[GGGotY] 強盗予備軍Yasudaは『PAYDAY 2』を選ぶ。あったものは期待と誠意と裏切りと

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今年何本のゲームをプレイしたでしょうか。そのうちどれくらいの数を満足にプレイできたでしょうか。そもそもどのゲームをプレイしてきたのでしょうか。記憶力が悪いうえに記録をつけていなかったのでなにもかも曖昧ですが、言えることはいくつかあります。たとえば、何十本かのうちから1本を選び出すのは可能だということ。

そして、それは犯罪協力FPSこと『PAYDAY 2』です。最大4人のプレイヤーが結託し、あらゆる仕事に手を染めるというもの。なお対戦はありません。

 

次点

本題に入る前に、最後まで真剣に悩みぬかされた作品たちをご紹介します。

まず『艦隊これくしょん』。私のような小物がいまさらどうこう語るべきではないでしょう。日本国内における2013年のゲームを間違いなく代表する一作です。彼女たちはたしかに私の精神と時間をわしづかみにしてきました。しかし、本作の"本質"にたいしては強いこだわりを持てたわけでもなく、ついでに言うとあまり課金もしませんでした。これでは私の一年を代表させるわけにはいきません。

 

暁の水平線に刻み込まれた勝利たち。
暁の水平線に刻み込まれた勝利たち。

 

次に『エスカ&ロジーのアトリエ』。アトリエシリーズ最新作であると同時に、総合的にみて最高峰の出来栄えです。『アーシャ』からパワーダウンしている部分もいくつかあるものの、創り手のこだわりとおもてなしの心が見え隠れする調合要素、前作では強調しきれていなかった荒廃した世界観、そして何よりも「アトリエ史上屈指のかっこいいラスボス」。

『アトリエ』といえば"事実上最強の敵"は存在しても"これを倒せばクリア"がないのが伝統です。『エスカ&ロジー』も同様なのですが、今回のラスボス(的なもの)は別格です。物語・演出・音楽、すべてが風格と迫力をかもし出し、納得へとつながっています。これだけで選出したい気持になるのですが、「1年間縛られたか?」と問われたら残念ながらノーです。

 

ある条件を満たした上でラスボスに説教をかますと本気モードへ突入。 追い詰められた人にこんな発言したらそりゃキレられます。
ある条件を満たした上でラスボスに説教をかますと本気モードへ突入。

追い詰められた人にこんな発言したらそりゃキレられます。

年末に滑りこんできた魔物、『Starbound』。これが年始にリリースされていたら話は変わっていたかもしれません。わずか1ヶ月弱でプレイ時間は90時間ほど。誰にも文句をつけさせない『Terraria』の後継者です。「アーリーアクセス」の御旗をかかげた目も当てられないような商品以前のタイトルがいくつも世に放たれるなか、本作はすでに充分すぎると評して過言ではない内容と楽しさをともなっています。アップデートのたびに面白くなってゆく様も見事というほかありません。

しかし、リリースされてから間もないこと、というよりも正式リリースされていないこと、現段階ではさすがにまだあらが目立つこと、ゆえに今後もっと研鑽されることが明白であることなどから、今回は次点としました。このまま成長を続けてくれたとすれば、来年の GotY は『Starbound』になることでしょう。

 

終わらないテラフォーミング。
終わらないテラフォーミング。

『PAYDAY 2』が来る

思い返せばティーザーサイトがオープンしたのは2013年2月ごろ。ホワイトハウスを背景にした不穏きわまる一枚絵に、私はやたらと興奮した記憶があります。「これは"来る"!」と。初代『PAYDAY』を当時遅ればせながらやりこんでいた(ゴールドマスクを獲得する程度)ので、続編を期待しない理由はありませんでした。

 

こんなティーザー動画反則ですよ。

 

長々と悶々とさせられ、たまにティーザートレイラーで興奮し、気づいたころには夏がやってきていました。その間何があったのかはよく覚えていません。ただ、相次ぐ米国での銃乱射事件をうけて「このままでは PAYDAY 2 のリリース日に悪影響があるのでは?」と憔悴したことははっきりと記憶しています。

