巨獣の背中街づくりシム『The Wandering Village』早期アクセス配信開始、好調な出足。“ジブリ感”評価する声も

パブリッシャーWhisperGamesは日本時間9月15日、コロニー運営シム『The Wandering Village』の早期アクセス配信を開始した。特徴的なコンセプトおよび前評判からか、なかなか好調なスタートを切っているようだ。なお本作は、日本語表示にも対応している。

パブリッシャーWhisperGamesは日本時間9月15日、『The Wandering Village』の早期アクセス配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、日本語表示にも対応している。特徴的なコンセプトおよび前評判からか、本作はなかなか好調なスタートを切っているようだ。


『The Wandering Village』はコロニー運営シムだ。舞台となるのは、猛毒を帯びた謎の胞子に汚染された世界。生存者たちの小さな一団が身を寄せたのは、オンブと呼ばれる巨大な放浪生物の背中の上だった。プレイヤーはオンブの背中に居住地を建設。厳しくも美しい世界で生き延びる道を模索する。

オンブは文明崩壊後の地球を放浪し続ける。オンブが歩む地の環境により、背の上の人間たちには恩恵あるいは困難が伴う。場所によって天候による影響や、猛毒の胞子の脅威にさらされるわけだ。一方本作ではプレイヤー次第で、オンブとの関係性が変化する。人間がオンブの健康状態を保つために手伝ってあげると、徐々にオンブからの信頼を得ることが可能。やがてプレイヤーのコマンドに従い、オンブは人間が望む方角へ足を向けてくれるようになる。オンブとの信頼を築いて生き延びる共生関係を目指すか、それとも村人たちの生活水準維持のみに注力する寄生関係となるか。生存者たちとオンブの行く末はプレイヤーの手にかかっている。


日本時間では本日15日に早期アクセス配信されたばかりの本作。Steamでの同時接続プレイヤー数はピーク時約4000人を記録。直近でも3000人ほどのプレイヤー数をキープしている(SteamDB)。Steamユーザーレビューにおける評価も上々で、本稿執筆時点で約120件中92%が好評とする非常に好評のステータスを獲得。他方、YouTubeにおいては本作の早期アクセス配信前後にプレイ実況動画などが投稿されており、一部は数十万回にわたり再生されている様子も。。小規模インディーゲームとしては順調な滑り出しであり、大きな注目も集めているようだ。

本作の開発を手がけるのはスイス・チューリッヒに拠点をおくStray Fawn Studio。過去にはファンタジックな生物を育成するサバイバルゲーム『Niche – a genetics survival game』や巨大ドローンで宇宙を戦い抜くSF『Nimbatus – The Space Drone Constructor』など、幅広い作風のゲームを手がけてきた。生物学に精通しているというゲームデザイナーと、宇宙マニアだというソフトウェアデザイナーの知見が活かされた世界観は、同スタジオの作品の持ち味だろう。

前々作の『Niche』では現実の生物にもとづいたクリーチャーデザインが特徴であった。本作『The Wandering Village』のKickstarterによると、オンブのデザインも当初は実在の生物に近いコンセプトからはじまったそうだ。しかし開発の過程で、背中の上に街を築くことが理にかなっているようなデザインが意識され、最終的には当初のコンセプトからかけ離れた姿になったことが語られている。以下の画像では、その過程がわかりやすい。

Image Credit: Stray Fawn Studio on Kickstarter


また本作の汚染に苦しむ世界観などはスタジオジブリ作品、特に「風の谷のナウシカ」などに影響を受けたという。そうした開発元のこだわりが光る特徴的な世界観やデザインは、本作が注目を集める要因の一つといえそうだ。Steamユーザーレビューにおいても、本作が「風の谷のナウシカ」の雰囲気を表現しているとする声が寄せられている。

ちなみに本作は、今年2月のSteam Nextフェスにてクローズドベータとしてデモ版を配信していた。YouTube上にはそのころの動画も数多く投稿されており、本作の知名度アップに一役買っていたようだ。本作のSteamフォロワー数もその時期から急増しており、早期アクセス配信前には4万人を超えるフォロワー数を記録している。そうした前評判や知名度の高さが、本作の好調なスタートの背景としてあるのだろう。

Image Credit: SteamDB


なお、『The Wandering Village』の早期アクセス配信期間はすくなくとも1年間が見込まれている。同じく早期アクセス配信を通してリリースされた、同スタジオ過去2作の知見から、本作においてもコミュニティベースの開発を重視しているとのこと。プレイヤーの声を取り入れながら改善と開発を進めていくそうだ。ロードマップによると、今後は空を飛ぶ商人との取引や新イベントなどの追加が予定されているという。オンブと人類の旅を描く本作の、今後のさらなる拡張を楽しみにしていきたい。

『The Wandering Village』はPC(Steam)向けに早期アクセス配信中だ。日本語表示にも対応している。なお早期アクセス配信終了後には、価格がある程度上昇する可能性もあるとのこと。9月29日まではリリース記念セールとして10%オフとなる2313円で販売中なので、気になる人は早めに手に入れておくといいだろう。

Hideaki Fujiwara
Hideaki Fujiwara

なんでも遊ぶ雑食ゲーマー。『Titanfall 2』が好きだったこともあり、『Apex Legends』はリリース当初から遊び続けています。

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