『ダークソウル』に限りなく似せ尽くしたARPG『NOSE』無料配布中。フロムに“お祈り”された男の6年間の執念の結晶

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フロム・ソフトウェアが手がける高難度アクションRPG『DARK SOULS(ダークソウル)』。今や同社の看板タイトルのひとつであり、シリーズを通して多くのゲーマーから厚い支持を集めてきた。死と隣り合わせゆえの達成感、懐の深いビルド要素、徹底的に練られた世界観など、その魅力を挙げ始めるとキリがない。そして今では「ソウルライク」と呼ばれる、一大ジャンルを築くまでに至った。そんな中、『DARK SOULS』シリーズをリスペクトしてやまない人物により、また新たなソウルライク作品が生み落とされた。

個人開発者のrightkamo氏は6月7日、フリーゲーム配信サイトふりーむ!にて、ソウルライク3DアクションRPG『NOSE』を公開。ソウルライクと謳われているとおり、本作は入り組んだマップ探索や強敵との戦闘、キャラクターの育成など『DARK SOULS』シリーズにおけるコアシステムをベースに取り入れた作品となっている。舞台となるのは「鼻」が極めて重要な立ち位置を占める世界。プレイヤーは偉大なるケアナを求め、モンスターうごめく広大な地を渡り歩いてゆくのだ。

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まずゲームを開始すると、プレイヤーはキャラクター作成をおこなうことになる。最初に4つの素性の中から、ひとつを選択しよう。冒険者はもっともバランスの取れた素性だ。ほかには盗賊や鼻の信者、そして持たざる者が用意されている。持たざる者は初期ステータスがすべての分野において1だ。さらに装備も与えられない。他の素性と比べてかなり貧弱な、上級者向けのキャラクターと言えそうだ。ちなみに盗賊は敏捷性、鼻の信者は「鼻力」に長ける。素性ごとに初期ステータスと装備が異なるため、プレイスタイルに合った素性選びが重要となるだろう。

キャラクター作成を終えるといよいよ旅の始まりだ。プレイヤーは「いざないの辺境」と呼ばれるエリアで目を覚ます。操作方法については、フィールド上の各所に建てられた看板で確認できる。しばらく進むと敵が出現するので、操作の練習がてら倒していこう。また道中ではアイテムが落ちていることもある。「故も知らぬ豚鼻のケアナ」もそのひとつ。同アイテムは消費することで、経験値を獲得可能。貯めた経験値は「鼻の休憩所」と呼ばれるモニュメントの前で休憩することで、レベルアップに使用できる。ちなみにこのモニュメントで休憩をはさむと、体力とスタミナが全快し、回復アイテムの個数も元通りとなる。見かけたら必ず立ち寄ろう。


以上が『NOSE』における序盤の大まかなプレイ内容となる。もうすでにお気づきの方も多いことだろう。そう、この作品、あらゆる面で『DARK SOULS』に似せている。まずキャラクター作成について、持たざる者は同シリーズに登場する名物とも言える素性。たびたび縛りプレイや2週目のプレイなどで選ばれがちな玄人向けの弱弱しいタイプだ。それは『NOSE』でも選択可能とのことで、全ステータスが1から開始という部分まで同じ設定となっている。ただし持たざる者と言えど、『DARK SOULS』シリーズでは木の盾とクラブはスタート時から持ち合わせていた。だが『NOSE』の持たざる者には、何ひとつ装備品が与えられていない。本当に何も持っていない。

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そして次に注目すべきはUIおよびマップデザインにおける類似性の高さだろう。『DARK SOULS』では左上隅に赤の体力バー、その下部にスタミナバーという画面構成がシリーズを通して採用されているが、その見た目もそっくり。前述したキャラクター作成画面もレイアウトが似ている。ただし、誓約の部分にレベルが表示されている点は『NOSE』オリジナルの要素だ。一方マップデザインに関しては、『DARK SOULS』ファンであれば思わず唸ってしまうほどのオマージュ具合。立て看板が操作のチュートリアルを担っているさまは、同シリーズにおけるメッセージ機能を彷彿とさせる。さらにしばらく先に進むと、あの“引き返せ”の助言も。引き返さず進んだ先に何が待っているのか。ぜひ自身の目で確認してほしい。

そのほかアイテムの種類やネーミングが明らかに『DARK SOULS』シリーズから影響を受けていることや(「リース瓶」や「朽ちた直剣」など)、鼻の休憩所の役割が同シリーズでいう篝火の役割と同じこと、ロード時に挟まれるアイテムのフレーバーテキストに共通点が見られることなど、挙げるとキリがないほどに『NOSE』は徹底的に『DARK SOULS』シリーズをオマージュしている。では一体なぜ、本作はこれほどまでに同シリーズに似せられているのだろうか。

それはrightkamo氏のTwitterを覗けば分かるだろう。同氏は6月10日、『NOSE』の宣伝をTwitterに投稿。自身の開発したゲームとのことで、通常なら同作の宣伝文句やゲームのアピールポイントを広めたいところ。しかしrightkamo氏、なんと自身がフロム・ソフトウェアへの入社を希望し、面接を受けたこと、そして“お祈り”をくらってしまったことを明かしている。あわせて投稿された3枚の画像のうち、2枚は『NOSE』の画像。そのうち一枚はフロム・ソフトウェアからの選考結果のご連絡という、何とも切なさと『NOSE』にかける熱い思いが伝わるような投稿となっている。これをきっかけにrightkamo氏の『DARK SOULS』愛、ならびに『NOSE』開発への本気度が伝わったのか、現在該当のツイートは大きな反響を呼び、約8900リツイート/1.3万ものいいねを獲得している。

ソウルライクな作品自体は、これまでにもさまざまな開発スタジオからリリースされてきた。たとえばひと昔前の作品だと『Salt and Sanctuary』、最近では『CODE VEIN』などもソウルライクな作品に分類されるだろう。そのほかにも『DARK SOULS』シリーズからの影響が色濃く見られるゲームは数多い。一方でいずれの作品も同作のシステムをリスペクトしつつ、ゲーム全体にわたり開発会社オリジナルの肉付けやフレーバーでの味付けが施されていることがほとんどだ。そんな中、rightkamo氏の開発する『NOSE』は隅々まで『DARK SOULS』にあった要素をオマージュしており、ある種ソウルライクを地で行っている。もっとも本家に近いソウルライク作品とも言えよう。


一方で鼻をテーマとした奇天烈な世界観や敵や主人公のモデル、マップデザインなどは『NOSE』完全オリジナル。筆者がプレイした限り、こうした部分も抜かりなく作られており、「『DARK SOULS』にそっくりな作品」の一言では決して片づけられない作品に昇華させている。rightkamo氏曰く、本作の開発は1人で手掛けたという。また完成版の配信に至るまで、6年もかけたようだ。以上のことから同氏は『NOSE』を渾身のアクションゲームとも述べており、プレイすることで、その熱量と努力、そして『DARK SOULS』シリーズへの並々ならぬ尊敬の念と愛情が伝わることだろう。推定プレイ時間も5~10時間とのことで、フリーゲームとしてはボリュームたっぷり。『DARK SOULS』ファンの方はもちろん、アクションゲームが好きな方も一度遊んでみてはいかがだろうか。

『NOSE』は現在ふりーむ!にて配信中。対応OSは Windows 7/8/10(各64bit)。なお6月7日より公開された『NOSE』は、2017年に配信された同作の旧バージョンからブラッシュアップを重ねた最新版となっている。旧バージョンも公開されているため、最新版を遊びたい方はお間違えのないように。

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