半年以上の長きにわたり焦らされ続けた末、ベータがついにリリースされたのは今年の夏。気温以上に高まった私のもとに、ベータ開始の報が届きました。そのときの心と魂の高鳴り、いかに表現したものか。とにかく、来るべきものが来たと千葉繁ばりに絶叫したものです。比喩ではなく物理的に発声しました。

 

『PAYDAY 2』、安田の期待に応える

ベータをプレイした瞬間の感情、何と言葉に表すべきでしょう。あったのは興奮・興奮・興奮。純然たる精神の高揚がありました。ついにやってきた! あの強盗協力 FPS のナンバリングタイトル、後継作が! 夏まで待たされたことなど些細すぎて塵芥のごときものです。

事前情報として、ある程度の内容は把握していました。一、初代とは世界観や"ノリ"について若干違う方向性をとっていること。一、複数日に渡る犯行があること。一、成長要素が強化されていることなど。名作アクションRPG『Dark Soul』に影響を受けたとディレクションを担った人物から後出し告解があったことも、一切評価へ影響を及ぼしません。何の問題ですか? 自分の好きな IP がどういう変貌を遂げようとそれは私が添い遂げるべき姿にすぎません。

 

武器選択。さまざまなMODでカスタムできます。 よくある成長要素の一つ。
武器選択。さまざまなMODでカスタムできます。

よくある成長要素の一つ。

 

『2』は初代と明確に異なる部分がありました。それは進化であると同時に退化でした。どう解釈するかはプレイヤー次第と評さざるをえない、なんとも微妙なさじ加減だったのです。いくらでもサンプルを挙げられますが、端折って表現すると「バカバカしいノリからシリアスになった」です。

これには善し悪しがあります。何より端的に現出したのがミッション達成時の BGM。軽妙かつコミカルなものから、シリアスな「してやったぜ」感のあるものへ変更されました。さらにそもそも"仕事"全体がいやにリアル路線のものへ変質しています。同じ銀行強盗でも、サーマイトで金庫上部を溶解させて闖入したのち中身を持ってトンズラするというようなバカバカしいノリは鳴りを潜め、気味の悪さすら感じるリアル寄りの"犯罪"が並ぶことになります。

 

幾度となく繰り返したマスクをかぶるモーション。 これだけでただようリアル感。
幾度となく繰り返したマスクをかぶるモーション。

これだけでただようリアル感。

しかしながら、私はこれを好意的に受け止めることに成功しました。前作と同じ空気である必要などどこにもありません。むしろ、犯罪系(しかも直球)FPSならば、よりリアリスティックといいますか、てらいのない・言い訳の効かないどまんなかに放り投げてほしいとう欲求があったのです。

本当に残念ではなかったのか? と問い詰められると本音が出ます。どちらかといえば、『1』の"頭の悪さ"が好きでした。ですが、ゲーマーは狭量になってはなりません。緊迫感のある強盗が『2』なのならば、その世界を受け入れる準備がありました。事実、そして存外それはあっさりと達成され、私を含む多くの初代プレイヤーを納得させたと言い切ってかまわないでしょう。

 

『PAYDAY 2』、安田の期待にナナメ上から応える

『2』が常時ジェントルだったとはお世辞にも言えません。ベータ段階でのベータならではのぎこちなさ、断罪せざるをえないツッコミどころ(例: プレイヤーごとにじつは流れている BGMが異なっている)は山盛りありました。しかし、誠意があったことは確かです。

雰囲気は変われど『PAYDAY』は『PAYDAY』。正統進化と評するに値する充分なパワーアップでした。多様な武器群(仮にそれが最終的に単一の回答に収束するとしても)、プレイヤーの頭を悩ませるスキルツリー群、バリエーション豊かな「仕事」たち。いずれもがリリース前の期待を上回るものでした。

前作と毛色は違えどきわめて完成度の高い料理がベータで提供されたとき、私は素直に狂喜乱舞しました。これが『PAYDAY 2』だ! 来たぞ 来たぞ! 延々プレイしました。迷いはありません。

