「Ubisoft Forward」のリーカー、実はYouTuberだった。“うっかりツイート”により発覚

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ユービーアイソフトは9月11日、オンラインショーケースイベント「Ubisoft Forward」を開催し、いくつかの新作を発表。実はこのイベントの数日前に、同社の発表内容を予告し、的中させていたTwitterアカウントが存在した。ただ、そのリーカーの素顔はとあるYouTuberだったようだ。海外メディアEurogamerなどが報じている。


The Insiderを名乗るTwitterアカウント(@TheReaIInsider・現在は削除済み)は9月6日、つまりUbisoft Forwardの開催前週に、『アサシン クリード』シリーズのタイトル名を投稿した。結果として、それらはイベントに登場した各タイトルであり、Red・Jade・Hexeというコードネームが付けられた、当時未公表の3タイトルについても的中させている。同アカウントはほかにも、サブスクリプションサービスUbisoft+の一週間無料トライアルの実施などについても、発表に先立って言及していたようだ。

イベントでの発表内容を見事的中させたことで、同アカウントは素性は不明ながら、本物のリーカーであるとにわかに注目が集まっていた模様である。ただあるきっかけで、ひとりのYouTuberに疑惑の目が向けられることとなった。

問題の人物は、約19万人のチャンネル登録者をもつオーストラリア出身YouTuberのDan Allen氏である。あるTwitterユーザーが先述したリークアカウント宛にツイートをしたところ、なぜか代わりにAllen氏が現れ、問いに回答したのだ。その回答ツイートは、間もなく削除されたとのこと。

この一件により、Allen氏がリークアカウントに切り替えるのを忘れて、自身のメインアカウントで返信してしまったのではないかという疑惑が生まれた。そして、不審に思った経済誌Bloombergの記者Jason Schreier氏が、両者の繋がりを調査し始めることに。すると、両アカウントはほぼ同じタイミングで同じゲームについてツイートしていたことが度々確認された。もちろん偶然かもしれないし、これだけではAllen氏=The Insiderを示す決定的な証拠ともいえない。

ただ、こうした疑惑が広く拡散され、また業界の著名ジャーナリストに目をつけられたこともあってか、Allen氏は9月20日、観念したように謝罪ツイートを投稿。疑惑について直接的には言及しなかったが、自身のおこないについて詫びている。その後同氏は、リークアカウントに続き、自らのTwitterアカウントも削除した。


Allen氏は9月21日になって、自身のYouTubeチャンネルにて謝罪動画を投稿。そのなかで、問題のリークアカウント(@TheReaIInsider)は、自らの別アカウントであったことを認めた。リークアカウントでの投稿の半分は推測によるものであったが、Ubisoft Forwardなどの情報についてはリークだったとのこと。おそらくインフルエンサーという立場で、各メーカーから事前に情報を得ていたのだろう。

なぜリークアカウントを運用していたのかについては、リークによって多くの人々の注目が集まることに気づき、それに病みつきになってしまったためだと述べる。Allen氏はそれが哀れな行動だったとし、束の間の名声のために、業界の友人やビジネスにおける機会もすべて失ったとした。そして、開発者やコンテンツクリエイター、メディアなどの業界関係者、および自身をサポートしてくれたファンに対して謝罪した。

問題発覚後、Allen氏に対しては厳しい声が多数寄せられている。なかには、同氏自身も謝罪映像内にて言及していたが、今後はインフルエンサーがメーカーとの仕事がやりづらくなる可能性について触れる意見もある。インフルエンサーやメディアは、メーカーとNDA(秘密保持契約)を結んだうえで、発表内容を事前に受け取ることが通例。にもかかわらず、情報を漏らしてしまう人物がいることが明らかになったとなれば、メーカー側は今後情報提供にあたって慎重になるのではないかという考えだ。

また、メーカーがAllen氏を訴える可能性について述べる業界関係者もみられる。NDAを破ったのであれば、そうした結果も当然あり得るだろう。実際にメーカーが今後どのような対応をおこなうかは未知数なものの、同氏はまさに束の間の名声のために、大きな代償を払うこととなった。

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