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私がポケモンにどっぷりハマったきっかけは「ダブルバトル」。そして、私のポケモンとの出会い方も、おそらく皆さんの大半といささか異なる。

AUTOMATON読者の中には、『ポケットモンスター』(以下、ポケモン)を愛している方も多いのではないだろうか。FPSタイトルの公式キャスターとして活動する私も、そんなポケモンを愛するトレーナーの1人だ。
ポケモンとの出会い方は人それぞれだろう。たとえば30代の方であれば、ゲームボーイで『ポケットモンスター 赤・緑』や『ポケットモンスター 金・銀』で初めてポケモンに触れた方もいるかもしれないし、あるいはサトシとピカチュウの冒険に夢中になり、テレビでアニメシリーズを観てポケモンを知った人もいるはずだ。
ただ、私がポケモンにどっぷりハマったきっかけは「ポケモンバトル」である。しかも、「ダブルバトル」。そして、私のポケモンとの出会い方も、おそらく皆さんの大半といささか異なる。なぜなら私は、ポケモンに初めて触れたのが「仕事」だったからだ。
ゲームボーイ版の『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されたのが1996年。翌年のアニメ化などが成功し、小学生の間で爆発的に人気が広がっていくことになるのだが、1996年当時、私は高校3年生だった。当時もなかなかにゲームをプレイしていた山野少年だったとは思うが、『ポケモン』より2年前の1994年には初代プレイステーションが発売されていたのだ。特に私は3DCGに魅了されていたので(実際、大学はコンピューターグラフィックス科に進む)、ゲームボーイの存在を忘れ、ひたすらプレイステーションをプレイしていた。
そのため、ポケモンブームとは全くの無縁だったのである。
そんな私がポケモンと出会うことになるのは、『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』が発売される前。『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』の発売にあわせて公開されるWebサイトの制作を、当時私が所属していた会社が担当することになった。そこで、初めてピカチュウ以外のポケモンを知った。

実際に今も残っているこのサイトは、私が株式会社ポケモンに入る前に作ったもの
そして、この時の仕事が縁となり、2012年、私は株式会社ポケモンに入社し、2017年末に退職するまで6年間お世話になった。
私が株式会社ポケモンで働いていたことを証明することはなかなかに難しいと考えていたのだが、1つだけ方法があった。こちら、2013年9月まで放送されていたポケモンを扱った情報バラエティ番組「ポケモンスマッシュ!」のWikipediaページ。

