80年代英国のテロ事件とジャーナリストの内部告発を描く1人称視点ADV『The Occupation』が正式発表

 

英国のゲーム開発会社White Paper Gamesは3月22日、1人称視点のナラティブ・アドベンチャー『The Occupation』を正式発表した。対象プラットフォームおよびリリース時期は未定となっている。

ときは1987年10月24日。英国北西部にて、ひとりのジャーナリストによる内部告発が国家の運命を左右しようとしていた。ゲーム内容の多くは謎に包まれており、現時点で判明している情報は少ない。23人の死者を出したテロ事件が契機となり連合法の制定が迫っていること、その中身が国民の市民的自由を奪いかねない急進的な内容であること、そして法案が通るかどうかは機密情報を手にした主人公たるジャーナリストにかかっていることが明かされている。残された時間はわずか4時間。プレイヤーはかき集めた証拠をもとに、リアルタイムで進行する各イベントにて判断を下していく。ときには大多数の利益を優先するため、何かを犠牲にすることを余儀なくされるかもしれない。

80年代の英国といえば、IRA暫定派によるテロ活動が盛んな時期であった。武装解除によりIRA起因のテロ事件は落ち着きを見せたが、悲しくも本作が発表された3月22日には現実世界のロンドンにて死者・負傷者多数のテロ事件が発生したように、現在の英国もテロとは無縁ではない。こうした背景が本作と関わっているかはわからない。ただ悲痛な現実味を帯びていることは確かだ。トレイラー内では、連合法の議論が移民問題を中心に進められているとのラジオ音声が流れていることも、やけにリアルである。

開発元のWhite Paper Gamesは2014年に1人称視点アドベンチャー『Ether One』をリリースしている。認知症患者の精神世界に潜り込む「Restorer(修復者)」として、パズルを解きながら記憶障害を引き起こした原因を突き止めていくという、ミステリーと人間の心を題材とした作品であった。この2点を活かしたストーリーテリングは『The Occupation』でも発揮されることだろう。