待ち受けていたのは宝石店強盗。宝石を盗む、これは初代より脈々と続く伝統です。『1』でのパワーレベリングといえば"DIAMOND HEIST"。お仕事の名前そのままに、ダイヤ由来のあぶく銭にまみれた連中からしかるべきカネを巻き上げるミッションでした。『2』では舞台が本社ビルからそこらへんの小売店へとグレードダウンしましたが、それはすなわち現実的になったということ。強化ガラスを丸鋸で突破し進入するのではなく、宝石店真正面から突破してもらうものをもらう。なんと雄弁な。

 

見慣れた光景。
見慣れた光景。

 

良かったのです。とても良かったのです。盗みたかったのはたしかに宝石です。宝石を盗むこと、ティアラを盗むこと、顧客と店員を伏せさせ警備員を死体袋にブチこみ隠すこと、これは良かったのです。非の打ち所のない『強盗』でした。本当に楽しかったのです。

キャラワイプを前提としたベータテストにおいてすら、その魅力は鈍りませんでした。無論私を含む多くの犯罪者予備軍が、延々と宝石強盗を繰り返したものです。まあ、単にほかにプレイするミッションがまともに用意されていなかっただけだったり、効率を考えると宝石店を襲うしかなかったりだとかしたのですが、それは瑣末なことです。ようするに、ショーケースをブチ割って装飾品を奪って逃げるだけ、数十秒のただそれだけの作業が楽しかったのです。これは誰にも否定させません。

レベルキャップに到達し、ワイプされ一からやり直しになり、またキャップに到達し、しかるのちに正式リリース、またワイプ。やっていることはずっと宝石店襲撃です。初代から延々と宝石ばかり狙っている気がしました。べつにユダヤ資本だとかブラッド・ダイヤモンドだとかに興味があるわけではりません。結果的にエンドレスダイヤモンドになっただけです。それにしても何と申し上げるべきか、侘び寂びというべきか。もうワシントンに宝石は残っていません。

……。私がやりたかった『PAYDAY』の続編はこれだったのでしょうか。繰り返される宝石強盗。終わらない宝石強盗。いえ、楽しいです。認めます。文句なく楽しい。ひどい単純労働なのですが、延々繰り返してしまうのです。あらたに追加されたマスク関連の収集要素や、武器の強化(MOD)がそれに拍車をかけます。ニンジンを吊り下げられて走らない馬はいません。

 

やめろよ宝石強盗。
やめろよ宝石強盗。

 

しかし何事にも限界というものがあります。理想のシナジーを想定したスキルをシミュレータで構築しそれに目指し邁進する過程で、「いい加減宝石強盗やめようぜ」ムードが場を支配し始めます。それもそうです、何十時間宝石ばかり狙えばいいのですか。私も嫌気がさしていました。ノーモア宝石泥棒!

チンケな潜在的犯罪者である我々の心境を Overkill は察したのでしょう。あるアップデートで、宝石店以上の効率を誇るミッションが突如として設計されました(厳密には既存の"仕事"がbuffされた)。すばらしいことです。

が、ただでさせ異次元的だった宝石強盗の次に待ち受けていたの異世界からの刃でした。ロールプレイに興味を持つ志の高い諸兄はともかく、効率重視の強盗各位は結果つまり経験値しか求めません。あるミッションにスポットがあたりました。

それは本来であれば「麻薬製造現場に乗り込み、麻薬を製造し、後日ギャングらと情報と麻薬を交換し、それを元に敵性勢力に襲撃をかける」という仕事。これが何の因果か「とにかく速攻で麻薬製造工場を爆破し、チンピラどもも皆殺しにし、ついでに敵方の腐ったカネも全部ぶっ飛ばしてトンズラをこく」という大変道徳的・教育的なものになりました。効率を追究しきった末に待ち受けていたのは"正義"です。なんという皮肉でしょう。

 

突然現れた麻薬。
突然現れた麻薬。

 

何かがおかしい……。前作で宝石を奪い、新作でも宝石を奪い続け、ワイプされるもまた奪い続け、正式リリース後も奪い続け、煮詰まったところで今度は正義の味方になる……。強盗ってなんだったっけ――いや、いい。面白いのですから。

 

『PAYDAY 2』、安田の期待へ挑戦する

ある一線を超えると、つまり理想の武器とスキルを整えたのち、ようやく真の強盗作業が始まりました。やっと本番です。こう書くと「今までが面白くて本番がつまらなかったんだよ」の流れを予想される方もいらっしゃるでしょうが、残念ながらハズレです。強盗実践編も充分な味わいでした。