このWikipediaのプロデューサーの欄を見てもらうと「山野智久」という人物がいると思うが、これが私の本名である。

株式会社ポケモンでは、最初の3年間はプロモーション部門でWebサイトやTV番組を担当し、後半の3年間は『ポケモンカードゲーム』の営業を担当させてもらった。本当に6年間は素晴らしい思い出しかなく、毎日が楽しかった。
そんな環境に身を置いていたサラリーマンの私は、訳あってダブルバトルにハマることになる。担当した業務の中に、大会のプロモーションというものがあった。ポケモンでは毎年世界大会が開催されているが、その世界大会に出場するためには、国内大会を勝ち抜かないといけない。その国内大会のプロモーションを一時期担当していた。そして、この大会で採用されているレギュレーションがダブルバトルだったことから、必然とダブルバトルを理解しないといけなかったのである。
現在、ポケモンバトルで人気があるフォーマットはシングルバトルだろう。たとえば、ポケモンバトル配信で有名なストリーマーの方の多くはシングルバトルをプレイされていると思う。YouTube登録者数100万人を超えるもこう先生やライバロリさんもそうだ。世間一般的にはシングルバトルをプレイされている方が多いのではないだろうか。
たしかに、ゲーム本編をプレイしていれば、その延長でシングルバトルをプレイするのは自然の流れである。ダブルバトルは『ポケットモンスター ルビー・サファイア』で初登場し、外伝作品を除く以降の作品では基本的にダブルバトルが実装されているが、ゲーム本編のストーリーにダブルバトルはたまにしか登場しない。
しかし、私は仕事の都合でダブルバトルを理解する必要があったため、当時後輩だったI君にダブルバトルの基礎を全て叩き込んでもらい、そしてハマった。このように、他の人とは違う形でポケモンバトルに接してしまったため、私にとっては「ポケモンバトル=ダブルバトル」になってしまったのである。
そんなポケモンバトルには、今年4月、新しい展開が起きた。それが『Pokémon Champions』のリリースである。『Pokémon Champions』の登場により、ダブルバトルを含むポケモンバトルをより手軽に楽しめるようになり、いちファンとして本当に嬉しい。「ダブルバトルはあまりやったことがないなぁ」という方はぜひこの機会にチャレンジしてもらいたい!
初めて対人でのポケモンバトルをプレイした時の感動は今でも忘れない。相手の次の一手を読み、自分の一手をどう選択するか。対人戦ならではの緊張感が、凝縮されていた。その時感じた感覚は、オンライン対戦なんてなかった時代に、友人と興じていた将棋や麻雀と同じ楽しさだった。そして、バトルの経験が増えていくと、扱うポケモンへの愛着も跳ね上がった。「あの時、あのポケモンが、あの技を当ててくれたから勝てた」なんて記憶が今も残っている。
実際、「ダブルバトルを始めようぜ!」と言われても、なかなかとっつきにくい部分はあると思う。そこで、私が長年連れ添った相棒たちを紹介しながら、ダブルバトルの魅力を語っていきたい。
初っ端から王道中の王道ポケモンで申し訳ないが、どうしてもガブリアスは外せない。数多の死線を私は彼女(なぜかメスだった)とくぐり抜けてきた。すばやさがドラゴンタイプの中でも屈指の速さを誇るが、ダブルバトルで特に重宝されるのは、相手の2体のポケモンを同時に攻撃できる技「じしん」と「いわなだれ」という技を持っていること。優秀すぎる。ダブルバトルにおいては、2体に同時攻撃できる技を持っているポケモンがとても重要になる。
困った時には上で挙げた2つの技を選んでおけば、相手に脅威を与えられるため、ガブリアスはいついかなる時も私の相棒として力強くチームを支えてくれた。ただし、「じしん」は味方にもダメージが入る技なのでご注意を。

天候を変えられるポケモンは、シングル・ダブル問わず人気だとは思うが、私も天候パーティーはかなり好むところ。その中でもペリッパーとは長い付き合いだ。ペリッパーは、特性「あめふらし」を持っている。これは、ポケモンがバトル場に出た時に天候を「あめ」にするというものだ。「あめ」状態においては、みずタイプの技のダメージが約1.5倍に上昇し、ほのおタイプの技のダメージを約0.5倍にすることができる。
シングルバトルの場合は、ポケモンを入れ替え、場が「あめ」になり、次のターンで技を撃つという形になると思う。ところが、ダブルバトルの場合はペリッパーが登場したターンで、隣のポケモンがみずタイプの技をぶっ放し、いきなり相手に大ダメージ!ということができる。ペリッパーを後投げ(最初から場に出さない)して、相手の天候を書き換えて思惑を潰しつつ、こちらが大ダメージを出せた時は脳が痺れるほど興奮する。この駆け引きがダブルバトルの面白さの1つだと思う。
また、ペリッパーは前述したガブリアスとの相性がいい!ペリッパーは地面から浮いているポケモンなので、ガブリアスの「じしん」を受けることがない。相手からするとガブリアスが「じしん」を撃たないだろうという盤面で、これまた後ろからペリッパーが登場し、ガブリアスが「じしん」をぶっ放して相手をなぎ倒してくれるという経験も脳汁がドバドバでるので、試してみてほしい。

