任天堂が『カービィのエアライド』を商標出願。しかし、数ある旧作の商標出願のひとつ

 

任天堂が1月15日、「KIRBY AIR RIDE」を商標出願していたことが明らかになった。『カービィのエアライド』は、2003年7月にニンテンドーゲームキューブ向けに発売されたレースゲーム。桜井政博氏が中心となりHAL研究所が開発を手がけ、「星のカービィ」とレースゲームを組み合わせながらも、独自の魅力を持つタイトルに仕上げられており、高い評価を獲得した。その『カービィのエアライド』の商標が出願されたことで、Twitterでは「カービィのエアライド」がトレンド入り。Nintendo Switch向け新作発表などが期待されているわけだ。

しかしながら、その可能性は高くないかもしれない。というのも、任天堂は1月15日に39もの作品(もしくはそれ以上)を商標出願している。 Japanese Nintendoがそれらを列挙しているので、あらためてそれらを引用し記載する。

・Freaky Forms
・Kirby’s Adventure
・Kirby Air Ride
・Kirby 64 The Crystal Shards
・Kid Icarus
・Jam With The Band
・Golden Sun Dark Dawn
・Dillon’s Rolling Western The Last Ranger
・Face Raiders
・Eternal Darkness
・Majora’s Mask
・Card Hero
・Balloon Kid
・Animal Crossing City Folk
・Alleyway
・WarioWare Smooth Moves
・Wave Race
・Mario Sports
・Mario vs. Donkey Kong Mini-Land Mayhem!
・Urban Champion
・The Wind Waker
・The Adventure of Link
・Swapnote
・Super Mario World
・Super Mario Sunshine
・Steel Diver
・Spirit Camera
・Kirby Mass Attack
・Skyward Sword
・Shadows of Almia (Pokémon Ranger)
・Radar Mission
・Pushmo
・Pullblox
・Phantom Hourglass
・Ocarina of Time
・Nintendo Presents Style Boutique
・Nintendogs + Cats
・Mario vs. Donkey Kong Minis March Again!
・Cruis’n.

いずれのタイトルもしばらく前に発売された旧作である。『カービィのエアライド』だけでなく、『あつめて!カービィ』や『星のカービィ64』といったシリーズ作品が確認できるほか、『パルテナの鏡』に『時のオカリナ』といった豪華な面々が並ぶ。これらがすべて新作発売のために出願された、というわけではないだろう。また注目してほしいのは、これらのタイトルはすべて英語のゲーム名であるということ。ちなみに、これらのほとんどのタイトルはすでに日本語で商標登録されている。たとえば『カービィのエアライド』は2003年に登録された後 更新されており、存続期間満了日は2023年12月。少なくとも、今回の商標出願は新規のものであり、日本語タイトルの更新ではない。

特許情報プラットフォームより、 2020-004189 と検索することで確認できる
特許情報プラットフォームより、 2020-004189 と商標を検索することで確認できる

任天堂の商標登録および出願は海外でもしばしば話題になるが、『ウェーブレース』の更新などを代表に、商標登録および出願が新作発表につながるというケースはあまりない。日本の商標権は海外で有効になることはないとされており 、英語名が日本で商標出願される点については謎が残るが、訴訟対策の可能性が考えられるだろう。

商標出願や更新によって旧作の話題がのぼり、楽しかった思い出やゲームの魅力などを共有するのは貴重な機会。しかしながら、商標出願は新作を示唆しているとは限らない。生みの親の桜井政博氏が、『スマブラSP』の開発で多忙であるということも、忘れてはならない。そうした情報を念頭に置き、誤った情報を拡散しない姿勢を持ちながら、旧作の素晴らしさを語り合いたいところだ。

【UPDATE 2020/1/28 13:10】
タイトルおよび本文の「商標登録」を「商標出願」へと修正