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『ペルソナ4 リバイバル』先行プレイ感想。オリジナルの要素はそのままに、「今遊ぶ意味」と向き合うリメイク
『ペルソナ4 リバイバル』の先行プレイを通じてどのような作品に仕上がっていたのか、進化の方向性を確かめていきたい。

『ペルソナ4 リバイバル』は、PS5、Xbox Series X|S、PC向けに2027年2月18日発売予定のタイトル。2008年に発売された『ペルソナ4』は、地方都市を舞台にした青春群像劇と、連続殺人事件を追うミステリー要素を融合させ人気を博し、その後追加要素を収録した『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』も展開。アニメ化・コミカライズなどのメディアミックスを果たし、『ペルソナ』シリーズの認知度を高めた記念碑的な作品で、現在に至るまで多くのファンに愛され続けている作品だ。
だからこそ『ペルソナ4』を再構築する『ペルソナ4 リバイバル』において、注目したいのはグラフィックやBGMなどの刷新だけではない。『ペルソナ3』のリメイクである『ペルソナ3 リロード』が、原作の魅力を尊重しながらキャラクター描写や遊びやすさを現代的に補強したように、本作も「なぜ今『ペルソナ4』を蘇らせるのか」という問いへの向き合い方を感じられるリメイクと言えるだろう。
今回メディア向けに行われた体験会では、序盤のペルソナ覚醒シーンやダンジョンの一部、3日間限定の自由に過ごせる「日常編」と3つのパートを合計1時間ほどプレイできた。先行プレイを通じてどのような作品に仕上がっていたのか、進化の方向性を確かめていきたい。
色褪せない青春群像劇をリッチ演出で描き直す
まずは、『ペルソナ4』のあらすじをおさらいしたい。物語の舞台となるのは、自然豊かな地方都市・八十稲羽。都会から引っ越してきた主人公は、叔父の堂島遼太郎と従妹の堂島菜々子が暮らす家に居候しながら、地元の八十神高校へ通うことになる。新生活を始めた主人公だったが、町では不可解な事件が発生していた。雨の日の午前0時にだけ映るという「マヨナカテレビ」の噂が広まり、真偽を確かめようとした主人公は、クラスメイトの「花村陽介」、「里中千枝」らとともに、テレビの中へ足を踏み入れる。

そこで待ち受けていたのは、心の奥に潜み抑圧された「影」と、「認めたくない自分」と向き合うことで生まれる力「ペルソナ」だった。千枝の親友で同じくクラスメイトである「天城雪子」がマヨナカテレビに映ったことをきっかけに、主人公たちはテレビの世界と現実で発生する連続殺人事件の関連性を疑い始める。雪子を救い出し不可解な事件の真相を突き止めるため、彼らは霧に包まれた謎の世界の調査へと乗り出していく。
改めて『ペルソナ4』の導入部分に触れて感じたのは、シナリオの構成は現代においても色褪せていないということ。本作の根幹にあるのは誰もが目を背けたい「自らの弱さ」と向き合い、受け入れることでペルソナに覚醒するという普遍的なテーマだ。事件を追うミステリーとしての緊張感と、仲間たちが自身の弱さや葛藤を乗り越えて成長していくジュブナイル要素が融合しており、約20年を経た現在でも十分な説得力と強度を備えている。

だからこそ『ペルソナ4 リバイバル』は、物語の骨子を大きく変えるのではなく、魅力を現行プレイヤーへ届けるためのアップデートに注力している印象を受けた。リッチに生まれ変わったグラフィックによって、八十稲羽のどこか懐かしい街並みや、テレビの世界が持つ不気味さが鮮明に描かれ、登場人物たちの表情や仕草はより細やかになった。さらにイベントシーンはフルボイスに対応し、仲間たちとの何気ない会話から感情がぶつかり合う場面まで、キャラクター同士の掛け合いが自然に伝わるようになり、演技を通してストーリーへの没入感が高められていた。

今回の試遊では、特別に4月18日〜20日の3日間を自由にプレイすることができた。
八十稲羽高校や河川敷、商店街などを「こんな風にリメイクされたのか」と感慨に浸りながら隅々まで歩き回りたかったが、本パートの試遊時間は30分限定。人間ステータスを中華料理店「愛家」での食事や自宅学習で伸ばしつつ、コミュを進めようとするだけでも時間が足りないほどだった。コミュはマリーの「永劫」、運動部の「剛毅」、あらかじめ解放されていた陽介の「魔術師」を確認。新たな立ち絵や演出も強化されており、原作を知るプレイヤーでも新鮮な気持ちで楽しめる仕上がりとなっていた。