満足に成長した強盗たちが好んで挑んだのは「Framing Frame」と「Firestarter」なる2つのミッション。前者は事前から予告されていた絵画泥棒で、後者は気に食わないカネを燃やすというものです。

『2』が前作から大きく変わった点の1つに、スニーキング要素の強化があります。上記のお仕事はそこに強くフォーカスしているのが特徴で、むろん古典的なプランB(銃撃戦)もあるのですが、無駄な流血を避け美しく優雅にもらうべきものだけもらってトンズラこくのは最高のカタルシスがあるのです。ましてやそれをボイスチャットで連携を取りながら4人で達成したときなど、「そろそろ俺本当に強盗になれるんじゃないか」と冗談半分ながら危険な妄言を口にした記憶があります。

 

美術館の正しい入り方。 ここからの手際が試されます。
美術館の正しい入り方。

ここからの手際が試されます。

充分すぎる知識と業前を有した強盗が一人完成したころ、ゲーム内のキャラクターもレベル100でカウンターストップしていました。スキルツリーも考えうる理想の、わずかな隙すらない形へ組みあがります。

ですが強盗は終わりません。「Framing Frame」と「Firestarter」、そしてたまに息抜きに宝石店を襲っていればそれで満足できたのです。何百回と繰り返される並列的犯罪。部屋を立てたらレベル100の末期患者めいたプレイヤーが一瞬で集結するような沸き立つ歓喜が落ち着き、皆が冷静さを取り戻すには数ヶ月かかりました。

そう、数ヶ月間は夢心地だったのです。もう『PAYDAY2』の評価はここで決着させてもよかったのかもしれません。素晴らしいゲームだった! はい撤収!

 

いやーちょっと使っちまったなー。
いやーちょっと使っちまったなー。

……。私がそれ以上の過剰な期待を寄せたのは、やはり本作が素晴らしい内容だったからにほかなりません。次なる進歩、進化、前進を体験したいと渇望してしまったのです。忘れて次のゲームに征くべきところを、とどまってしまったのです。それが悲劇の始まりであり、今年を象徴する理由ともなりました。

発売直後に垂れ流された、真偽の程がさだかでないリリース予定マップのリークさえなければ……。こんなに苦しいのならばリークなどいらぬ!

 

『PAYDAY 2』のほころび

じつのところ、『2』が完全無欠の傑作だと感じていたかというとそれは違います。上述の2つくらいしかまともにやりこめるミッションがないのがとくに致命的で、そしてその状況は驚くべきことに現在でも事実上解決されていません。

細かなほころびを指摘しはじめるときりがないのですが、いの一番に指摘しなければならないのはアイテムとスキルのバランスの悪さです。アイテム(武器や携行物)については何ヶ月もかけてだいぶ改善されたものの、スキルについては相変わらず厳しい事態が続いており、いわゆる"死にスキル"が大量にあります。これは少々大げさに表現すると、成長要素自体が死んでいるということにほかなりません。突き詰めると、レベル100のキャラクターのビルドはおそらく3,4パターンしかありません。

 

ぼくのかんがえたさいきょうのごうとう(一部ネタスキル取得)。 現状のバランスで考えられる数少ないビルドの1つ。
ぼくのかんがえたさいきょうのごうとう(一部ネタスキル取得)。

現状のバランスで考えられる数少ないビルドの1つ。

ミッションをプレイヤーの随意に選択できないというシステムも斬新ではありますがなかなかの不快指数でした。狙いの"仕事”が登場するまでランダムに他のものが表示されては消えてゆく様子を延々眺めるというのは虚無の極みでした。なお、こちらは紆余曲折のすえゲーム内通貨で選択できるように変更。仕事をカネで買うというシュールな世界観の完成です。

また、面クリア時に発生するランダムアイテム入手("PAYDAY")のバランスが崩壊していたのも大問題でした。どれだけ困難な仕事をこなしたとしても、手に入るものに有意差があるとは感じられず、おのずと最も簡単な宝石店を何百回と襲撃するはめになったのです。後にゲーム内通貨を利用しての"PAYDAY"が実装されたのですが、こちらは1回あたりの値段が高すぎてまったく機能していません。『2』という"素材"自体がよくなければこの段階で切り捨てられていたでしょう。

