週4月19日にレイオフを実施。30名いたスタッフが9名に縮小されたという。今回、作品発表と共に開発中断が告知されたかたちだ。

特に海外のゲーム業界ではレイオフが相次いでおり、苦戦を強いられている状況もうかがえる。実績あるスタッフたちが立ち上げ第2作目『Ironmarked』を開発中であったFlaming Fowlも、スタジオ規模縮小や作品の開発中断を余儀なくされたようだ。『Ironmarked』のSteamストアページではスタジオが“最後の望み”をかけたデモ版が配信されており、遊んでみて気に入った人はウィッシュリスト登録しておくとよいだろう。