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近年のゲームに「パリィ」採用例が増えている理由。ゲームデザイナーが「合理性」と「歴史」の文脈で考えてみる
今回の記事では「なぜ近年パリィを採用するゲームが増えたのか」について考えてみる。楽しんで頂けると幸いだ。

お久しぶり。ゲームデザイナーのヌヌヌだ。普段はゲーム会社でゲームデザインの仕事をしている。その傍らで寄稿するコラムである。今回で9回目の記事となる。
さて、今回の記事では近年多くのゲームで採用されているシステムについて取り上げる。そのシステムとは「パリィ」、激しい戦闘を売りにしたアクションゲームでは採用されていないほうが珍しいゲームシステムだ。
ということで、今回の記事では「なぜ近年パリィを採用するゲームが増えたのか」について考えてみる。楽しんで頂けると幸いだ。
近年のヒット作は「パリィ」を採用している
最初に述べたように、近年「パリィ」を搭載したゲームはいくつもあるが、ここ最近でもっとも有名なのは『Clair Obscur: Expedition 33』 だろう。JPRGを意識した本作は、いまや800万本の売り上げと世界的な評価を得たまさに2025年を代表する1作だ。もちろん評価された理由は「パリィ」を取り入れたバトルシステムだけでなくビジュアルやストーリー、それに音楽など様々だが「ターン制RPGのバトルにまで採用された」事例は「パリィ」人気の裏付けになる。

他にも人気FPSシリーズの最新作である『DOOM: The Dark Ages』や『バイオハザード レクイエムBIOHAZARD requiem』、インディーゲームなら『九日ナインソール』『Sifu』『Lies of P』など、近年評価されているアクションゲームの多くが「パリィ」を採用している。もはや「パリィ」のないアクションゲームを探すほうが難しいかもしれない。

どうしてここまで「パリィ」の採用率が上がったのか?
それを問う前に、少しばかり「パリィとは何か」について考えてみよう。
「パリィ」の分解、似た要素はなにか
アクションゲームにしろRPGにしろ、バトルシステムはいくつかのカテゴリに分けられる。大別すると「攻撃」「防御」「回復」「補助」といったところだろう。「パリィ」は「防御」のカテゴリに属する行動だ。さらに「パリィ」とそれに似た行動を細かく分類してみる。
1つ目は「ディフレクト」。これは「相手の攻撃を防ぐ」行動だ。あくまで防ぐだけで、相手が体勢を崩すかはわからない。「パリィ」に似ているようで別のシステムだ。有名な採用事例は『ストリートファイターIII』で「ブロッキング」と呼ばれるシステムだ。※「ブロッキング」は成功時に相手の硬直が発生する
2つ目は「カウンター」。相手の攻撃を避けつつ攻撃することで、普段よりも大きなダメージを与えることができる行動だ。どちらかというとバトルシステムの「攻撃」カテゴリに含まれそうだが、あくまで相手の攻撃に合わせて反撃する「受動的」行動なので防御カテゴリに属すると考える。RPGでは被弾のあとにカウンターが発動し、相手にダメージを与える場合が多い。
3つ目は「崩し」。相手の隙を突き、姿勢を崩す。相手が攻撃態勢をとっている必要はないが、隙が生まれやすいのは攻撃の瞬間だろう。「崩し」は攻撃のキャンセルが主な機能であり、相手へのダメージは0でも構わない。崩したあとは相手が無防備になることから、反撃行動へと繋がる。こちらもやや「攻撃」カテゴリに属する行動といえるかもしれない。
最後の4つ目が「パリィ」。武器や防具を使い、相手の攻撃を弾く行動だ。弾いた結果ダメージが通らなくなるので「防ぐ行動」でもある。弾いているため、ダメージは無効化される。また、相手の予期せぬ行動のため、弾かれた相手は姿勢を崩すか、攻撃を停止する。これはあくまで「リアルに考えると弾かれたら姿勢が崩れる」という話であって、ゲームによっては相手の攻撃が止まらなくてもいい。
このようにディフレクト・崩し・カウンター、そして「パリィ」は異なる行動だが、混ぜ合わせて「パリィ」と呼ぶことが多いのが実情だろう。こうして分解・分析することにより、各ゲームが採用している「パリィ」的なシステムが、どういう理由で要素を取捨選択したのかが分かるようになる。
「パリィ」の機能について理解が深まったところで、次は「パリィの歴史」について考えてみたい。
「パリィ」を中心としたゲームの歴史
直近の採用事例でもっとも有名なゲームとして『Clair Obscur: Expedition 33』 を挙げたが、本作はフロム・ソフトウェアの『SEKIRO』を参考に「パリィ」を取り入れている(電撃オンラインの記事より引用)。
新しいユニークなターンバトルのゲームを作りたいという思いを持っていたんですが、アイデアは行き詰まっていました。そんな時に偶然遊んだのが『SEKIRO(SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE)』で、その時に体験したパリィがめちゃくちゃ気持ちよかったんです。
面白いバトルのアイデアに行き詰ったら『SEKIRO』があった、この事例は『Clair Obscur: Expedition 33』 だけに留まらない。インディーゲーで高評価を得た『九日ナインソール』も同じく『SEKIRO』に助けられている(Video Game Journalist Search記事より引用)。
最初は途方に暮れ、行き詰まりを感じることもありました。幸いにも、そうした瞬間に『SEKIRO』に触発されました。「2DのSEKIROはどんな感覚か?」という問いが生まれ、私たちのビジョンはより明確になりました。

