SteamポストアポカリプスRPG『Play Rough』正式発表。心優しき若者が、残虐世界を西へ歩む

 

パブリッシャーの2 Left Thumbsは1月28日、『Play Rough』を正式発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、発売時期は未定。あわせて、本作の第一章までがプレイ可能な体験版が配信中となっている。


『Play Rough』はターン制のポストアポカリプスRPGだ。舞台となるのは2121年、かつてカリフォルニアであった場所だ。そこでは秩序や文明は崩壊、街には浮浪者や奇妙な生物が溢れかえっている。ところかまわず襲われたりすることもあるようだ。優しい若者である主人公Beauは、よりよい生活を求めて「西」に向かうという目的の下、そんな世界への旅路に出る。本作はポップなピクセルグラフィックで描画されつつも、終末世界の描写として、グロテスク・暴力・性的虐待などが多用されるという。容赦ない世界観が展開されるのだろう。

本作において、プレイヤーは資源不足に悩まされるかもしれない。筆者による体験版のプレイでは敵は倒しても復活しない、アイテムは少量のみ、もちろん安全な回復ポイントも設置されているわけではなかった。終末世界では、アイテムや経験値は限られたものなのだ。基本的に体力回復の手段はアイテムのみ。本編では調整が変わる可能性もあるものの、プレイヤーは丁寧な資源管理が求められるだろう。

また体験版での戦闘は、ターン制のコマンド選択で行われる。出血・病気などいくつかの状態異常の存在を確認。これによって戦況が変化していくようだ。一風変わった点として、「こうげき」がWASDキーのコマンド入力によって変化する。適切な入力をおこなえば、対応した習得スキルが発動。当然スキルの発動にはSP(スキルポイント)が必要なので、不足していれば入力をおこなっても発動しない。なお「スキル」のメニュー選択からも習得スキルを発動することはできるが、コマンド入力より威力は落ちるようだ。


本作には危険な存在だけでなく、友好的なキャラクターも多く存在している。しかし、彼らとの関係はプレイヤーの判断に委ねられているという。自身の行動や言葉の選択によって、キャラクターと敵対する可能性もあるようだ。仲良くなれば、仲間になってくれるキャラも存在。積極的に交流することで、ゲームの進行が有利になるのだろう。また、選択の結果によってストーリーも分岐していくようだ。

本作の舞台背景には、「HEAVEN」という不穏なモチーフが点在している。ゲーム内では「Heaven is watching.(天国がみている)」という言葉が頻繁に登場。なにか超常的な存在も示唆されており、ポストアポカリプス世界の厳しさの上に、さらに不気味な脅威にも立ち向かうことになるのかもしれない。


本作を手がけるのは個人開発者のNothing Master氏だ。ビデオゲームでしか語ることのできないようなストーリーに、生涯の情熱を注いでいるという。また同氏は、暴力・陰鬱的な描写も本作の物語に必要だと考えているようで、そうした要素は万人受けしないと理解しながらも、伝えたいと考えているそうだ。なお、本作は多くのプレイヤーが物語の“つらさ”を語るRPG『LISA: The Painful』にインスパイアされているとのこと。『Play Rough』の残酷さへのこだわりも、そうしたルーツから来ているのかもしれない。

なお、本作は昨年クラウドファンディングサイトKickstarterにて、支援者を募るキャンペーンを実施していた。目標の支援額には到達せずファンディングは失敗となったものの、Nothing Master氏は余暇を使った開発継続を宣言。努力が実ってか、このたび2 Left Thumbsがパブリッシャーとなり正式発表されたかたちだろう。

『Play Rough』はPC(Steam)向けに配信予定。同ストアページでは、第一章までの体験版が配信中だ。