PS4などのゲームがPS Plusのカタログから国内外でひっそりと削除されている。あるゲームは約130万円で売られるなど混沌のPS Store

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PS Plusの新サービスが日本で開始されてまもなく1か月。北米でも今月6月13日、ヨーロッパでは23日よりそれぞれ新サービスが開始された。新旧の人気作がサブスクリプションでプレイできることもあって早速新サービスを楽しんでいることだろう。しかし、一部のタイトルが突然サブスクリプションの対象外になったり、PS1タイトルが中古車並みの価格で販売されたりと、混乱が起きているようだ。


特に話題になっているのは、 北米向けのPS Plus エクストラ/プレミアムプラン加入者向けのゲームカタログだ。ゲームカタログに収録された作品は、エクストラ以上のプランに加入しているプレイヤーは追加料金なしでプレイできる。このゲームカタログの収録作品リストは事前に公開されていたが、リストのうち4作品がゲームカタログの対象外になっていたというのだ。

海外ゲームメディアのPlayStation LifeStyleによると、北米のPS Storeでゲームカタログの対象外になったのは『Evil Genius 2: World Domination』『妖怪学園Y 〜ワイワイ学園生活〜』『Yonder: The Cloud Catcher Chronicles』『428 〜封鎖された渋谷で〜』の4作品。『妖怪学園Y 〜ワイワイ学園生活〜』にいたってはストアページごと削除されており購入も不可能。それ以外の3作品については、現在PS Plusの提供対象ではなくなっており、ダウンロード版の販売のみになっている。いずれもプランの対象外になることについて事前に発表されておらず、あわせて公式サイトのゲームカタログ一覧からも削除された。これらの事態が発覚した6月23日といえば、ヨーロッパでの新PS Plusサービスが開始された日。何か関連がありそうだが、なぜ同時期に北米でこれらの作品がサービスから外されたのか、具体的な理由は明らかになっていない。


実は、PS Plusのカタログからゲームが消えているのは北米だけではない。日本でも、いくつかのタイトルが消失している。ゲームカタログの収録作品は、本体からPS Storeにアクセスして閲覧するのとは別に、PlayStation.com上でも公開されている。そこでウェブアーカイブを利用して、6月1日時点(日本での新サービス開始前)と6月27日時点の掲載作品を比較調査した。結果、日本向けゲームカタログから以下の4作品がリストから削除されていた。

・『シティーズ:スカイライン PlayStation®4 Edition』
・『仁王』
・『PROJECT CARS 2』
・『Project CARS 3』


このページには、「ゲームカタログの内容は時期やサブスクリプションプランにより異なります。」「今後さらに多くのタイトルが追加される予定です。利用可能なゲームリストの最新情報は、ご利用のPS5またはPS4でご確認ください。」とある。あくまでも参考程度に、ということかもしれないが、このページはサブスクリプションに未加入の状態でも閲覧できる。リストの掲載作品を見て加入したプレイヤーが、目当てのゲームをプレイできないという事態になることは十分にあり得るだろう。

リストの内容、および実際の配信状況は予告なしに変わる可能性がある。また、リストから消えた『仁王』がストアページ上ではゲームカタログ対象になっているなど、リストと配信状況が一致しない場合もあるため、現在のゲームカタログ対象作品は、HPを見るだけでなく自身でストアを確認いただきたい。

国内で起きている例はほかにもある。初代PS〜PS3向けタイトルを収録したクラシックスカタログにおいても、このような「予告なしの作品削除」事例が存在。6月13日になり突如配信された『バイオハザード ディレクターズカット』が、後日削除されていたのだ。こっそり配信され、そしてこっそり削除されるという、珍事件が発生していたわけだ。

『レッド・デッド・リデンプション2』のストアページ。ゲームカタログ収録作品としてプレイできるのは9月20日までの予定


さらに奇妙な事態になっていたのが『鉄拳2』と『ミスタードリラー』だ。この2作品はPS Plus プレミアムプラン加入者向けのクラシックスカタログに収録されている。北米での新サービスが開始した6月13日、『鉄拳2』と『ミスタードリラー』がPS Store上で、9999ドル(約130万円)で販売されていると話題になった。PS Plusプレミアムプランの10年分以上の価格であり、明らかな設定ミスである。この衝撃的な価格は『鉄拳』シリーズのプロデューサーである、バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏の目にも留まった。原田氏は「驚きの価格だ、ソニー」とツイート。当然だが、決して原田氏がこの価格を設定した訳ではないようだ。


後日23日には、『鉄拳2』がヨーロッパ向けとオーストラリア向けとにそれぞれ360ユーロ(5万1000円)/600オーストラリアドル(約5万5000円)でストアに並んだ。北米向けストアからまた別の、異常な価格設定になっている。北米向けの9999ドルの『鉄拳2』を見ていたユーザーからは「セールじゃん」と指摘されるなど、立て続けの設定ミスにプレイヤーからは大いにツッコミを受けた。現在はいずれも価格設定そのものが削除され、クラシックスカタログでの配信のみになっている。

北米PS Storeの6月27日時点の画像。価格設定は削除されたが、他のクラシックスカタログ収録作品にはない謎の「−100%」の表示が確認できる


タイトル管理・値段管理ともにぐだぐだっぷりが見られるPS Plus/PS Store管理。ゲームカタログの収録作品は700作品以上。さらに国や地域ごとにプランの対象作品が異なることが、SIE側の混乱を生んだのかもしれない。とはいえ、あくまでソフトメーカーのタイトルを預かる身である。また加入するユーザーに正しい情報発信をする必要もある。今後もゲームカタログには順次作品が追加される予定。扱い領域はどんどん増えていく。ソフトメーカーのタイトルを預かる身として、今後管理体制が向上されることを祈りたい。

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