ソウルライクARPG新作『The Last Hero of Nostalgaia』のソウル愛が強すぎて評価高まる。本格派でもおふざけソウルライク

 

パブリッシャーのCoatsinkは10月20日、Over The Moonが手掛けるARPG『The Last Hero of Nostalgaia』を発売した。対応プラットフォームはSteamおよびXbox One/Xbox Series X|Sで、日本語表示にも対応している。同作は『ダークソウル』シリーズの影響を色濃く受けており、ゲームプレイの再現のほかパロディも多数。その内容がにわかに話題となっているようだ。

『The Last Hero of Nostalgaia』は、アクションアドベンチャーゲームだ。本作の舞台となるのは、ビデオゲームの世界「Nostalgaia(ノスタルガイア)」。この世界では、謎のピクセル化減少によって世界のあらゆる要素が徐々に“下位互換”されてしまっている。たとえば、高精細3Dモデルとして存在していたマップやキャラモデルは、ピクセルアートの平面スプライトに。ノスタルガイアの世界はそうして徐々に崩壊しており、大事なゲーム思い出の灯火はまさに消えかけ、終焉を待つのみだった。

そこに現れた希望が、プレイヤーの分身となる主人公である。本作の主人公は、棒人間。“もはや最悪レベルの簡略系”なデザインのピクセル棒人間だ。主人公は自分が何者かもわからないまま、ノスタルガイアのかつての姿と記憶を取り戻す冒険に出るのだ。


『The Last Hero of Nostalgaia』の特徴となるのが、『ダークソウル』シリーズに色濃く影響を受けたゲームプレイおよび、随所に散りばめられたユーモアだ。チェックポイントである「篝火」を軸にして探索範囲を広げていくシステムや、どこかで見たモーションで繰り広げられる厳しめの戦闘など。コントローラーでの操作方法についても『ダークソウル』シリーズを踏襲しているほか、開発元も「例のジャンルのファンが楽しめるであろう」戦闘の調整を謳っている。また、床にメッセージを残すシステムやマルチプレイ協力なども実装されている。本格的な作り込みの一方で、あまりにもシンプルすぎる主人公の姿や、ナレーターがなぜかメタ視点ギャグを盛り込んだ野次を飛ばしてくるなど、笑いどころが随所に仕込まれている。

*本作には多彩にスライダーを調整できるキャラメイク要素もある(調整できるだけで、見た目などには影響しない)


そんな本作が現在、にわかに注目と評価を集めているようだ。国内外のSNS上では、本作を楽しむプレイヤーの姿が散見。特に『ダークソウル』シリーズファンからは「ユーモア主体の雰囲気に反して、意外なほどちゃんと同シリーズを再現できている」との評価も寄せられている。また、本作はSteamユーザーレビューにおける評価も上々。本稿執筆時点で約200件のレビューが寄せられ、うち90%が好評とする「非常に好評」ステータスを獲得している。『ダークソウル』のゲームプレイの再現度や、ユーモアセンスを称賛する声が多く見られる。

なお、『The Last Hero of Nostalgaia』の開発者ダイアリーでは、本作が「ソウルライクが実現すべきゲームプレイ」を目指すにあたっての努力が語られている。マップデザインや攻撃モーションなど、単に“オリジナル”を真似るにとどまらない工夫と調整が凝らされているとのこと。そうした点が、『ダークソウル』シリーズファンなどからの評価にも繋がっているのだろう。

『The Last Hero of Nostalgaia』はPC(Steam)およびXbox One/Xbox Series X|S向けに配信中。日本語表示にも対応している。