またコミュを解放すると「永劫」では「アメノウズメ」、「剛毅」では「ヴァルキリー」といったペルソナを獲得できる新要素も驚きだった。というのも、原作ではコミュを進めるメリットは、対応アルカナの合体経験値ボーナスが中心だった。しかし本作ではコミュを進めること自体が新たなペルソナの獲得という直接的な報酬にもつながる。コミュを進める動機が増しただけでなく、序盤からペルソナ収集や合体の選択肢が広がるため、日常パートとダンジョン攻略をより密接に結びつける調整といえそうだ。

現代『ペルソナ』らしい快適さに進化した探索とバトル
ダンジョン探索やバトルシステムの根幹は、当然『ペルソナ4』と同じく、シャドウへの先制攻撃で「チャンスエンカウント」を狙い、弱点を突いて「1MORE」を獲得。敵を一斉にダウンさせ、「総攻撃」で畳み掛けるというシリーズおなじみの流れは健在だ。ただ手触りは決して当時のままではなく、『ペルソナ5』や『ペルソナ3 リロード』を経たシリーズのノウハウを取り込み、原作の魅力を損なわない範囲でシリーズ最新作としての遊びやすさと、スタイリッシュなUIが組み合わされていた。

今回体験した「雪子姫の城」では、はぐれた千枝を追ってダンジョンを進む場面をプレイできたが、目的地へ向かうルートがわかりやすく誘導されるようになっていた。ダンジョン探索に慣れているプレイヤーにはやや親切すぎると感じるかもしれないが、今回『ペルソナ4』を初めて遊ぶ人が迷わず物語を追えるという意味では、現代のプレイヤー層を意識した調整といえるだろう。
探索中に印象的だったのは、ダンジョン内に配置されたオブジェクトを破壊すると、HP・SP回復アイテムや素材を入手できる点だ。『ペルソナ4』では、SP切れによって泣く泣くダンジョン攻略を中断し、結果的に予定していたコミュや人間ステータス上げの予定を変更せざるを得ない場合も少なくなかった。本作では探索中に消耗品を補充できるため、ダンジョンに足を踏み入れたものの物資不足で即撤退、といった状況は大きく減りそうだ。シリーズの醍醐味である「限られた1日をどう使うか」というスケジュール管理は残しつつ、理不尽さを取り除こうという意図にも感じられた。

また新たに追加された「ガードアクション」も、探索のテンポを高める要素のひとつだ。シャドウの攻撃に合わせてガードを成功させれば敵を怯ませ有利な状態で戦闘へ移行可能。従来のようにシャドウの背後を取るだけでなく、プレイヤーの操作次第で先制攻撃のチャンスを生み出せるようになり、探索そのものにアクション性が加わっていた。なお、チャンスエンカウントでは新規アレンジ楽曲が流れることにも思わず気分が高まった。
バトルでは『ペルソナ5』や『ペルソナ3 リロード』でお馴染みになった「バトンタッチ」が導入。1MORE発生時に行動権を仲間に引き継げ、弱点を連続で突いて総攻撃まで繋げやすくなり、主人公頼りだけではなく、これまで以上にパーティ編成で連携する戦略が重要になった。一方で弱点を突いて敵を一掃するという『ペルソナ』らしい爽快感は損なわれていない。

ガードアクションやバトンタッチなどの新要素はいずれも原作を置き換えるものではなく、選択肢を広げるための新要素、あるいはアップデートという印象だった。試遊では体験のタイミングがなかったが、状態異常の敵を攻撃で吹き飛ばし、周囲のシャドウを巻き込む「ふっとばし」や、特定のゲージを溜めることで連続行動が行える「ボコスカラッシュ」などの新戦術も、本編では待っているようだ。
合計約1時間という短いプレイだったため、リメイクのすべてを感じ取れた訳ではないが、『ペルソナ4 リバイバル』は総じて原作の雰囲気を踏襲しながらも、新たな演出やシステムによって「昔遊んだ『ペルソナ4』」ではなく、「今遊ぶ『ペルソナ4』」として再構築しようという姿勢が随所から感じられた。
派手な刷新ではなく、原作を知るプレイヤーが「あの頃こうだったらもっと快適だった」と思える部分を丁寧に積み重ねていくような本作のリメイクは、現時点での感想ではあるが、”適切な補強”という言葉が似合うだろう。一方で令和に生きる我々の感覚から見ると捉え方が難しい描写もある作品だけに、物語がどこまで現代化されどこまで原作の描写を受け継ぐのか、さじ加減にも注目していきたい。
©ATLUS. ©SEGA.
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