もちろん『Sifu』も『SEKIRO』の影響を受けているし、『DOOM: The Dark Ages』もやはり影響を受けている(IGN記事・VICE記事より引用)。
(『Sifu』は)もちろん、『SEKIRO』の影響を受けています。『デビルメイクライ』や『NINJA GAIDEN』に『GOD HAND』といったアクションゲームもそうです。プラチナゲームズのゲームもどれも素晴らしいですね 。
(『DOOM: The Dark Ages』の開発に参考にしたこととして) 最高のゲーム……例えば『 SEKIRO』 は、パリィしたり、適切なタイミングでステルスをしたり、必要な時に積極的に動くんだと思う。そしてゲームはそれを促すのが上手いんだ。

こうした事例を見るに、近代パリィゲーの中心が『SEKIRO』であることは疑いようのない事実だろう。「パリィの歴史」は『SEKIRO』を軸として考えるのがよさそうだ。
さて、ゲームデザインとは模倣と取捨選択の活動でもある。何かを真似する際に、自分のゲームにあった要素を取捨選択することで別の遊び・ゲームが生まれる。『SEKIRO』にしても、唐突に「パリィ」を中心としたゲームデザインが生まれたわけではない。『SEKIRO』の開発を率いた宮崎英高氏はソウルシリーズの1作目である『デモンズソウル』でも「パリィ」を採用している。

『デモンズソウル』の「弾いて態勢を崩すパリィ」から『SEKIRO』の「弾き続けて体幹を削り、最終的に姿勢を崩すパリィ」に至るまでの過程は定かではないが、ひとつ言えるのはディレクターの宮崎英高氏が絶えず掲げるコンセプトである「困難に挑み克服する達成感」から生み出されたということだ。
『デモンズソウル』から『エルデンリング』に至るまで、宮崎英高氏はこのコンセプト(あるいは似た内容)を掲げ続けている(ファミ通記事より引用)。
我々はもともと、おっしゃるような“困難を克服した達成感”に価値を感じ、その価値をテーマにゲームを作ることが多い 。
「困難」とは「絶体絶命の状況」であり、ゲーム内では「難所の探索」か「強敵との戦い」で表現される。強敵との戦いを描くには相手のダメージだけでなく、素早さや巨大さなど様々な手段で表現する必要がある。それを「克服」するためには、プレイヤーにも相応の戦闘能力が求められる。装備品やスキル、レベルによるパラメーターの強化だけでなく、プレイヤー自身の成長も必要だ。苛烈な攻防をプレイヤーと敵との間に成立させるために「パリィ」は用意されている。
宮崎英高氏は「過去の自身のタイトル」を絶えずアップデート(模倣と取捨選択)することで、新たな境地を開拓している。戦闘行為への興味と意欲が『SEKIRO』や『Bloodborne』を生み出している。

