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ファンタジー戦乱SLG『ブリガンダイン アビス』はシリーズ課題の見直しと『戦国BASARA』『FE蒼炎』関連スタッフら参加の新風融合で、新たな国盗りゲームに。開発者に訊いた
『ブリガンダイン』シリーズ最新作となる『ブリガンダイン アビス』。本作における、過去作からの変化について、本作プロデューサーである齋藤勝氏に訊いた。

ハピネットは『ブリガンダイン』を発売する。対応プラットフォームはPS5/Nintendo Switch 2/Xbox Series X|S/PC(Steam)で、8月27日に発売予定となっている。Steamでは既に体験版が公開されており、その他のプラットフォームでも後日配信予定とのこと。
『ブリガンダイン』シリーズは第1作目『ブリガンダイン 幻想大陸戦記』が1998年に、そのリメイク版となる『ブリガンダイン グランドエディション』が2000年に発売された。そこから20年を経た2020年に『ブリガンダイン ルーナジア戦記』を発売し、本作『ブリガンダイン アビス』に至っている。
『ブリガンダイン』シリーズではファンタジー世界でのウォーシミュレーションが特徴となっており、人間同士の戦いではなくモンスター達と一緒に部隊を作り攻め上がる。本作でもその特徴は受け継ぎつつ、高低差のあるHEX(六角形)の戦場を舞台に個性あふれるキャラクター達による群雄割拠の世界での戦いを描いている。
今回はメディア向け試遊が開催された際にプロデューサーである齋藤勝氏にインタビューする機会に恵まれた。その中で豪華スタッフが本作の制作にどのように携わっているのか、そしてどのように本作が前作から変化しているのか伺うことができた。
──自己紹介をお願いいたします。
齋藤勝氏(以下、齋藤氏):
ハピネットの齋藤勝と申します。『ブリガンダイン アビス』のプロデューサーを担当しております。実はハピネットは一度退職しておりまして、その当時には前作『ブリガンダイン ルーナジア戦記』のα版までアシスタントプロデューサーのような立場で携わっていたのですが、途中で退職してしまった事が心残りだったこともあり今回『ブリガンダイン アビス』のプロデューサーを担当させて頂いております。
──本作にはどのように携わられていますでしょうか。
齋藤氏:
最初のプロジェクトの立ち上げからかかわらせて頂いておりまして、社内で「続編を作ろう!」となった時に企画書を書いておりますので、本当に0からかかわらせて頂いています。なんとか発売が見えてきて良かったなと。
──『ブリガンダイン アビス』がどのようなゲームなのか教えてください。
齋藤氏:
『ブリガンダイン』シリーズは本作で4作目にあたります。ファンタジーウォーシミュレーションというジャンルで、Play Stationで最初の『ブリガンダイン 幻想大陸戦記』があり、そこから歴史自体は20年以上になっています。でも、その間には長らく続編が出てない時期があったんですが(笑)
『ブリガンダイン』シリーズの一番大きな特徴で言うとモンスターユニットが数多く登場する点で、戦場で人間とモンスターが入り乱れて戦います。『ブリガンダイン アビス』ではその特徴を踏襲しつつ、高低差のある戦場やモンスターの特徴をリーダーユニットに付与できる支援というシステム、確保した拠点を開発するという内政的な要素を取り入れるなど、『ブリガンダイン』をより進化させた形を皆様に届けたいと思い開発しています。ボリュームに関してもメインストーリーが6つ、ミッションモードでは24カ国ぶんあるので、そこも今までよりもパワーアップしております。
──『ブリガンダイン』シリーズではモンスターと一緒に戦えるのがワクワクしますね。
齋藤氏:
『ブリガンダイン』シリーズは作品毎の繋がりがある訳ではないので、初めての方でもまったく問題なくはいって頂けると思っています。ただ唯一、多数のモンスターを従えて戦うというのはシリーズの歴史となっているので、そこは守りたいと思って作っています。
──公式サイトのプロデューサーレターには「前作のユーザーの意見を良いものも悪いものも確認した」「たくさんウォーシミュレーションゲームを遊んで研究した」と書かれておりました。前作で見つけた課題にはどういったものがあったのでしょうか。
齋藤氏:
