サイバーパンク配達ゲーム『Cloudpunk』PC版に車両運転時の一人称視点モード実装。ネオン色に輝く大都市を運転席から鑑賞

 

ドイツのデベロッパーION LANDSは10月27日、サイバーパンク配達ゲーム『Cloudpunk』のPC版アップデートにて、車両運転時の一人称視点モード(コックピット視点)を追加したことを発表。フリールックにも対応し、空飛ぶ車両が飛び交う大都市ニヴァリスを新たな視点から堪能できるようになった。


同作では今年6月、歩行移動時の視点切り替え機能が追加された。カメラのズームイン/ズームアウトによって、歩行時のカメラを一人称視点/三人称視点へとシームレスに切り替える機能であり、ボクセルスタイルで描かれたサイバーパンク世界を、より細部に至るまで鑑賞できるようになった(関連記事)。それまで遠目でしか確認できなかった小型ロボットの造形やお店の内装など、新たな発見をもたらす新機能。ただ、プレイ時間の多くを過ごす車両運転時の視点切り替えに関しては、実装に時間を要していた。

そしてこのたび、待望のコックピット視点がついに登場。雨が滴り落ちる大都市を、空飛ぶ車両の運転席から眺めながら運転できるようになった。カメラは運転中いつでも切り替え可能。しっかりと車両の内装も描かれているほか、ハンドルやワイパーの動き、雨雫がフロントガラスにあたる音、サイドミラーでの後方確認など、コックピット視点用にいろいろと作り込まれている。飛行車両ということで、下方を確認できるフロアガラスもあり。


筆者としては、窓に当たり、滴り落ちていく雨の表現に関心が向いた。通常の三人称視点での運転でも十分に景観を味わいながら運転できるのだが、コックピット視点ならではの雨のエフェクトや音の表現は、ハンドルを握る行為に没入感をもたらしていると感じた。車両をぶつけてダメージを蓄積するとフロントガラスにひびが入り、視界が悪化するという細かな表現も。歩行移動時の一人称視点が追加されたとき以上の、新鮮な感覚で本作を遊べるはずだ。

そのほか最新のアップデートでは主人公のアパートメントもアップグレード。ピザを食べたり、水槽を眺めたり、TVをつけてレトロゲームを遊んだりと、インタラクトできるオブジェクトが増えた。なお今回のアップデートはあくまでもPC版を対象としたもの。10月に発売されたNintendo Switch/PlayStation 4/Xbo One版は、パブリッシャーのMerge Gamesがハンドリングしており、まだ対応についての予定は明かされていない


『Cloudpunk』は、大都市ニヴァリスを舞台に、反合法的な配達会社クラウドパンクの新米配達員ラニアとして、配達の依頼をこなしていくサイバーパンク配達ゲーム。元愛犬・現オートマタのカミュやラニアの上司、変わり種のクライアントたちと会話しながら、大都市内を飛行車両もしくは徒歩で移動し、指定された場所まで荷物を運ぶ。そうしたルーティン業務をこなす中で、企業の陰謀や暗躍するハッカーといった、街に隠された秘密に迫っていく。怪しい日本語の看板や、ラーメン・餃子といった食文化など、サイバーパンク世界らしい描写が詰まった作品だ。

なお10月に発売されたコンソール版、とくにNintendo Switch版に関しては、描写距離の設定がかなり低く、スカイボックスや空の表現の違い、行き来する車両の少なさなども影響し、見どころであるニヴァリスの街並みを存分に堪能しづらくなっている。開発元ION LANDSのMarko Dieckmann氏は、Nintendo Switchへの移植はさまざまな要因によって困難を極めたとTwitter上で発言。パフォーマンスを改善できるよう、移植を担当したMerge Gamesに協力したものの、ハードウェアの限界は免れなかったと伝えていた。

PC版(上)とNintendo Switch版 TVモード(下)では描写距離が大きな違いとなっている


コックピット視点が追加されたPC版の『Cloudpunk』は、Steamにて10月29日まで33%オフのセールを実施中。通常価格2200円のところ1474円で購入できる。日本語にも対応。同作は今後もアップデートが継続され、新たなキャラクターが登場するストーリーコンテンツ、車両製造機能、レースミッションの追加も予定されている