『スカイリム』で嫌われNPCを毎日殺め続けるプレイヤー出現。『TES』新作が出るまで射る、斬る、殴る、果てはナゼーム大量放牧

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The Elder Scrolls V: Skyrim(以下、スカイリム)』にて、毎日特定NPCを殺害し続けるプレイヤーが現れた。新作である『The Elder Scrolls VI』が発売されるまで、死体を積み重ね続けるというのだ。新作を待ち焦がれるゆえの奇行は、すでに100日以上続いており殺害手段も多彩になっている。
 

 
『スカイリム』は、Bethesda Softworksが手がける人気オープンワールドARPG。2011年に発売され、昨年11月11日にリリース10周年を迎えた長寿作品だ。自由度の高いシステムが魅力のひとつで、現在でも多くのプレイヤーが思い思いに同作の世界で過ごし、ユーザー制作Modも多数あり根強い人気を誇っている。一方で、2018年には新作である『The Elder Scrolls VI』の開発も発表され、ファンたちは発売時期などの続報を待ち焦がれている。

そして、新作に焦がれるあまり、『スカイリム』にてNPCである「ナゼーム」を毎日殺害し続けているプレイヤーが存在する。YouTube投稿者のSidek氏だ。同氏は昨年9月18日より「『The Elder Scrolls VI』が出るまで毎日ナゼームを殺す」と題した動画を自身のチャンネルに投稿し続けているのだ。記事執筆現在で、138日間にわたり日替わり殺害動画が投稿されている。一連の動画ではさまざまな手法で、ナゼームの命が奪われている。最初は「魔力の弓で頭を射抜く」「斬りかかる」などシンプルな手口だった。しかし4日目には一気に手法がエスカレートし、魔法でナゼームを妻であるアハラムごと消し炭に。ほかにも素手での殴殺や、モンスターを召喚して殺害するなど手口も多彩で、犯行現場も町中や寝室などさまざまだ。
 

 
さらにSidek氏は、ナゼーム側にも趣向を凝らしていく。20日目にはModを利用してか、「画面を埋め尽くす大量のナゼーム」なるナゼームキラー垂涎の光景を実現。魔法でノースウォッチの衛兵もろとも一網打尽に殺害している。いつ頃からか殺害シーンの“屋外ロケ”も増え、さらにはナゼームのいる船に潜入して殺害する一部始終を収めた動画など、ストーリー仕立てのナゼーム殺害ビデオも増加傾向に。妙な方向にクリエティブさが加速し続けているのだ。印象深い回として73日目には、広い大地に放牧した大量のナゼームをいろいろな魔法で仕留めるナゼーム狩りを実施している。ここまで来ると、Sidek氏は実のところ、ナゼームを愛しているのではないだろうかとまで思えてくる。
 

 
しかし、なぜ数多くのNPCが登場する『スカイリム』のなかで、ナゼームが標的にされたのだろうか。答えは単純だ、ナゼームは同作でも屈指の嫌われ者NPCなのである。ホワイトランの町に居住する彼は、プレイヤーとすれ違う度に嫌味ったらしい一言を投げかけてくる。内容としては、自身の所有するチルファロウ農場がいかに成功しているかの自慢のほか、「雲地区には頻繁に行くのか?おっと、バカな質問だったな。もちろん、行かないに決まっている」との一言が有名だ。

雲地区は、ホワイトランの首長が住まう王宮を擁する地区である。つまり、ナゼームはプレイヤーに「お前のようなやつは、俺と違って名士や権威とは縁がないだろうな」と自慢と侮辱を兼ねた嫌味を投げかけているのだ。ホワイトランはプレイヤーがよく訪れる土地であり、ナゼームは話しかけてもないのに自慢してくる。毎日殺されるほどかは疑問ではあるものの、嫌われて当然である。余談ではあるが、筆者が本稿執筆に伴い『スカイリム』を起動したところ、ロードした瞬間ナゼームが遠くから歩いてきて上述の一言をぶつけてきた。
 

 
そんなナゼームは嫌われ者として、本作の海外ファンの間で一種のミームとしても扱われている。また、ナゼームをテーマにしたModも豊富だ。Mod投稿サイトNexus Modsでは多くのナゼーム関連Modが見られ、ナゼームがいろいろな扱いを受けている。例としては、ナゼームへの暴行や殺害および窃盗などを衛兵が無視し、さらにはホワイトランの住人がナゼームを侮辱するMod「No one cares about Nazeem」や、ナゼームを牢屋にぶちこむMod「The Fall of Nazeem」のほか、ナゼームを召喚可能な自爆兵器化する「Nazeem Bomb」などがある。

一方で、逆にナゼームの戦闘力を超強化する「Nazeem is the Ebony Warrior」や、Modかどうかは微妙なものの『スカイリム』のプログラムアイコンをナゼームの弾ける笑顔に変える「Nazeem desktop shortcut icon replacer」なども存在する。ともかくナゼームは、その“ウザさ”から本作ファンの愛憎を受け止めるキャラクターなのだ。Sidek氏がナゼームをターゲットに選んだのも、「『スカイリム』の嫌われ者」としてのナゼームの存在感ゆえだろう。
 

 
なお、『The Elder Scrolls VI』については前述の通り正式発表から約3年半が過ぎた。同作についての情報は限定的であり、焦れてややおかしくなるファンがいても不思議ではない。Sidek氏の奇行は、そうしたファンの期待度を示す側面もあるだろう。同氏の願掛けによって開発は早まらないだろうが、あまりナゼームの死体が積み上がらないうちの続報発表に期待したい。

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