“中国独自開発”の新グラボ「LX 7G100」、48時間で“3万件”の予約殺到し即完売。「コスパ微妙」とされるも大注目

22日の販売開始までに3万件の予約が入り、初回生産分の1000個は完売となったようだ。

Lisuan Tech(砺算科技)は5月20日、同社が製造するグラフィックカード「LX 7G100」の予約を開始。22日の販売開始までに3万件の予約が入り、初回生産分の1000個は完売となったようだ。

Lisuan Techは中国・上海に拠点を置くGPUメーカーだ。今年3月に上海で開催された技術展覧会「AWE 2026」では、Lisuan eXtremeシリーズのGPU製品ラインナップを発表。そのうちコンシューマー向けモデルである「LX 7G100」は、中国EC大手のJD.com(京東商城)で5月20日に予約が始まり、22日に販売開始となった。

「LX 7G100」は6nmプロセスで製造され、GDDR6メモリ12GBを搭載。コアや命令セットからアーキテクチャに至るまで、全てがLisuanの独自開発であるという。DirectX 12/Vulkan 1.3/OpenGL 4.6/OpenCL 3.0などの主要なグラフィックスAPIに対応。また、UnityやUnreal Engineへの対応もアピールされている。同製品のドライバーがマイクロソフトのWHQL認証を中国メーカーとして初めて取得したことも話題となった(関連記事)。

22日発売の初回生産分としては、Lisuan TechのCEOであるXuan Yifang氏の直筆サインとシリアルナンバーが入った「創始版(Founders Edition)」1000台が用意された。価格は3299元(約7万7000円)で、補助金を適用した価格は2969元(約6万9000円)だ。

価格に対する性能面では厳しい評価も下されている。同製品は当初「GeForce RTX 4060」とほぼ同等の性能であると予想されていたが、実際には「GeForce RTX 3060」と同等かそれ以下であるとのベンチマーク結果も出ている(Wccftech)。直近ではAI需要による影響もありグラフィックボードの価格を正しく比較することは難しいものの、性能が比較されている「GeForce RTX 3060」が2021年2月に発売された製品であることを考えると、コストパフォーマンスの面では優れているとは言いがたい。

しかし、Lisuan Techは5月22日、予約を受け付けてから販売開始までの48時間で、予約人数が3万人を突破したことを発表。初回生産分1000台はすさまじい競争率とともに完売となったようだ。ちなみにJD.comではこの時期「618商戦」とよばれる大規模なショッピングイベントが開催されるが、「LX 7G100」の売れ行きのおかげか、同イベントにおける当日のPC部門のブランド別ランキングでLisuan Techは6位に入ったとのこと。

同社は、国産GPUを試してみようと思ってくれたユーザーに向けて感謝を述べつつ、6月18日から始まる創始版の第2ロットの発売を楽しみにしてほしいと伝えている。現時点ではJD.comのみでの販売となっているが、前述したWHQL認証の取得などを踏まえると、グローバル展開がおこなわれる可能性もあるだろう。

ところで、先日おこなわれたトランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談後には、自国で開発したいとの理由から、中国当局ではNVIDIAのGPU「H200」の購入を承認しない方針が改めて示されたという。またこの訪中のタイミングで、中国向けGPU「GeForce RTX 5090 D v2」が中国で輸入禁止となったとの報道もおこなわれた(関連記事)。中国では国内の半導体産業を強化し、NVIDIAなど海外メーカー依存からの脱却を目指しているとみられる。「LX 7G100」はこうした状況のなかで発売された、中国独自開発のコンシューマー向けGPUという位置付けだ。製造元のLisuan Techが国家戦略を先導していくことになるか注目される。

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Shion Kaneko
Shion Kaneko

夢中になりやすいのはオープンワールドゲーム。主に雪山に生息しています。

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