新作ホラーゲーム開発者、『あつまれ どうぶつの森』の作品コードをトレイラーに隠す。しかし誰にも気付いてもらえず自らネタばらし

 

インディースタジオBloober Teamによるホラーゲーム『Blair Witch』のNintendo Switch版。同作の発売に際しては、6月にローンチトレイラーを公開しており、その中に『あつまれ どうぶつの森』のコードを隠していた。しかし2か月間誰にも気付いてもらえず、自分でネタばらしすることになったようだ。

海外Nintendo Switch版『Blair Witch』は6月25日に発売されていた。国内Nintendo Switch向けにも7月9日に発売された同作は、ホラー映画「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」から2年後の世界を描く作品。元警官のエリスが忠犬バレットとともに、消息を絶った少年の行方を追って森に迷い込む、一人称視点のホラーゲームだ。同作はさまざまなプラットフォームで発売されており、はれてNintendo Switch向けにも発売されることとなった。


Bloober Teamは、それぞれの対応プラットフォーム向けにプロモーションを展開。Nintendo Switch向けにも、6月25日にローンチトレイラーを公開していた。ゲーム内と同様に男性とシェパードを登場人物とし、TVモードや携帯モードで『Blair Witch』をプレイ。最後は森で目覚めるなど、ゲームの要素を織り交ぜつつ、Nintendo Switchの特徴をアピールする、優れた販促映像になっている。

しかし、同映像には、さらに小ネタが織り交ぜられていたようだ。8月29日になり『Blair Witch』公式アカウントは、ローンチトレイラーに『あつまれ どうぶつの森』のコードを隠していたことを公表。gamescom 2018にて実際にスタッフが着用していた、ロゴデザインにちなんだパーカーを『あつまれ どうぶつの森』のマイデザインにて用意したという。そのパーカーが手に入る作品コードが6月公開の映像に仕込まれていると、“自ら”公表した。つまるところ、誰にも発見してもらえなかったのだ。

小ネタの公開後、早速どの部分にコードが隠されているのかの調査が開始。結果、16秒から17秒にかけて、一瞬コードが映し出されていることが確認されたのだ。超現象にてテレビの電気が消え、TVモードから携帯モードに移行する場面。このシーンにて一瞬12桁のコードが映し出されていたわけだ。作品コードは、MO-DH4G-J23P-MW4R。エイブルシスターズのマイデザイン・ショーケースから、作品コードを入力すれば入手可能。シンプルながらも、ゲームのシンボルマークが大きく描かれたユニークなパーカーが手に入る。


Bloober Teamは、今をときめく『あつまれ どうぶつの森』のコードを自社タイトルの販促映像内に隠しながらも、ユーザーには見つけてもらえず、自らそのギミックを明かすことになった。大人気タイトルとはいえ、トレイラーにて一瞬映るコードを読み取り、そのコードが『あつまれ どうぶつの森』作品コードであると認識するのは、かなり難しいだろう。映像そのものも高品質ということもあり、ある意味凝りすぎたのかもしれない。たとえ「MO」から始まる固有のコードであったとしても、コンテクストなしで「作品コードのみ」を共有しても、それが何かすぐに認識されないということだろう。またコードが発見されてもなお、ニンテンドーeショップで有効化されない、あるいは作者コードとして認識されていないとこぼすなど、コードを誤って入力しているユーザーの姿も確認されている。

トレイラー17秒頃をキャプチャー


ただしネタばらし後は、TwitterやRedditにて「どの秒数にコードが映っているか」を特定するプロセスで盛り上がりを見せている。結果的には、『Blair Witch』Nintendo Switch版は露出の機会を増やすこととなった。小ネタを仕込み、誰にも気付かれず、自分でネタ明かしする行為はやや気恥ずかしいかもしれないが、最終的にはうまく注目を集めている。ある意味、宣伝として機能していることは間違いなさそうだ。

Nintendo Switch版『Blair Witch』は、ニンテンドーeショップにて販売中。PS4/Xbox One/PC向けにも発売されている。