今までの『ブリガンダイン』シリーズも遊んでみて、基本的な部分の見直しはしていました。少し細かい部分になってしまいますが、たとえば戦闘が開始した際のユニットの初期位置から接敵できるまでが少し長すぎるな……とか。抜本的な不満点の見直しは当然ですが、全体的な進行のテンポを意識したり、『信長の野望』ほどのものではないですが拠点開発という内政的な仕組みを取り入れたりしてします。今までは探索というものしかありませんでしたが、戦闘をして拠点をとる国盗り要素がありますので、そこは強化していかないといけないと思い実装しています。

ストーリー面では前作、前々作ではどのシナリオを遊んでも半分の国を制圧するとボスが出て、すべて制圧するとラスボスが出てという形でした。ただ、今回のメインストーリーはどの勢力のストーリーも遊んで欲しいという思いがあったので、勢力ごとに異なるストーリーになるようにしています。なので、勢力によってラスボスも異なったりもします。
また、ストーリーのテイストも前作は政治的イデオロギーの話など硬派なものだったのですが、今回は方向性を変更して勧善懲悪ものにしています。なのでイラストレーターさんもそれにあうようにアニメ調の方が良いなと思いました。ただ、前作とは方向性が異なるので賛否両論が出るとも思っています。
前作にあった統魔範囲も撤廃しています。あれはあれで面白いと思いましたが、余り一般的に認知されているシステムではないことと、本作のなかで上手く機能させるのは難しいなと。なので、今回はもっとユニットを自由に動ける形を採用しました。
──体験版や試遊版をプレイさせて頂いた際にも感じたのですが、ストーリーがある事で目標が設定され、国盗りゲームの中でもかなり遊びやすいように感じました。このストーリーはどのように作られたのでしょう。
齋藤氏:
ストーリーラインは山本真さんと松野出さんのお二人に決めて貰うような形にしていました。定期的に行うミーティングの際にお話を伺うと、毎日何時間もお二人でキャラクターのストーリーに関しての話をしていたとのことで、その熱量がシステムにものっているのではないかなと思います。
──確かに、今回プレイさせて頂いた範囲でもキャラクターの個性、群像劇感が強くなったように感じました。
齋藤氏:
メインストーリーの6つのお話のいくつかは最初に僕の方から「こういう話にしたい!」というのを出したんです。今はもう山本さんと松野さんに手直しをして頂いているので原型はありませんが(笑)そういうこともあって各キャラクターの魅力がでるように作って頂きました。実は『ブリガンダイン』のお話をさせていただく前に山本さんに方向性の異なるシミュレーションRPGの企画を書いていただいたこともあったんです。それも凄く面白そうな内容だったのですが、『ブリガンダイン』とは毛色が違うのでやむなくお蔵入りになってしまいました。ですが、それくらい精力的に山本さん、松野さんが設定などを細かく作ってくれていて、その熱量が群像劇として面白く出てきているのかなと思います。

──先程の話とも少し被る部分がありますが、本作では『戦国BASARA』でシリーズディレクターをされていた山本真氏や、『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』ディレクターを務めた堀川将之氏といった豪華な方々が参加されています。本作にはどういった部分にそのエッセンスが感じられるでしょうか。
齋藤氏:
山本さん、松野さんに関しては先程の話に加えて、ハピネット側の要望も汲み取って作成していただきました。堀川さんは『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』や『リデンプションリーパーズ』などに携われてシミュレーションゲームに造形が深く、前作『ブリガンダイン ルーナジア戦記』も深くプレイして頂いて『ブリガンダイン』をわかったうえで今回参加して頂いていました。
たとえば、前作の戦闘では部隊ごとに行動順がまわってくるような仕組みだったのですが、今作では自軍ターンと敵軍ターンというクラシカルなスタイルになっています。これは「ダイナミックな戦術ができるようにするならこちらの方が良い」という堀川さんのアドバイスによるものになっています。
──他メディアのインタビューではSteamで人気の中世タクティカルRPG『Battle Brothers』から影響を受けた要素を一部入れているという話もありました。それ以外の部分でユーザーの意見あるいは他ゲームの要素で取り入れたものなどありますでしょうか。
