『Gang Beasts』乱闘系スクロールアクションを 3D 物理演算で

筆者がディスプレイを1人でじっと見つめ、心ときめいたインディータイトル達を毎週紹介していく【Indie of the Week】。チョコなんて貰わず家の中でゲームウォッチングしてた14日が過ぎた2月第3週目は、物理演算による愉快な挙動と往来の乱闘アクションの空気感を融合させた『Gang Beasts』をピックアップします。

『Gang Beasts』は複数のプレイヤーにて共闘、時には対決もするマルチプレイヤー主体のアクションゲーム。成型肉産業が盛んだったものの、「牛肉大暴落」に よって治安が悪化した大都市「Beef City」がゲームの舞台となり、プレイヤーは街に蔓延る敵対ギャングたちと拳を交えていくことになります。『ファイナルファイト』や『ベア・ナックル』 を筆頭に、『ゴールデンアックス』、『クライムファイターズ』、『ダブルドラゴン』、そして『レネゲード』などのタイトルから影響を受けていると謳われて おり、往来の乱闘スクロールジャンルのスピリットを 3D アクションと下記の物理演算にて描き直す内容です。

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『Gang Beasts』最大の特徴は、「掴み投げ」といった各種の技を一定のコマンド入力で完遂させるのではなく、基本アクションの組み合わせと物理演算に委ねて いる点。プレイヤーは「移動」と「ジャンプ」と「パンチ」に加え、それぞれの手でオブジェクトを「グラップ」し、さらに「持ち上げる」動作を行うことが可 能です。単純なものからいけば「相手の体を掴みつつ殴る」や「掴んで持ち上げ投げる」といった技から、「掴んで粉砕機に押し込む」や「トラックから落ちそ うになったので車体のヘリを掴む」、さらには「建物の扉を両手で掴んでギャング達を閉じ込める」といった特殊な動作まで。物理演算によりもどかしくも愛ら しい操作感と自由自在なアクション、愉快なビジュアルを有するようになった 3D アクションを、乱闘系スクロールジャンルの敵デザインやステージ構成にはめ込んだのが『Gang Beasts』なのです。

物理演算を利用したゲームといえば、相撲取りたちが七転び八転びする『Sumotori Dreams』も有名どころですが、滑稽な相撲取りたちの動きを見て笑うショートタイトルであった同作と比較して、現在デモも 公開されている『Gang Beasts』はより敵を倒すアクションに関し戦略性が増しており、1本のゲームとして遊べるという印象です。なお『Sumotori Dreams』はその滑稽な物理演算アクションよりも、97kb という実行ファイルのみで動作する点がプログラミングの面にて高く評価されています。

 

 

同作の開発を担当する英国のスタジオ Boneloaf は、世にも珍しいジェームズ、ジョナサン、マイケルのブラウン三兄弟が中心となり設立されました。元は大学とファンドの支援により実施された6ヶ月間のス キームにて、企業の動きを学ぶための教材として誕生したスタジオ Boneloaf。同スタジオでは6ヶ月間で3つのプロトタイプゲームが生み出され、今回取り上げた『Gang Beasts』と、同じく物理演算にフォーカスしたアクションゲーム『Grim Beasts』 の開発がスキームを終えた今もなお進められています。なおスタジオ名やロゴの元ネタは『ゴールデンアックス』に登場する回復アイテム「肉」。三兄弟たちが 幼少期にクラシカルな乱闘アクションゲームを罵倒し合いながらプレイし、大人に成長した今も同ジャンルに敬愛を示していることが伺えます。

『Gang Beasts』は現在 Steam Greenlight にて Steam での配信を目指しており、リリース時期は未定となっています。

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Shuji Ishimoto
初代PlayStationやドリームキャスト時代の野心的な作品、2000年代後半の国内フリーゲーム文化に精神を支配されている巨漢ゲーマー。最近はインディーゲームのカタログを眺めたり遊んだりしながら1人ニヤニヤ。ホラージャンルやグロテスクかつ奇妙な表現の作品も好きだが、ノミの心臓なので現実世界の心霊現象には弱い。とにかく心がトキメイたものを追っていくスタイル。

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