『Diablo III Reaper of Soul』 文句なしの2.0、引退勢よ復帰せよ

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4時間にタイムリミットを設定し、そのあいだに感じとった第一印象をお伝えする「4 Hours Impression」。第1回は『Diablo III: Reaper of Soul』(以下『RoS』)です。

 


99.9%語り尽くされたゲーム

 

常識的に考えれば、今私が『Diablo』シリーズについて説明する必要などありません。すべてを賭してプレイしてきた先達の数をカウントするのは失礼ですらあるでしょう。世界にハックアンドスラッシュを敷衍した快作、Blizzard の代表作、人の人生を(比喩ではなく)終わらせることすらあった怪物、「大学生にプレイさせてはならないゲーム」ナンバーワン……。

そうした肩書以上に、ゲームのディテールについては語り尽くされています。各種フォーラムや 有志らにより構築される Wiki などを閲覧すれば、ある一定の意味においてはゲームを理解することができます。あとはひたすらハムスターのごとく敵キャラを鏖殺するのみ。

しかし、それがわかっていても。なお『RoS』のファーストインプレッションは衝撃的なものがありました。

 


本当に「2.0」だった

 

かつて、弊誌 Okunokami Kuheiji が『Diablo3』にかんする記事の草稿を提出したおりに、「2.0と呼んでもよいだろう」と表現していました。半年前の当時、長らく『3』から離れて情報を追っていなかった私は「これようするにただのエキスパンションでしょう? 2.0は言いすぎですよ、直してください」と突き返したのです。前言撤回しなければなりません。『RoS』は2.0と呼ぶに値します。公式に2.0以降のバージョンを自称しているのは伊達ではありませんでした。

プレイ開始1時間後、思わず口をついて出た言葉は「別ゲーだこれ」。はなはだ陳腐ですが、本当にそうとしか言いようがなかったのです。

 


豪放磊落なスクラップアンドビルド

 

『RoS』は見てくれこそ大きな変化はありません。タイトルの由来にもなっている死神的なキャラクターはあいかわらずの『Diablo』調ですし、ゲーム画面からも視覚的に驚きをもたらしてくれるような追加要素は認識はできません。グラフィックスは『3』と大差のない、通常運行なのです。

ただし、ゲームの中身は豪快に変わっています。H&S というジャンルであることと見た目以外はもはや別物といっても過言ではありません。

一騒動起こしたオークションハウス閉鎖はよく知られています。しかし、真の英断は『3』にて必死の思いで獲得した装備の全否定にあります。一年以上のブランクがあった私のキャラクターは、わずか数時間のプレイで攻撃力が5倍ほどに跳ね上がりました。

とはいえ、ただバブリーになったわけではありません。AH 廃止・トレード制約追加にあわせる形で、ドロップ関係に調整が入っています。ほかにもハクスラとして中核にあたる部分に数多くメスが入れられているのです。詳細はここでは言及しませんが、結論だけ述べると「快適になった」。この一言に尽きます。

『3』はリリース当初から”苦行”でした。プレイするという行為自体が修行のようなものでした。修験者のような心持でろくに出もしないレジェンダリーアイテムを求めひたすら同じステージを回し続ける……あれは面白かったのでしょうか? たしかに考えようによっては面白かったのですが、楽しくはありませんでした。つらかったと断じるべきでしょう。

その点、『RoS』はひたすらに快適になっています。ぬるくなったわけではありません。あいかわらずボス級の敵の右ストレート一閃で即死はしますし、効率のため徹底的に装備やスキルそして立ち回りを追究する必要性はあります。しかし、その過程と結果が”気持よく”なったのです。

究極的には、『RoS』もまた殺伐としたトレハンにならざるをえないのでしょう。それでも、最初からクライマックス修羅場めいた状態だった『3』とは違うのです。なんと心地よいことか! 『RoS』を触った『3』プレイヤーは最初にほぼ間違いなくそう感じることでしょう……まあ、突っ込んだリアルマネーが事実上ドブ送りになった方の心境はお察しすると同時に、別途検討させてください。

 


引退していたプレイヤーにこそ

 

『RoS』は、『3』が「やっと完成した(少なくとも完成に近づいた)」とでも評するべき作品です。率直に言って、『3』は発売当初未完成品でした。それがパッチの数だけ成長し、長い長い有料クローズドベータテストを経て、ついに名作『Diablo』の名を冠するに値する水準に到達したのです。

『3』初期を体験したプレイヤーは、程度の差はあれ苦い思い出を心の奥底にしまっているに違いありません。そしてどこかでプレイをやめたことでしょう。2014年3月までコンスタントにプレイし続けていた人種は間違いなく希少種です。

ですから、その闇色の記憶を掘り起こし「うーん……『3』の拡張ねえ……」と躊躇してしまうのも致し方ありません。当然の反応です。しかし、違うのです。『RoS』はきっとその感情を塗り替えてくれます。本当に、2.0なのです。

今提供されているのは”素直に楽しい”ハックアンドスラッシュ体験です。心機一転、プレイしてはいかがでしょうか。半新作として、40ドルの価値は充分にあります。

 


新規勢はフレンドに寄生すべし

 

蛇足気味ですが、『RoS』から入る新規プレイヤーへ一言アドバイスさせてください。それは、「寄生しろ」です。よほどインナーユニバース生活を徹底していなければ、きっと周囲に一人か二人くらいは『3』をプレイしていたフレンドがいるはず。彼らに積極的に寄生しましょう。パワーレベリングです。

寄生される側からしても、レベル1の他プレイヤーを引き上げるのにかかる時間はせいぜいが半日。そして、『RoS』で追加されたトレハンシステムの都合上、人手は多ければ多いほど都合が良いのです。よって、双方の利害は一致します。

あまりにも高効率すぎるレベルアップっぷりに違和感を感じる古参プレイヤーがいるかもしれません。「レベル70からが本番」説を無粋と感じるかもしれません。しかしこれは道理なのです。『RoS』は2.0なのですから。

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