とは言ったものの、ゲームはやはり模倣から始まる。宮崎英高氏が「苛烈な攻防をどのように描けばいいのか」と問うた際に、参考にしたゲームもあるだろう。
実際に参考にしているかは記事もなく不明なため妄想の域をでないが、ソウルライクの「パリィ」に影響を与えたであろうタイトルについて深掘りしてみる。ここからはタイトル名に発売された年を添えるので、時系列に注目してほしい。
まず『SEKIRO(2019)』に似たバトルシステムを搭載したゲームは『メタルギア ライジング リベンジェンス(2013)』 だ。プラチナゲームズが開発した本作には、「シノギ」と呼ばれるバトルシステムがある。敵の攻撃をタイミングよく弾くシステムで、これだけ読むと「パリィ」だが、「シノギ」が優れていたのは「目に見える予兆」を既に組み込んでいた点だ。
斬りかかってくる予兆として敵に赤い閃光が走り、タイミングよく弾き返す。何度も敵の攻撃を弾き返し、最終的に敵の態勢を崩し、必殺の斬撃を叩き込む…『SEKIRO』が生み出した攻防と似た仕組みが既に搭載されている。
「シノギ」については当時プラチナゲームズに在籍していたゲームデザイナーの田浦貴久氏が公式サイトで解説している。田浦貴久氏の解説だけでなく、開発陣へのインタビューでも「シノギを搭載した経緯・意図」が解説されている(Game*Spark)。
プレイヤーには「ずっと攻撃をしてほしい」と思っています。本作でもそれは同じで、例えば「ニンジャラン」であっても前に進むためのシステムですし、「シノギ」に関してもより積極的なシステムとして取り入れています
ここで語られている「前に進むためのシステム」という発言が重要で、おそらく『SEKIRO』でも似た意識があったのではないかと想像する。「ずっと攻撃をしてほしい」「相手の激しい攻撃にひるまずに前進するバトルを表現したい」そういった考えから『メタルギア ライジング リベンジェンス』と同様の予兆と攻防が『SEKIRO』でも搭載されたのではないだろうか。
さらに歴史をさかのぼってみよう。『メタルギア ライジング リベンジェンス』の開発会社はプラチナゲームズで、初期の代表作に『ベヨネッタ(2009)』がある。『ベヨネッタ』には「ダッジ」という回避システムがあり、敵の攻撃をタイミングよく回避すると「ウィッチタイム」と呼ばれる反撃時間が発生する。入力タイミングを用いた攻防が既に組み込まれている。
『ベヨネッタ』の開発を率いた神谷英樹氏はプラチナゲームズの前にはクローバースタジオに所属、さらに元々はカプコン所属のゲームデザイナーだ。カプコンを代表するゲームのうち剣戟を取り入れたタイトルといえば『デビルメイクライ(2001)』と『鬼武者(2001)』だろう。
『デビルメイクライ』の開発経緯については神谷英樹氏のインタビュー集である書籍「神谷英樹の世界 “快感”を生み出すゲーム・デザインの全仕事」で詳細が語られているが、興味深い点がいくつかある。
『デビルメイクライ』には、防御というものがありません。防御している間は遊びの動きが止まってしまうし、やはり流れるようにアグレッシブに戦い続けたい。
この発言は『メタルギア ライジング リベンジェンス』のインタビューで語られた「前に進むためのシステム」と似た考え方だ。つまり、神谷英樹氏の美学を通じてカプコンからプラチナゲームズ、そして田浦貴久氏へもアクションゲーム哲学が伝授されていると思われる。
僕は『鬼武者』を開発中だった他部署の同期のプログラマーのところへ遊びに行って、開発途中のバージョンを遊ばせてもらったんです。
こちらも同著作からの引用だが、興味深いのは『デビルメイクライ』と『鬼武者』は発売年が同じ2001年であるにも関わらず、お互いのチームはアイデアの共有は行っていなかったのではないか、という点だ。『デビルメイクライ』がスピーディかつスタイリッシュにノンストップの剣戟を追求したのに対し、『鬼武者』はズバズバと幻魔を斬りつけながらも、やや重みのある一撃を何度も叩き込むスタイルだった。同じ剣戟ゲームでありつつも方向性が異なったことにより『デビルメイクライ』は「回避」を主体とした「移動」を重要視していたのに対し、『鬼武者』では「一閃」と呼ばれる「カウンター」が搭載された。

