『レインボーシックス シージ』は次世代機にも対応、世代間のクロスプレイ実現を目指す。ただし他コンソール間はプラットフォーマー次第


Ubisoftは2月17日、カナダのモントリオールで開催されたプレミアイベント「Six Invitational 2020」にて『レインボーシックス シージ』におけるYEAR5およびYEAR6のロードマップを公開。その発表のなかでは、本作の次世代機への対応についても言及されていた。そしてこの度、海外メディアWindows Centralを通じて、ゲームディレクターのLeroy Athanassof氏が次世代機に向けたローンチ、付随してクロスプレイに関する今後の展望を明かした。

今回のAthanassof氏のインタビューによると、次世代機に対応した『レインボーシックス シージ』はPS5/Xbox Series Xのローンチタイトルとしてリリースする予定だという。現在YEAR5およびYEAR6におけるコンテンツの開発には、数百人規模のチームを投入しており、また、シーズンの方針転換に伴うゲームシステムの刷新にも注力しているようだ。おそらく次世代機への対応に向けた取り組みも、そうした開発の一環としておこなわれているのだろう。

ただし次世代機版『レインボーシックス シージ』の発売時期については、現時点で明確には決まっていないようだ。というのもローンチタイトルとして出す場合、当然だがPS5/Xbox Series Xの発売日次第でソフトのリリース日も変わる。両機種ともに今年度末の発売が予定されているものの、正確な発売日は明かされていない。この状態で次世代機版の発売日を決めることはできないというわけだ。最終的なローンチの計画は、ソニーとマイクロソフトの今後の動きに委ねられているとAthanassof氏は述べている。

また今回のインタビューでAthanassof氏は、本作のクロスプレイについても言及している。まず次世代機と旧世代機の間におけるクロスプレイについては、今後対応を予定しているとのこと。もし実現された場合、PS4/PS5またはXbox One/Xbox Series X間での協力・対戦プレイが可能となる。PS5/Xbox Series Xともに旧世代機との後方互換を有することが明かされていることもあり、新旧コンソール間でのマルチプレイについては開発元としても前向きに検討しているようだ。

また、次世代機と旧世代機間でのクロスプレイの対応を積極的に考えている理由として、新旧コンソール間におけるプレイヤー人数の分散を挙げている。Athanassof氏は、PS5/Xbox Series Xの発売とともに次世代機版『レインボーシックス シージ』に移行するプレイヤーがいる中、現行機に残り続けるプレイヤーと遊べなくなりコミュニティが分断してしまうことを懸念。そうした事態を避けるためにも、世代を超えたクロスプレイへの対応を検討しているとのことだ。

一方で異なるプラットフォーム間におけるクロスプレイ、つまり現行機で例を挙げるとPS4/Xbox One/PC間でのマルチプレイの対応は予定されているのだろうか。これについてAthanassof氏は、導入するための準備は整っていると述べている。しかし、異なるコンソール間でのクロスプレイについてはソニーとマイクロソフトとの話し合いによって実装の有無が決まるため、スタジオの一存では対応を断言できないという。現在も両社と話し合いを続けているようだが、方針の相違によって生じる問題など、クロスプレイを実現するためにはまだまだ多くのハードルを越えていく必要があるようだ。

またPC/コンソール間でのクロスプレイについては、積極的には対応を検討していないとのこと。理由としては、入力機器の違いが大きいようだ。マウス・キーボードとゲームパッドでは、操作感やゲーム内で出来ることが異なる。そのためPCとコンソール機のプレイヤーが対戦した場合、ゲームプレイにおいて不平等が生じる可能性が高い。くわえて『レインボーシックス シージ』は少人数制・復活不可など、同ジャンルの作品の中でもシビアなゲーム性を特徴としている。小さな差が大きな支障につながりかねないだろう。これらの点を踏まえると、PCとコンソール間でのクロスプレイの対応に関しては、難しいものがあるのだろう。

そしてインタビューの最後にAthanassof氏は、異なるプラットフォーム間におけるアカウントの連携についても述べている。たとえばPS4版『レインボーシックスシージ』を遊んでいたプレイヤーがPCやXbox Series Xに移行したとしても、解除したオペレーターやアイテム、そして成績などは全て持ち越せるようにしたいという。これにはプラットフォーム移行の敷居を下げる狙いがあるのだろう。

クロスプレイの対応についてはAthanassof氏も述べているとおり、コンソール機の開発・販売を手がけるプラットフォーマーとの談義のうえで成り立つものであり、決して容易に実現できるものではないのだろう。一方で次世代機への対応や、新旧コンソール間でのクロスプレイの対応など、今後のビジョンを伺う限り、開発元としてクロスプレイを推し進めていく姿勢は変わらなさそうだ。クロスプレイに関して、今後も開発元から何らかの動きがある可能性は高いだろう。