『Escape from Tarkov』の偽Steamストアページが突如出現。そしてマッハに消える

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『Escape from Tarkov』のSteamストアページが突如出現し海外掲示板Redditで話題となっていた。該当されるSteamストアページは本稿執筆段階で削除済み。つまり、偽物だったようだ。


『Escape from Tarkov』はBattlestate Gamesが開発を手がけるハードコアFPSだ。プレイヤーは架空の地方経済地区「ノルヴィンスク」を舞台に、複数のマップからの脱出を試みる。本作にはオンラインのマッチング要素があり、それぞれのマップではステージ上のNPCとの戦闘に加え、マッチングした他プレイヤーとも相対することが出来る、いわゆるPvPvEゲームとなっている。本作では複数のマップを舞台に物資をかき集め、自身の装備を増強していくことを目的とするサバイバル要素が存在。空腹や脱水症状などのステータスもあり、敵の弾を被弾した際は部位による出血が細分化されている。頭部に着弾すると一撃で死に至らしめられ、他部位の損傷による画面の揺れなども激しく、“ハードコア”なFPSとして人気を博している。そんな本作のストアページがSteamに突如出現し、話題となる一幕があったようだ。

まず前提として、『Escape from Tarkov』はSteamではなく公式サイトでのみ購入可能。それゆえにSteamで購入できるようになるということで、ストアページの存在が注目されたのだ。しかしそれは“偽物”だったようだ。現在は削除されたSteamストアページをウェブアーカイブなどで閲覧すると、『Escape from Tarkov』と同様のゲーム内容や画像が使用されていたことが確認できる(参考)。一見すると本作がSteamに対応したように思えるかもしれないが、その実態はSteamストアページのシステムを利用した詐欺であったようだ。

なお本稿執筆段階でストアページは削除されているため、その点は留意されたい


偽『Escape from Tarkov』のSteamストアページの変遷は、Steamタイトルの各種情報を細かく記録している、非公式のデータベースサイトであるSteamDBを使用することで確認することができる。それによると、本ゲームのSteamストアページは本来awstudiosというパブリッシャー・デベロッパーが制作する『EFT』というゲームのストアページだったようだ。

12月13日にSteamに登場した『EFT』は日本時間で1月24日午前6時半にゲームの名称が変更。その段階で『Escape from Tarkov』として、Steamストアページに現れたというわけだ。このタイミングで、スクリーンショットやゲーム説明も変更されている。しれっと開発元もBattlestate Games表記となっている。

なお変更前のストアページをウェブアーカイブなどで閲覧することも可能だ(参考)。『EFT』として登録されていた時期のSteamストアページを閲覧してみると、『Escape from Tarkov』とは似ても似つかない内容の2D見下ろし型脱出ゲームであったことが確認できる。なおこの偽版は、1月24日夕方時点ではゲームとして4980円で販売されていた。


海外掲示板Redditでも本件は話題となり、当該スレッドにて注意喚起が為された。また、日本においてもBattlestate Games の公認エミッサリー(ユーザーと開発の橋渡しのような存在)であるEmilio氏が本件に関する情報をツイート。同様に注意を促し、開発元であるBattlestate Games がValveと対応を進めている旨を伝えていた。本稿執筆段階でSteamのストアページが削除されたことから、恐らくValveによる早急な対応がなされたのだろう。


なおSteam版の正式対応については、2016年に開発者の一人であるPavel Dyatlov氏が「予定している」といった旨を海外メディアとのインタビューで伝えている(Wccftech)。とはいっても、7年前の話。Steamで販売していない現時点ですでに大人気シューターとして定着しているため、Steamに登場するのがいつになるかは不明。プレイしたい人たちはぜひBattlestate Gamesの公式サイトから本作を確認してほしい。

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