「一閃」は敵の攻撃に自分の攻撃を繰り出すことで、相手を一撃を倒せる必殺のカウンターシステムだ。決めれば爽快、大逆転を生むシステムだが『メタルギア ライジング リベンジェンス』と異なり予兆がないため、完全に目押しと攻撃パターンの暗記でしか対処できなかった。
『鬼武者(2001)』の「重たい剣戟」「相手のモーションをじっくり見て反撃する」「必殺のカウンター」これらの要素が『デモンズソウル(2009)』に継承されているとは考えられないだろうか。さらにここに『メタルギア ライジング リベンジェンス(2013)』の「シノギ」(予兆とカウンター)が組み合わさることで『SEKIRO(2019)』に至り、ついに『Clair Obscur: Expedition 33(2025)』が生み出されたと考えると、ゲームデザインのバトンが過去から現在に確かに受け継がれているようで感慨深い。
「パリィ」の歴史についてこれ以上書くのは冗長かもしれないが、カプコンの歴史から見て代表的なのは『ストリートファイターIII(1997)』の「ブロッキング」だろう。相手の攻撃に合わせてタイミングよく弾く・無効化する遊びは、カプコンの中では当たり前になっていたはずだ。
そして、格闘ゲームは各社が切磋琢磨を日夜繰り広げたジャンルでもある。当時のカプコンのライバルといえる格闘ゲームメーカーはSNKだろう。SNKが開発した中でも『真SAMURAI SPIRITS 覇王丸地獄変(1994)』は大ヒットした作品だが、ゲームシステムに「受け返し」と呼ばれるカウンターを搭載している。「パリィ」の元祖とも言える無骨なシステムで、相手の攻撃が当たる瞬間にガードすると発動する。成功すれば相手を一定時間無防備にできる大逆転が可能なシステムだが、狙って出すのは『鬼武者』の「一閃」以上にシビアなタイミングが求められる。

発動機会が限定的だった「受け返し」が、同様にシビアだが少し一般化した「ブロッキング」へと発展し、そして「一閃」に繋がる。こちらの歴史も当時の格闘ゲームメーカーの、それこそしのぎを削り合う模様が想像できてロマンがある。過去のゲームは確かに古いかもしれないが、スピリットは現代まで連綿と続いていると言えよう。(さらに言うと、任天堂の『パンチアウト!!(1984)』は予兆とカウンターに着目した原点と呼べるタイトルかもしれない)
なぜ近年「パリィ」の採用事例が増えたのか、「パリィ」の魅力とは?
ここまで近年「パリィ」が人気であること、「パリィ」の細分化、「パリィの歴史」を振り返ってみた。ようやく主題に入ろうと思う。なぜ「パリィ」の採用事例は近年勢いを増しているのだろうか。
「パリィ」はバトルシステムの1つだ。つまり、近年「パリィ」を採用するゲームは「パリィが活きるバトル表現・バランス」を追求していることになる。なぜそうしたバトルを追求するようになったのか?
ゲームは「ある側面では」快楽・快感を追求するメディアでもある。ゲームデザインは模倣と取捨選択であると述べたが、そのベクトルは主に「快楽・快感」に向かっている。より快楽・快感を生むために模倣と取捨選択を繰り返しているといえよう。
ゲームにおける快楽とは何か?それは暴力と破壊だ。だから、「パリィ」を採用するゲームはバトルをゲームの中心に据えており、その快楽を最大化するために「パリィ」を採用している。簡単に言えば「過去のゲームよりも激しい戦闘体験」を求めた結果「パリィ」を軸としたバトルシステムを構築するケースが増えてきたのだ。
では「パリィ」の快楽・快感の正体とは何かについて考えてみよう。先に述べたように、「パリィ」はバトルカテゴリの防御に属する。ただし、その正体は単なる防御ではなく、オフェンシブな反撃行動でもある。オフェンシブな反撃行動を一言でいえば一発逆転となるが、なぜ一発逆転は快楽性が高いのか。
ゲームのバトルは常にプレイヤーと敵の行動が入れ替わる。ターンベースのRPGであれ、リアルタイムバトルであっても、おおまかには攻防が入れ替わり続けている。敵はゲーム進行の障害であるため、常にプレイヤーよりも強く設定されている。障害を乗り越えなければ抑圧と解放、快楽が生まれないためだ。そして、敵の強さは攻撃力やスキルだけでなく「攻撃頻度」でも表現される。強敵はプレイヤーに防戦一方を強いる多段攻撃を繰り出すことが多いということだ。いわば「ずっと俺のターン」を繰り出されるわけだが、これはプレイヤーにとって主体性を喪失している時間であり、ストレスフルである。その主体性を取り戻す唯一の手段が「パリィ」である。
回避手段であるドッジロールやローリングはあくまで態勢を整えるためであり、相手の攻撃時間、攻撃チェーンを停止することはできない。「パリィ」であれば敵の攻撃チェーンを停止させることができる。プレイヤーの介入により主体性を取り戻す、これこそが「パリィ」が生み出す最大の効果だ。「パリィ」によりプレイヤーは自由になるのである。高難易度バトルのストレスに対して、「パリィ」による解放は圧倒的な解放感を与えてくれる。それこそが近年の採用事例の要因だろう。
「パリィ」採用のデメリット
苛烈な戦闘と圧倒的な解放感を生み出す「パリィ」だが、扱い方を間違えるとゲーム全体の設計が変形してしまう。「パリィ」の本質は「防御」であり、「防御」とは「受動的な待ちの姿勢」だからだ。
個人的にもう少しだけ発展の余地があると思うのが『メトロイド』シリーズにおける「パリィ」である「メレーカウンター」である。敵の突進や銃撃をいなす、跳ね返すことのできるシステムだが、常に「待ち」が発生する。
『メトロイド サムスリターンズ』の「メレーカウンター」紹介動画※1:50付近から
バトル主体のゲームであれば攻防の中で反撃のチャンスを伺うことができるが『メトロイド』シリーズは「探索」に重きを置いたシリーズである。そのため、「メレーカウンター」の「待ち」は探索行動を止めてしまうので食い合わせがよくない。またシリーズのほとんどが2Dアクションなので、道中の敵との戦闘を避けることが難しい。そのため、移動と戦闘と待ちを繰り返すことになる。ボス戦や強敵との戦いでは気持ちのよいカタルシスを得られるため、雑魚との戦闘でもう少し活用できるようになると嬉しいのだが…… 。
このように「パリィ」の本質が「受動的な行動」であることを念頭におかないと、本来のゲームデザインが持つ良さが濁ってしまう可能性があることは考慮しておきたい。
これからの「パリィ」はどうなる?
これから、とは『Clair Obscur: Expedition 33』 以後のことを指す。といっても『Clair Obscur: Expedition 33』 の発売は2025年であり、まだまだゲーム業界での劇的な刷新は望めないだろう。しかし、「Nextパリィゲー」と呼べるようなタイトルがいくつかある。
それが『炎姫』と『BAKUDO』と『Witch the Showdown』 だ。