齋藤氏:
色々なゲームを遊ぶ中で、今作で取り入れた、高低差のあるフィールドというのが個人的に好きだなと感じました。『XCOM』や『Wartales』、『トラブルシューター: 捨てられた子供たち』、『Divinity』シリーズとかも結構遊びました。ファンタジーものでは『Age of Wonders』なども遊びました。細かい遊びの部分もそうですが、その中で今のシミュレーションゲームの全体テンポや雰囲気というのは参考にできたかなと思います。
──ストーリーでは新生アビスローア帝国が簒奪という形で成立する事を発端として各勢力個別のストーリーが描かれます。これには複数ストーリーをプレイする事で判明する事実のような物語的ギミックはあったりするのでしょうか。
齋藤氏:
本作ではそれぞれが別々の話になっているので、そういった作りではありません。ただ、各シナリオで共通で出てくるのは新生アビスローア帝国だけであり、各勢力でそれぞれ異なった物語展開を楽しんでいただきたいと思っています。どうしてこのような作りなのかと申しますと、前作におけるプレイヤーさんのプレイ実績を確認しますと複数シナリオを遊ばれた方が少なかったんです。
クリアまでのボリュームもありますから1つクリアして満足……というのもわかるのですが、複数勢力を用意しているのでそれを遊んでいただけるようにするにはどうすればいいかな?という事で1つ1つ違う話になるようにしようと言うのがコンセプトでした。ストーリーモードではシナリオ上で早期に滅亡してしまうような勢力もありますが、そういった勢力のキャラクター達にも背景設定があり、とても個性的で良いキャラクターばかりだったので、そういうキャラクター達の個性が感じられるちょっとした話を体験できるモードとして生まれたのが24カ国から選択肢して遊ぶミッションモードなんです。
──Steamでは既に体験版が配信されています。プレイヤーの皆様からの反応などはいかがでしょうか。
齋藤氏:
ここではあえてマイナスな部分の話をさせていただきます。海外ユーザーの方からフレームレートについての話がでていまして現時点では30fpsなのですが、なんとかこういったマイナスの部分を修正できないか対策しているところです。体験版で頂いたご意見も真摯に受け止めて対応していきたいと思っています。
※公式サイトにて、同作Steam版が60fpsに対応されることが告知された
──24カ国から選択肢して遊ぶミッションモードでは、各勢力それぞれに異なるクリア目標が設定されています。これらのクリア目標は工夫次第で攻略法が複数あったりもするのでしょうか。
齋藤氏:
選択した勢力次第の部分はありますが、基本的には国盗りを軸としてクリアしていく事になります。全国制覇を目指したり、侵略を何回か防ぐことだったり、借金の返済をしたりしますが、変わったクリア目標ではヴァンパイアの国があります。ヴァンパイアは戦闘をすると敵のHPを吸収するという能力を持っているのですが、その吸収した量が一定になるとクリアになるというものです。

──最後に、『ブリガンダイン アビス』でどういった体験をユーザーに届けたいでしょうか。
齋藤氏:
プレイされた事がない方はHEX(六角形)のファンタジーウォーシミュレーションというジャンルで「難しそう」と思う方もいらっしゃると思いますが、他のシミュレーションRPGとそこまで大きく違うことはないと思っています。なので、HEX(六角形)のシミュレーションの足掛かりになってくれたらと思います。そしてストーリー的には勧善懲悪でわかりやすく満足感もあるものになっていて、自分が気にいったキャラクターを見つけて興味を持って頂けたら、ボリュームもしっかりとありますので長く楽しんでいただけるものになるかなと思います。
──公式サイトで公開されている各勢力のキャラクターの一覧を確認するとお気に入りのキャラクターが見つかるかも知れませんね。
齋藤氏:
そうですね。色々なキャラクターの情報も公開していってますし、声優さんにも力を入れていますので確認して頂ければと思います。
──ありがとうございました。
『ブリガンダイン アビス』はPS5/Nintendo Switch 2/Xbox Series X|S/PC(Steam)向けに8月27日に発売予定だ。
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