『Fallout』シリーズ5作品を89分でクリアする猛者現る。汚染された地をダッシュとワープで高速横断

 
Image Credit : tomatoanus

『Fallout』シリーズ5作品をわずか89分でクリアしたプレイヤーが現れた。EurogamerPC Gamerが報じている。プレイヤーの名はtomatoanus氏。対象となったのは1997年に発売された一作目『Fallout』から、『Fallout 2』、『Fallout 3』、『Fallout: New Vegas』、『Fallout 4』までの5作品だ。これらのすべての作品を通しでプレイし、89分47秒で『Fallout 4』のエンディングまでたどり着いている。

tomatoanus氏が今回プレイしたルールはAny% Main Series(クリア率を問わないメインシリーズクリア)。難易度はイージーで、Modは不使用。さまざまな工夫と巧みなテクニックにより、驚異的なタイムを叩き出している。具体的なタイムとしては、『Fallout』が5分24秒、『Fallout 2』が18分2秒、『Fallout 3』が33分15秒、『Fallout: New Vegas』が13分39秒、そして『Fallout 4』が42分近くを要している。

では具体的に使われたテクニックやコツをご紹介しよう。シリーズ全般的に重要になるのが、素早い移動だ。『Fallout』と『Fallout 2』での移動はクリックに頼ることになるが、一定間隔でクリックすることで素早い移動が可能になる。0キーで会話を無理やり終わらせ、扉開けをクイックセーブで短縮し、迅速にエリアを駆け抜けた。

『Fallout 3』のポイントは、クイックセーブとクイックロードの巧みな利用にある。同作では、クイックロードをした瞬間の10フレームは会話中のダイアログ、壁やオブジェクト判定などあらゆるものを無視できる。氏はストーリー上の多くのシナリオ、高所からダメージ判定などをこのクイックセーブとクイックロードを駆使し、障害を無視することに成功している。さらに注目したいのが、移動速度向上グリッチ。Vaultを脱出したプレイヤーは崖から飛び降りると、足を怪我して移動速度が60%ダウンする。そして怪我を治すと60%上昇して元の移動速度に戻る。しかし、移動速度100%の段階でセーブしておき、崖から飛び降りて怪我をした絶妙なタイミングでクイックロードすると、健康であるにもかかわらず移動速度60%上昇効果が適用され、160%まで移動速度が上がる。このグリッチにより高速移動を実現したプレイヤーが、ウェイストランドを快走する姿が確認できる。

29:20頃から確認できるリトル・ランプライトから地底へとワープするシーンは、『Fallout 3』のスピードランの見どころだ

『Fallout: New Vegas』では、英語より4秒速くクリアできるというイタリア語でプレイ。前作と同じようにクイックセーブとクイックロードをうまく使い煩わしい会話をすり抜けていく。『Fallout: New Vegas』で重要になるのは、グリッチのひとつReload Dashingだ。手っ取り早くいえば、銃器を手にしリロードしている間にPipBoyを呼び出し、解除するとプレイヤーがロケットのように飛んでいくというもの。やや複雑なコマンド入力が必要になるが、このグリッチを使いこなし15分以内のクリアを実現した。

『Fallout 4』はというと、英語より11秒速くクリアできるといわれているフランス語を選択。同作で鍵をにぎるのはやはりグリッチ。カバーモーションを利用したcoverslide、VATSを利用したpunchwarpingで長距離ワープを実現。さらにクイックセーブとクイックロードを利用したloadwarpもあわせて広大なフィールドの横断に成功。さまざまなテクニックやグリッチが存在するものの、本編が大ボリュームであるということ、そしてスキップできないさまざまなイベントが待ち受けているということで、なかなかに険しい道のりがプレイヤーを待ち受けている。それでも氏は集中を切らさず42分をかけて同作をクリア、見事に90分以内にマラソンを完走した。

ゲームデザインやシステムの異なる5作品を完走することも偉業であるが、89分という数字は特筆すべきものがある。リーダーボードに名を刻んだtomatoanus氏であるが、『Fallout 2』と『Fallout 4』には大きな改善の余地があると反省しきり。氏の次なる更新を見られる日は、そう遠くはなさそうだ。