Epic Games、約13億円を費やし作られた『Paragon』のアセットをUnreal Engine 4ユーザー向けに無料配布開始


Epic Gamesは、同社の手がけたタイトル『Paragon』のアセットをUnreal Engine 4利用者向けに無料配布すると発表した。すでにUnreal Engine マーケットプレイスから無料でダウンロード可能になっている。Unreal Engine マーケットプレイスで『Paragon』のパックをダウンロードすれば、これらのアセットを自身のプロジェクトで利用できるようになる。

『Paragon』はFree to Play型の5vs5の対戦ゲームだ。2016年3月より早期アクセスを開始していたが、4月26日にサービス終了を予定している。これまでのUnreal Engine 4のデモにもたびたび登場してきたショーケース的タイトルであり、先端技術が導入されている作品である。アセットの制作に使われた費用は1200万ドル(約13億円)にも及ぶ。そうした技術の結晶であるアセットが無料で使用可能となる。Unreal Engineのプロジェクトであれば、商用利用もできる。

今回公開された『Paragon』のアセットでは、キャラクター20体を利用できる。これにはスキンやメッシュ、テクスチャやVFX、アニメーションサイクルやダイアログも含まれるという。Shinbiというキャラクターにはアニメーションのブループリントが付いており、ニーズに合わせてカスタマイズもできる。またOTOYと3D Scan Storeの協力により、両社のフェイシャルのテクノロジーおよびボディスキャンのテクノロジーを利用した高品質のキャラクターマテリアルをそのまま今回の公開の一部として、利用できるとのこと。

さらには、背景のアセットも利用可能。Agora マップおよび Monolith マップのために作成された背景アセット 1500 以上が対象となっている。さらに、デベロッパーが自由に使ってカスタマイズできるサンプルマップも入っているという。無料公開は今回で終わりというわけではなく、Epic Gamesは数百万ドル相当の『Paragon』アセットパックを2018年春から夏にかけて追加公開するとしている。

Epic Gamesは、これらのアセットを利用する計画のある開発者に対して「『Paragon』のキャラクターを自身のプロジェクトにインポートしたい方は、まずアニメーション ブループリントが含まれている Shinbi から始めてみることをお勧めします」と呼びかけている。このブループリントは、『Paragon』に入っている他のキャラクターをアニメートさせるためのフレームワークとして利用することができ、サンプルマップも提供されているのでテストを行う時に役立つほか、よりカスタマイズされた背景を作成するための叩き台としても使うことが可能である、とその理由を説明している。

Epic Gamesがこうしたアセットを公開するのは今回が初めてではない。2015年には『Infinity Blade Collection』のアセットを同様に無料公開していた。こちらはもちろん、現在でもダウンロード可能。こちらに費やされた費用は300万ドルとされていた。今回の『Paragon』のアセット配布は、前回の配布を大きく上回るサービスであるといえる。今回に限らず、Epic Gamesはアセット配布を定期的におこなっているので、気になる方はアンリアルエンジンブログをチェックしてみてほしい。