この三作は「パリィ」を主軸に据えている。『SEKIRO』ライクと言えなくもないが、よりカジュアルにスポーツ感覚で採用している。「パリィ」を一発逆転のチャンスではなくゲーム進行の大前提とし「気持ちのいいパリィ」を追求している。「気持ちのいいパリィ」とは「誰でも成功できるパリィ」でもあり、その方法は「はっきりとした予兆を見せる」ことだ。
「はっきりとした予兆」はデフォルメされたレーザービームのように、露骨なサインとして表現される。この露骨さを許容するにはアニメ的な世界観だと都合がいい。フォトリアルな見た目で予兆がびかっと光るとやや違和感があるが、アニメ的ビジュアルなら自然になる。
卵が先か鶏が先かという話ではあるが、「パリィ」をカジュアルに楽しめるように先鋭化したタイトルがいずれもアニメ的ビジュアルを採用しているのは興味深い。
今回は語るのを省くが、中国のゲームは『崩壊3rd』を始めとしてプラチナゲームズのバトルシステムを参考にしているケースが多い。『デビルメイクライ』のようなコンボ(というより『ベヨネッタ』だが)と『SEKIRO』のような「パリィ」と先に挙げた三作のような「デフォルメされた予兆」を組み合わせることで爽快感とカタルシスのあるバトルを達成している。今後も要注目だろう。ただ、やや最適解に向かう傾向があるため、先に挙げた三作のようなオフラインソロゲーのほうが実験的で挑戦的なバトルシステムを追求しやすいだろう。
ということで、今回は「パリィ」の導入事例や歴史、その魅力や将来について語ってみた。要素が多いため雑に流してしまった部分もあり恐縮だが、この記事をきっかけに「パリィ」の良さや難しさ、これからのゲームの差別化要素について考えてみてもらえると嬉しい。
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