デベロッパーのVG Gamesは6月30日、ゾンビサバイバルアクションゲーム『The Last Hope – Dead Zone Survival』を海外Nintendo Switch向けに配信開始した。本作は、『The Last of Us』の模倣を試みたのではないかとして注目を集めているようだ。海外メディアThe Gamerなどが報じている。
『The Last Hope – Dead Zone Survival』は、文明崩壊後の世界を舞台にしたサバイバルアクションゲーム。主人公のブライアンは、悲惨な歴史を書き換えるべく、タイムマシンを使って未来からやってきた人物だ。本作にてプレイヤーは、ゾンビで溢れる街にてさまざまなミッションに挑戦。武器を入手するために警察署を訪れたり、薬を確保するべく薬局に侵入したり。また、本作ではイヴという名の少女が登場し、プレイヤーと共に行動。弾薬が限られているなかゾンビの群れと戦い、最終的に船で街を脱出し、少女を安全な場所に送り届けることを目指す。
こうしたゲーム概要からは、ゾンビサバイバルゲームとしてありがちな設定であることがうかがえる。ただ、前出の海外メディアThe Gamerは本作について「恥知らずな『The Last of Us』のパクり(Shameless The Last Of Us Ripoff)」と強い言葉で非難。また別の海外メディアPlayStation Lifestyleは「残念な『The Last of Us』のクローン(Poor The Last of Us Clone)」と表現している。
『The Last of Us』は、SIE傘下のNaughty Dogが手がけたサバイバルアクションゲームだ。同作では、寄生菌による感染者が徘徊する荒廃した世界を舞台に、運び屋である主人公ジョエルが、少女エリーを軍の隔離地域から脱出させる仕事を請け負い、共に過酷な旅をおこなう。同作は、2013年にPS3向けにリリースされ高い評価を獲得し、のちに『The Last of Us Part I』としてリメイクもされている。
実際のところ、『The Last Hope – Dead Zone Survival』は『The Last of Us』から影響を受けていることは間違いなさそうだ。それをもっともよく表しているのは、本作のキーアート。似たゲームタイトルであるうえ、縦にワードを並べたロゴデザインもそっくり。きわめつけは、主人公に同行する少女だろう。黒い長袖シャツの上に赤い半袖のシャツを重ね着し、バックパックを背負った本作のイヴの姿は、『The Last of Us』のエリーの風貌そのもの。髪型も似ている。
ゾンビのいる世界で、少女を連れてサバイバルするというゲーム内容も、一応の共通点として挙げられる。もっとも、『The Last Hope – Dead Zone Survival』はそれほどクオリティの高い作品ではなく、また実際のゲームプレイはひたすらゾンビと戦うようなシンプルな内容となっている様子。本作を『The Last of Us』の代わりとして購入する人がいるのかどうかは分からないが、そうした期待には沿えないだろう。
本作の開発元VG Gamesは、シンプルなコンセプトかつ低価格な作品を多数手がけているメーカーだ。いずれの作品もオーソドックスな内容ではあるが、最近になってゲームタイトルやキーアートに“工夫”をするようになった模様。同社の近作には、『Need for Speed』を想起させる『Need for Drive』や、映画「マッドマックス」を彷彿とさせる『Mad Road』などがある。そうした流れの中で、『The Last Hope – Dead Zone Survival』では『The Last of Us』を意識したデザインを取り入れた可能性がありそうだ。
『The Last Hope – Dead Zone Survival』は、海外Nintendo Switch向けに配信中。ちなみに価格は、ローンチセールとしていきなり88%オフとされ、イギリスでは0.99ポンド(約180円)である。VG Gamesによると、他地域でも7月に配信予定とのこと。同社作品の一部は、日本でも英語版のまま配信されているものがあるため、本作の国内配信も計画されているかもしれない。