任天堂は、かつてValveと共同プロジェクトについて話し合っていた。ゲイブ・ニューウェルの息子が証言


業界を代表するゲームメーカーである任天堂と、同じく大企業でありSteamを運営するValveは、かつて共同プロジェクトについて話し合っていたようだ。Valveの共同設立者ゲイブ・ニューエルの息子であるグレイ・ニューエルの証言により発覚している。Nintendo Everythingなどがその詳細を報じている。

YouTubeメディアValve News Networkは、1月28日よりライブストリームイベントを実施中。そのイベント中にはグレイ・ニューエルが出演していた。グレイはゲーム業界や父にまつわる興味深い話を語る。任天堂に関する話に話題が及んだ際にグレイ氏は、かつて任天堂とValveが協力しようとしていたことが明かされている(2時間22分15秒より)。

父は彼(岩田聡氏もしくは宮本茂氏。おそらく宮本氏を指している)と会いいくつかの共同プロジェクトについて話し合っていた。Wiiについての何かだったと思う。結局実現されなかったけどね。
 

思わぬ秘話が飛び出したことにインタビュアーは困惑。「それは言っていい話なのか?」と問いかける。これに対しグレイは「問題ないよ。おそらく7年前の話だし。カジュアルな話だ。」と答えている。またこの話題が出る前には、グレイ氏は当時日本におもむき、宮本茂氏と会い発売前に『スーパーマリオギャラクシー』をともに遊んだエピソードも披露している。前岩田社長と会ったことがあるかと問われた際には、ないとも答えている。

7年前もの話とはいえ、任天堂とValveが共同プロジェクトについて話し合っていたというのは、興味深い話である。任天堂とValveは家庭用ゲーム機とPCというプラットフォームだけでなく、発売ゲームや企業カラーとしても大きく異なる印象があるだけに、意外な組み合わせだ。では7年前の2011年に何が話し合われていたのだろうか。

ひとつ考えられるのは、『Portal』シリーズのコンソール展開について話し合われていた可能性だ。Valveはその頃にはまだ新作ゲームを開発しており、PlayStation 3やXbox 360にてタイトルを発売していた。両ハードで発売されたゲームというなら『Portal 2』が思い浮かぶ。こちらのタイトルは2011年に発売されており、その時期にWii版やWii U版についての発売を打診していたというのは考えられる話だ。

ちなみにゲイブ氏は同じく2011年に「Wii UはグラフィックパフォーマンスやCPUという点でパワーアップしており、私達のスケーラビリティモデルにフィットする。」「私達は常に任天堂を愛している。」と任天堂に対してラブコールを送っていた(Engadget)。任天堂とValveの間に何があったのかは謎のままであるが、ゲイブ氏の発言などを見ると2011年に何かが起こりかけていたことは間違いなさそうだ。

それから約7年が経過し、Valveは新作ゲームを出さずにVRプロジェクトやSteamの運営に専念。プラットフォームホルダーとして活動しているので、両社のコラボレーションはこれまで以上に実現は難しそうだ。とはいえ、両社が共同プロジェクトを進めていればどのようなものになっていたのか、気になるところだ。