『ポケットモンスター』シリーズで最初に選べる3体のポケモンを「御三家」などというが、ガオガエンは2016年発売の『ポケットモンスター サン・ムーン』で登場した御三家の1匹である。私が株式会社ポケモンに在籍し、プロモーションや営業を担当したタイトルでもあるので思い出深い。最初にガオガエンの進化前のニャビーを見た時は、あまりの可愛さにニャビーで旅することを発売より遥か1年前には決めていたくらいだ。
そんなガオガエンは御三家の中でも突出した強さを誇る。当時ガオガエンの専用技だったあくタイプの技「DDラリアット」も優秀なのだが、特性「いかく」が一番の魅力。特性「いかく」は戦闘に出た際、相手の「こうげき」ランクを1段階下げることが出来る。ダブルバトルにおいては、当然相手2体の「こうげき」を同時に下げることができるのだ。
そして、さらに重宝されるのが技「ねこだまし」。バトル場に登場したターンだけ使えるという制限が厳しい技ではあるが、先制技であり、決まれば相手を行動不能にすることができる。1ターン全く動けなくなるというのはダブルバトルにおいて致命的だ。「ねこだまし」自体のダメージは大きくはないが、行動不能に追い込まれた後、もう1体が高ダメージの技を撃ってくるといったケースは日常茶飯時だ。「ねこだまし」は特に警戒しないといけない技といえる。
ちなみに、この「ねこだまし」を回避する方法として場に出ている2体が技「まもる」を選択するというテクニックがある。「まもる」とは、使ったターンにおいて相手の技から身を守ることができる。ただし、連続で使おうとすると成功する確率が3分の1になってしまう。ダブルバトルにおいては、この「まもる」がとてつもなく重要になる。「まもる」をどのタイミングで使うのかは、ダブルバトルの必須テクニックといえ、1つの「まもる」の選択が戦局を大きく変えることもある。

2013年に発売された『ポケットモンスター X・Y』も思い入れのあるタイトルだ。株式会社ポケモンに入社して最初に担当した新作タイトルであり、メガシンカが採用されるなどシステム面でも楽しんだ思い出深いタイトルである。その『ポケットモンスター X・Y』の御三家として登場したのが、ゲッコウガである。
ゲッコウガは、2025年に発売された『Pokémon LEGENDS Z-A』で待望のメガシンカを果たすことになる。メガシンカによりさらにカッコ良さが増している!そんなゲッコウガだが、珍しい特性「へんげんじざい」を持っている。これは、登場するたびに1回だけ自分が出す技と同じタイプに変化するというものだ。ゲッコウガは「みず」「あく」タイプなのだが、例えばくさタイプの技「くさむすび」を使うと、その瞬間、くさタイプのポケモンへと変化する。
無限の可能性を感じる特性ではないだろうか。しかし、運用がめちゃくちゃ難しい……。ダブルバトルで会心の「へんげんじざい」活用をできたと言い切れる場面はいまだに訪れていない。だからこそ、使い続けている。そんなゲッコウガは、永遠に振り向いてくれない好きな女の子のような存在かもしれない。

まだまだ紹介したいダブルバトルおすすめポケモンは山程いるが、これくらいにしておきたい。ただ、ダブルバトルはお伝えしているように場に2体のポケモンがいる。そのため、単純に「強い技を持っている」、「HPが高い」といった基準では選ばれない。ペリッパーやガオガエンのように隣のポケモンをサポートできるといった観点でも選ばれることがある。
そんなダブルバトルの奥深さを示してくれたのが、2014年の世界大会で優勝したセジュン選手のパチリス。この愛くるしいポケモンが、ガブリアスなどの猛々しいポケモンを前に誰が大活躍すると思っただろうか。その可能性を唯一セジュン選手だけが見出し、使いこなしてみせたことは今も語り草になっている。
ダブルバトルではこのように、組合せ次第で幾らでもパーティーを組むことができるので、ぜひ私と同じようにダブルバトル沼にハマってほしい。

以前はポケモンの育成が大変だった部分はあるが、『Pokémon Champions』の登場で一気にその過程が楽になった。ハードルが下がったことで、新たにポケモンバトルデビューするプレイヤーもたくさんいることだろう。バトルにスポットが当たっていることは素直に嬉しい。
ただ、ポケモンの凄さは、「人それぞれで楽しみ方が違う」という懐の深さだと思う。
『ポケモンユナイト』はまた違ったバトル体験を提供してくれるし、『ポケモンGO』や『ポケモンスリープ』は、私たちのライフスタイルすら変えている。。ポケモンは単なるIPという存在を越え、私たちの生活になくてはならないところまできている。私が在籍していた頃も、石原CEOが常々「現実世界と仮想世界の両方を豊かにする」とおっしゃっていた。それが着実に現実になってきていると感じる。
これからもポケモンはどんどん大きな存在になっていくだろう。そして、私はダブルバトルを続けながら、これからもそんなポケモンと繋がっていきたいと思う。
そして、2027年発売予定の『ポケットモンスター ウインド・ウェーブ』を心待ちにしている。
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