Ubisoftが全PvPタイトルでのクロスプレイ対応を目指す。なお上半期営業利益は『ゴーストリコン』新作の減損処理が影響し、前年同期比9割減

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Ubisoftは10月30日、2019-2020会計年度上半期の業績報告を公開(PDFリンク)。あわせて実施された投資家向けの収支報告にて、Ubisoft CEOのYves Guillemot氏が同社タイトルのクロスプレイ対応について言及。Ubisoftがパブリッシングしている基本プレイ無料タイトル『Brawlhalla』にてPC/Nintendo Switch/PlayStation 4/Xbox One間のクロスプレイ対応を実現したことを受け、将来的には自社が手がける全てのPvPタイトルでクロスプレイを実現することを目標にしていると語った(GamesIndustry.biz)。

Ubisoftの主力タイトルの多くには、何かしらのPvP要素が含まれている。具体的には『レインボーシックス シージ』『ディビジョン2』『ゴーストリコン ブレイクポイント』『フォーオナー』など。他社タイトルでは近年、『フォートナイト』『ロケットリーグ』『Dauntless』『Call of Duty: Modern Warfare』など複数プラットフォーム間のクロスプレイを実現しているタイトルが増えつつある。Ubisoftのタイトルも、クロスプレイ対応が当たり前になる日がくるのだろう。

『ディビジョン2』

なおUbisoftは24日、今回の業績報告に先がけて2019-2020会計年度の財務目標を更新。『ディビジョン2』『ゴーストリコン ブレイクポイント』の不振を踏まえた開発体制の見直しにより、今期発売予定となっていた『ウォッチドッグス レギオン』『Rainbow Six Quarantine(レインボーシックス クアランティン)』『Gods & Monsters』が揃って発売延期。収支予測が大幅に下方修正された(関連記事)。

新作が不調気味な一方、過去作のセールスは好調であると伝えられている。特に『アサシン クリード オデッセイ』『レインボーシックス シージ』が売上を牽引。後者に関しては、第2四半期に月間アクティブユーザーの最高記録を更新し、累計登録プレイヤー数は5000万人を突破したと、30日の業績報告にて記載されている。結果、第2四半期の非IFRSベースでの年間売上高は前年同期比4.9%減の3億4690万ユーロとなった。これは目標値の3億1000万ユーロを上回る数値である。

『アサシン クリード オデッセイ』

上半期の非IFRS年間売上高は6億6110万ユーロであり、そのうち5億1160万ユーロが過去作から生じたものだ(全体の77.4%)。なおデジタルセールスの売上比率も上昇しており、前期上半期が69.6%であったのに対し、今期上半期は81.2%となっている。ただし非IFRSベースの営業利益は690万ユーロで、前年同期比93.8%減。この営業利益の極端な低下は、『ゴーストリコン ブレイクポイント』の減損処理の結果であると明記されている。24日の報告でも触れられたように、同タイトルの収益性が大幅に下落したのだ。

続く第3四半期の非IFRS売上高予測は、前年同期比32%減の4億1000万ユーロ。『アサシン クリード オデッセイ』が発売された前年同期とは異なり、主力タイトルの『ゴーストリコン ブレイクポイント』が不振。そのほかの新作リリースも『Just Dance 2020』『アサシン クリード リベルコレクション』など少ないことを踏まえて、低い着地予測になっていると思われる。

大幅な計画変更を余儀なくされたUbisoftではあるが、今後は次世代機の発売が控えているほか、アジア市場への本格参入、中国テンセントとのパートナーシップにもとづく各種フランチャイズのモバイル展開など、複数分野での成長が見込めるとGuillemot氏は説明。健全なバランスシート、類まれなるプロダクション規模、最高峰の開発チーム、高い適応能力から、Ubisoftの今後に自信を覗かせている。

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