しかし、これらは序章。本当のほころびは別のところにあったのです。それが DLC です。

 

『PAYDAY 2』の裏切り

「『PAYDAY 2』から誠意が失われたのでは?」 疑いが確信へと至ったのは、ハロウィンシーズンのイベントでした。

ハロウィンアップデートで追加されたマップは使い捨ての一発ネタ。しかも、おそらく私だけでない多くの強盗予備軍が期待していた「真打ち」をあっさりと消耗してしまったのです。これだけでがっかりするところに、追い打ちのようなクソ実績群が待ち受けていました。

以前、実績の在り方にかんする記事を掲載しました。『2』DLCの実績はこれを悪い方向で地でゆく、最低なものばかりでした。作業のための作業。プレイヤーを楽しませることを考えていない、「ただのゴールライン」の集まり。実績を知るものならば、見るだけでイライラすること間違いなしです。

 

プレイヤーをなめきった実績。
プレイヤーをなめきった実績。

仏の顔が三度までなら、1発目がそれ。引き続いてお茶を濁すかのような追加マップ、追加要素、そして中身無しのクリスマスイベント等を段階的にリリース。ついでに毎回ひどい実績のおまけ付きです。これでは3度どころかデンプシーロール状態、さすがに頭が沸騰しました。

ひとつひとつ何がダメだったのかをあげつらうのは避けます。ただ、とにかくひどかったのです。三番煎じなんて生易しいものではありません。間をもたすために時間稼ぎするにしても、いくらなんでもひねりがなさすぎました。

ついでに言及しておくと、昨日クリスマスイベントとあわせてサウンドトラックが Steam 上で販売されました。内容はというと、ゲームと直接関係ないイメージアルバムです。Steam がこういうものを単品で売るようになったのかと感慨もわきますが、それはそれ。いい加減ごまかすのはやめていただきたいものです。私は、ゲームを、強盗を、『PAYDAY 2』をプレイしたいのですから。

 

『PAYDAY 2』の可能性

というわけで、今の『PAYDAY 2』はよりぬきの素材を手間ひまかけて調理したにもかかわらず長時間放置して生ぬるく変な味になった高級料理のような状態です。仮にも高級料理なのですから、いまからプレイするのも悪くないでしょう。ただし今「ホット」ではありませんし、料理が冷えていく過程を追体験する必要もありません(できませんが)。

しかし、本作は死んだわけではありません。直近の追加マップ「GO BANK」は、いわば『2』独特のスニーキングと銃撃戦の面白さを織り込みつつ、『1』にあったバカバカしさをトッピングとしてまぶしています。大量の現ナマをフルトン回収する、そういうプランが強盗には必要というものです。

 

給料日ここにあり。 こういうのでいいんです。
給料日ここにあり。

こういうのでいいんです。

デベロッパー・パブリッシャーが『2』をどうとらえているのか外からはわかりません。ただ、このままフェードアウトするにはあまりにも惜しい逸材なのです。過去作からの流用でもいい、既存マップの焼き直しでもかまわない、別作品とのコラボもよいでしょう。とにかく『2』が作り得た「犯罪空気」をこのまま放棄しないでいただきたいのです。

『2』はコンテンツとしてまだ終わっていないはずです。

 

2013年、『PAYDAY 2』

『PAYDAY 2』は、わずか半年でゲームの一生を体現してみせました。一身に期待を受け、荒削りながらも艶やかな魅力とともに登場し、誠意をもって修正され改善され追加され、みなが熱狂し、そして裏切りとともに冷え、新規コンテンツも一時しのぎのものばかりで失望させられ、しかしまた新たな火が灯されようとしている。こんなゲームはめったにありません。

『PAYDAY 2』は、今年最高のゲームだったわけではありません。一番長くプレイしたゲームでもありません。一歩引いた視点で評価すると、多くの欠陥が見えてしまいます。それでも Game of the Year を選出するとするならば、本作以外にありえないのです。『PAYDAY 2』は私、安田にとっての「今年の1本」であったと断言できます。

あとは、来年この極上の土台が打ち捨てられないことを祈るばかりです。

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