『原神』にて、“トルネードバグ復活”が注目浴びる。伝説のシャンリンロケット再打ち上げ

 

オープンワールドARPG『原神』にて、かつて多くのファンの注目と笑いを誘った「トルネードバグ」が復活したようだ。特定の環境を用意する必要はあるものの、ふたたびキャラが空中をかっ飛ぶ姿が見られる。

『原神』はmiHoYoが手がけるオープンワールドアクションRPGだ。本作は世界やキャラクターが3Dで描かれており、岩山を登ったり、滑空したりとアクションの自由度も高い。そのため、ゲーム内での奇妙な挙動やバグが発見されることもしばしばだ。そして、かつて国内Twitter上にて一時話題をさらった不具合が「トルネードバグ」である。同バグは、キャラクターが延々と猛スピードで滑空しつづける現象だ。発見当時には、本作キャラクターである香菱(シャンリン)が、竜巻の如くきりもみ回転してどこまでも飛んでいく様子が話題となった(関連記事)。そのため、「シャンリントルネードバグ」とも呼ばれ、ユーザーから親しまれていたのだ。


同バグは、一定の操作をおこなうことで、キャラクターにとっての“下方向”の軸を“横方向”にずらすのが鍵だった。キャラが横倒しになることにより、本来は地面、すなわち下方向に向かうはずの落下攻撃を水平方向に繰り出せてしまう現象だ。つまり、着地すべき地面が存在しないため、ほぼ無制限に空中を“落下”させることが可能だったのだ。しかし同バグは、発見の後に修正された。キャラクターの軸ずらしが封じられてしまったのだ。

しかし、そんなトルネードバグが復活したとの報が、現在Twitter上の『原神』ファンたちの間を駆け巡っている。同バグを再現したのは、国内YouTuberのサディスティックS氏だと見られる。同氏は2月14日、自身のTwitter上にて、復活したトルネードバグの様子を動画にて投稿。同ツイートは記事執筆現在で1万件以上のリツイートを集めており、多くの反響が寄せられている。


同動画では、シャンリンがたしかに往年の姿を見せている。ドリルの如き回転の角運動量と美しき等速直線運動は、まるでこの世の奇跡のようだ。筆者もこうしてはいられないと思い、同現象の検証に乗り出した。まず、サディスティックS氏の動画では、自由にユーザーが建築物などを設置できるハウジング要素「塵歌壺」を利用している様子がわかる。また、同氏は発射の土台として、石のブロックである“疑石土台-「時機到来」”を配置。その上に道の舗装用タイルである“疑石土台-「修身研磨」”を利用していると見られる。ブロックとタイルの間に微妙な隙間を設け、その上にNPCを配置して発射台としているのだ。

筆者も再現を試みたものの、普通に配置しては隙間が作れなかった。そこで、自由に高度を変えられる浮島を用いることで、サディスティックS氏の作った“発射台”を再現した。発射を見守るオペレーター兼バグ再現用のNPCとしては、璃月地方より鍾離氏と凝光氏を配する。なんとなく人間を発射することに抵抗がなさそうな2名として選出させて頂いた。試行錯誤の末、どうにか発射台の建造に成功。動画とほぼ同様の環境が整った。手順としては、岩登りのモーションを利用して狭い隙間に入り込み、タイルを挟んだNPCと会話することで、キャラクターを横倒しにする仕組みのようだ。


隙間に入り込みと鍾離氏の会話が終了すると、シャンリンは見事に横倒しに。期待を高めつつ、ジャンプおよび攻撃ボタンを連打してみるものの、なかなかシャンリンは発射されてくれない。移動入力などもしてみたところ、発射台から追い出されてしまった。また、一度はシャンリンが入ってはいけない場所にめり込んだのか即死した。それでも諦めきれず、何度も試行を繰り返すうちにその時は訪れた。シャンリンが、猛烈に回転しながら西の空にむけてテイクオフしたのだ。


あまりの速度に、シャンリンはまたたく間にマップ外へ。相棒であるパイモンも必死で警告を発するものの、清々しい表情のシャンリンはまったく意に介さない。どこまでも飛んでいき、ハウジング空間「塵歌壺」を突き破って飛び出しそうな勢いである。しかし、発射角度がやや甘かったためか、やがて着水。心配げなパイモンに付き添われつつ、泳いで島に戻っていくこととなった。久しぶりにシャンリントルネードを決めた彼女の顔は、心なしか晴れやかに見えた。


なお、話しかけるNPCは鍾離氏と凝光氏どちらでもトルネードを再現できた。一方で使用キャラについては、シャンリンでは何度か発射に成功したものの、ほかのキャラクターでは再現できなかった。本作ではキャラクターの体格などもそれぞれ違っており、攻撃モーションも変わってくる。そのため、発射台の調整が必要となったり、そもそも発射に適していないキャラもいるのかもしれない。また、今回の検証範囲内では、ゲームのクラッシュや後に残るゲームへの悪影響などは見られなかった。

また、筆者による検証では発射成功率もまちまちで、正確な再現条件は割り出せなかった。前述のサディスティックS氏によるYouTubeチャンネルでは、『原神』における数々のバグの検証・紹介がなされている。今回蘇ったシャンリントルネードについても、いずれ同氏により解説されるかもしれない。

『原神』は、PlayStation 4/PlayStation 5/PC/iOS/Android向けに基本プレイ無料で配信中。この機会に、自分だけのシャンリンロケットを飛ばしてみるのもよいだろう。




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